運ばれてきたスープを一口食べた男は、店員に聞いた。
「これは本当にウミガメのスープですか」
「はい。ウミガメのスープに間違いございません」
続いて、男はアカガメのスープを注文した。
運ばれてきたスープを一口食べ、そして、また店員に尋ねる。
「これは本当にアカガメのスープですか」
「はい。アカガメのスープに間違いございません」
店員のその言葉を聞くと、男は泣き出してしまった。
なぜだろう。
【ウミガメ】
アカガメのスープとウミガメのスープの味が似ていますか?
no!
男は過去にウミガメのスープとアカガメのスープを食べたことがありますか?
yesno! ※ミスリード注意! [良い質問]
男は今まで、アカガメのスープとウミガメのスープを逆に勘違いしていましたか?
yes!早い。では、どうして泣きだしてしまったのでしょう? [良い質問]
カニバリますか?
no!今回はカニバリ要素なしです!
誰か死にますか?
no!今回は謎に関わる限りでは誰も死にません!
泣いたのは悲しかったからですか?
どちらかといえばno? 「悲しい」、という感情はなかったと思います。
店員の言ったことはすべて正しいですか?
yes! [良い質問]
アカガメのスープを注文してからウミガメのスープを注文すれば泣きませんでしたか?
no!どちらが先でも泣くことになりました! [良い質問]
男が飼っていた亀が逃げ出していつの間にかレストラン店員に捕まえられ,調理されてしまっていましたか?
no!だめです!ペットは友達です!
2.過去に食べたことがあるのは片方だけですか?
yes!! [良い質問]
3 男はペットとしてウミガメまたはアカガメを飼っていましたか?
no!
今まで誰かに料理してもらって食べたことがあったのは高いアカガメのスープではなく安いウミガメのスープであり,「今までいいものを食べていたと思っていたのに自分が食べていたのは安物だったのか」と気付き,騙されていた悔しさで泣きましたか?
no!でも、なんかものすごく惜しい!! [編集済] [良い質問]
3. 男は、数の少ないウミガメを守ろうという団体の人で、いつもアカガメの方を食べているつもりが、ウミガメを食べていた、ということに気付かされましたか?(頼んでいる時点での矛盾は承知の上)
no!でも、そういう問題も良いですね。(なんか好きなので良質) [良い質問]
男は以前、アカガメのスープをウミガメのスープと誤解して食べたことがありますか?
yes!! [良い質問]
男と店員以外に重要人物はいますか?
yes!! [良い質問]
12 14 ウミガメのスープをいつもの店で食べていたのが、ある時から味が変わった。その理由は原材料がウミガメではなく安いアカガメのスープに代わったと気づきましたか?
no!
12の逆で、安く済まそうと飲んでいたのが実は高い方でしたか?
yesno!男が飲んだことがあるのは安い方のスープ(アカガメ)でした。でも、安く済まそうとしていたわけではなく… [良い質問]
12.安物だと思って食べていたアカガメのスープが実は高級なものであり,「親は無理して私にいいものを食べさせてくれていたんだな」と感涙しましたか?
yes!!お見事!! [正解]
誤解して、飲んでいたのはウミガメのスープの方ですか、それとも関係ないですか?
一応アカガメのスープですが、どちらでも成立します!
15 他の登場人物の職業は重要ですか?
no!
