とある王国の新兵と先輩騎士

A,一番奥のマスまで向かう。



この国→チェス

新兵→ポーン

王妃→クイーン

騎士→ナイト



*チェスのルールで、ポーンは相手陣地の一番奥に行くとルーク、ナイト、ビショップ、クイーンのどれかになることができる。



=以下、お暇な方だけどうぞ=



私はステフ。



新人騎士なの。もうすぐクロイ王国との戦争があるらしい。



だから今沢山訓練してるの。



訓練はつらいけど、これもお国のため。



でも、こんなにつらいとたまにお姫様とかになりたかったなぁ。とか思っちゃったりする。



そんな私を見てケイマ教官は笑いながら言ったの。

「活躍次第では君も王妃になれるよ。

なんたってこの国では転職が盛んだからね。

え？どうやってなるかだって?

それは自分で考えてくれよ。」



私はそんなことはない…と思った。



だってうちの国の姫様はとっても強いの。



あんなばけm…強い方に私がなれるなんてとても思えない。





…



ケイマ教官！



しっかりしてください！



…



クロイ王国との戦いが始まって、かなり月日が過ぎた。



戦争は膠着状態で、お互い少なくない犠牲が出ている。



同僚も、ケイマ教官と仲の良かった神官もいなくなった。



疲弊し続ける日々に、突然その時はきた。



死角からの猛襲。敵の城塞兵が躍り出た。





殺られる。





そう思ったのに、ケイマ教官が私をかばって剣を受けていた。





なんで。





こんな弱い私のために。





教官が。





「ステフ、前に進むんだ…今のお前なら…王妃に…」



そこまでにいうと教官は眼の光を消してしまった。





許さない。





絶対に。





私は一歩進み、王妃の祝福を受けた。





…周りを蹂躙する魔力と共に。



（※チェスの話です）