【ラテクエ５８リサイクル】花言葉は「告白・失恋・叶わぬ恋」

＊目が見えない人がチューリップが咲いた花壇につまずいて、折ってしまった少女。

少女のせいで折れたことにショックを覚えないように、その花壇を知る人たちは結託して枯れていないと嘘をついた。





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その花壇は、とある教会にあった。



貧しい教会なので、十分に飾り立てることも出来なかったが、ささやかにでも彩りを求めた修道女は、近くの金持ちから一輪だけチューリップを分けてもらった。



たくさんの人に見てもらおうとして、修道女は入り口付近に花壇（といっても壊れたレンガを使った粗末なもの）を設置した。



ある日、毎日のようにお祈りに来る目のほとんど見えない少女が、新しく出来た花壇に気付かずに躓いてしまった。



「…きゃっ！？」



「ああっ、メアリ！？」



少女が転ぶ姿を目の当たりにした修道女は大急ぎで駆け寄る。



「大丈夫！？怪我は無い？」



「シスター、うん、大丈夫。でも、何でこんなところに大きな石や土が盛ってあるの？」



「ごめんなさい、実はここにはチューリップを植えたのよ。一輪譲ってもらってね、みんなに見てもらいたくて。でもあなたには邪魔だった見たいね。気が回らなくてごめんなさい。」



「えっ！！もしかして私、潰しちゃったんじゃ…」



「大丈夫よ、きっと添え木とかで無事に育ってくれるわ。」



数名の修道女や礼拝者たちもそれを見ていた。



それから、毎日のように少女はチューリップの無事を確認していた。



…しかし、やはり、数日後チューリップは枯れてしまった。



シスターは神に懺悔した。



「あの子を傷つけたくない。私のわがままです。あの子の泣き顔は、見たくないのです。だから…」



この教会は常連しか来ない。



シスターは、少女以外の常連全員に嘘を付いてもらうことにした。



チューリップは咲いていると。



開花してからおおむね1週間で枯れる。



後２日ほどだけでいい、あの子を騙してやって欲しい、と、懇願した。



皆は快諾した。



３日ほどたった頃。



「ねえシスター、あのチューリップは咲いている？」



「ちょっと待って…。ああ、もう枯れてしまったわね。やっぱりチューリップは1週間位で枯れてしまうのね…」



「ふぅん。…よかったね、もう嘘つかなくてすんで。」



「そうね…えっ」