まだ幼かった兄と自分。そんな二人を雇ってくれるところなどほとんどなかった。やっと見つけた勤め口では、安い賃金に見合わない過酷な労働を強いられた。それでも、二人は懸命に働き、なんとか母と自分達の命を繋いでいた。
母の薬代と食事代の確保に精一杯で、二人は普段ろくなものを口にしていなかった。体が資本だから、栄養をつけなければもたない。しかし、母のためと理解していたから、男は何一つ不満を言うことはなかった。
それでも、半年に一回だけ。兄は男を連れてスープ店を訪れた。半年に一度のささやかな贅沢。男はいつも、その日が来るのが待ち遠しかった。
しかし、男にはひとつだけ気になっていることがあった。
兄は、決して男にメニューを見せようとしなかったのだ。
店に入ると、兄はいつも決まってウミガメのスープとアカガメのスープを頼む。そして、いつだって兄は、「お前はアカガメのスープな」と、男に片方のお椀を渡すのだ。男は、幼いなりに、兄がなぜ種類の違うスープを頼むのか不思議に思った。だけど、スープを一口食べた男は、そのようなことはどうでも良くなった。それくらいに、アカガメのスープは美味しかった。
だけど、ある日、兄がトイレに立った隙に、男はこっそりとメニュー表を見てしまった。メニュー表には、ウミガメのスープとアカガメのスープの文字があった。
男は、驚いた。
ウミガメのスープは、店一番の高額メニュー。対して、アカガメのスープは、店で一番安価なメニュー。ウミガメのスープの値段は、アカガメのスープの値段の何倍もした。
男は、トイレから戻った兄を問い詰めた。すると兄は、開き直ったように言った。
「ああ、そうだよ。ウミガメのスープは高級だからな。二杯も頼む余裕なんてないんだ」
だったら、その中間の価格のスープを頼めば良いじゃないか!男は、そう言いたかったが、思い止まった。
価格の低いアカガメのスープですら、こんなに美味しいのだ。その何倍もするウミガメのスープは、きっと夢のような味に違いない。どうしても、一口食べてみたいと思った。
「せめて、一口ぐらい分けてよ」
そう男が頼むと、兄は不機嫌そうに黙り込んだ。そのまま、スープを一気に流し込む。
「あ……」
「生意気なことを言うんじゃねえ。お前には、アカガメのスープで十分だ。俺は兄だからな。弟のお前より偉いんだよ」
いつも威張っていた兄。だけど、男はずっと、母を気遣い必死に働く兄を尊敬していた。しかし、告げられたその言葉は、男の兄への尊敬を打ち砕くのに十分だった。
険悪な雰囲気のまま、二人は店から出た。そして、それ以来、二人がスープを食べに行くことはなかった。
それから、長い月日が流れた。母は亡くなり、兄とは疎遠になった。男は一人になって、それでもなんとか人並みに暮らしていた。
ある日、たまたま立ち寄った定食屋のメニューに、男はウミガメのスープを見つけた。
ウミガメのスープから連想されるのは苦い思い出だったが、男はウミガメのスープを注文した。今度こそ本物のウミガメのスープを食べてやろうと思った。
運ばれてきたスープを一口食べた男は驚いた。口内を満たすのは、以前食べ懐かしい味。ひょっとして、店員が間違ってアカガメのスープを運んできたのだろうか。男は、店員に聞いた。
「これは本当にウミガメのスープですか」
「はい。ウミガメのスープに間違いございません」
自信たっぷりに、店員が答えた。
不思議に思いながら、続いて、男はアカガメのスープを注文した。
運ばれてきたスープを一口食べる。口内を満たしたのは、記憶とは似ても似つかないチープな味。決して不味いわけではなかったが、その味は、ウミガメのスープには、遠く及ばなかった。
混乱しながら、男はまた店員に尋ねる。
「これは本当にアカガメのスープですか」
「はい。アカガメのスープに間違いございません」
店員のその言葉を聞いて、男は確信した。脳裏に、兄の気の強そうな面影が蘇る。
「兄貴……」
男は静かに涙を流した。
【要約】
・幼い頃、兄とスープを食べた男。男は、兄が自分だけ高級なウミガメのスープを食べ、弟である男には安いアカガメのスープしか食べさせてくれないのを不満に思っていた。
・しかし、本当は自分が食べていたものこそウミガメのスープで、兄は安いアカガメのスープを食べていたと知った。
・今まで誤解していた兄の、優しい一面に気づき、愛しさと後悔が込み上げてきた。
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