比較ですか？晒し者ですか？

長

男が小1だったころの話です。



授業参観に行ったところ、廊下に子どもたちの作品が展示してありました。

算数の授業で「かたち」について勉強したので、丸や三角の色紙を画用紙に貼り、クレヨンで自由に描き足したり色を塗ったりして、思い思いの絵を完成させる……という授業をやったようです。



男女を問わず、家やビルなどの「建物系」が多かったです。

男の子だと、ロボットやロケットのような「機械系」も多く、

女の子だと、「お花系」が多くなります。







さて、その中に2枚だけ、他の作品とちょっと離れたところに、特別感たっぷりに貼られたものがありました。

1枚は、とてもキレイな作品で、もう1枚はとてもキタナイ作品でした。



キレイな作品のタイトルは「はなび」

丸や三角を円形に配置し、背景を藍色のクレヨンで塗りつぶしてある作品です。

色遣いと仕上げの丁寧さが群を抜いていました。



キタナイ作品のタイトルは「ごみばこのなかみ」

作者本人の解説には、

「はえ、さかなの あたま、さかなの ほね、バナナの かわ、ふくろ」と書いてあります。

何と斬新な！

大人でもなかなか描けないでしょう。







そのキタナイ作品は、ウチの長男が作ったものでした。



「よくよく見れば、この魚の骨の、何という躍動感っ！

バナナの皮の黒ずみ方の、何と芸術的なことっ！」



……と、なかば強制的に 「親バカモード」 に頭を切り替え、誉め言葉を捻り出した私ではありましたが。



「異彩」を放つと言うよりは「異臭」を放っている気がするその絵のセンスに動揺してしまい、しばらく平静に戻れなかったのもまた事実だったのでありました。







担任の先生は、多分「発想」を評価して特別扱いしてくださったのだと思います。

でも、今でも時々「もしや『はなび』の引き立て役だったのではあるまいか？」と疑ってしまいますw