おこりんぼ

今日はクリスマス。

少女はこの日のためにと言っていいほど、早寝早起きもして嫌いなピーマンも食べて、お手伝いも頑張っていい子にしていた。

楽しみで楽しみで今日もめちゃくちゃ早起きした。

なのにいつも枕元に置いてあるプレゼントが、目が覚めても見当たらない。

サンタさんこなかった！！　いい子にしてたのに！！

いい子にしてたらサンタさん来るってお母さんが言ってたのに！



リビングのソファで寝ていたお母さんに詰め寄ります。

実はお母さん、女でひとつで娘を育てています。

仕事疲れもあって、プレゼントをベッド脇に置くのをすっかり忘れてソファで眠ってしまっていたのでした。

「たまにあるのよ、サンタさんは世界中回ってて忙しいから回りきれないことが。ちゃんといい子にしてたじゃない。明日の朝にはきっとくるわよ」

寝起きながらも娘の夢を壊すまいとうまく立ち回ったお母さん。

心の中ではごめんね、と何度も謝りながら。

「サンタさんはお母さんみたいに忙しいの？」

「そうなの。案外、どこかで眠ってしまってるのかもね」

少女はそれなら仕方ないね、と納得するのでした。



かくして一日遅れのサンタさんは、無事少女の元にやってきたのでした。

「間に合わなくてごめんね」のメッセージカード付きで。