「長編解説は短命」のジンクスが続くかどうかの実験

＊浮気をしている勘違いして妻を殺してしまったが、お腹の子供への愛を囁いていた事に気付いたから。





ある日、トミーは愛する妻が待つ自宅に仕事から帰った。



鍵を開けて、リビングのドアの前に立ったとき、妻レイラの声が聞こえた。



他に人の気配は無い、恐らく電話だろう。



「ああ、早く会いたいわ。トミーには悪いけど、今後はあなたを一番大事にするわ。…ねぇ、ミック。」



驚愕した。



愛し合っている自信があった。



しかし彼女は続ける。



「私、何年も待ったのよ。でも、あと半年くらいかしら。…おねがい、早く会いにきてね。ミック。」



意を決してドアを開けるトミー。



「只今。誰かと話してた？」



「えっ、ううん、なんでもないの！」



慌てたようにごまかすレイラ。



トミーはその場は追求せずに終わらせた。



しかし、その夜、あろう事か共に眠るベッドの上でレイラは寝言を言った。



言ってしまったのだ。



「ミック、愛してるわ」と。



トミーは幼い頃のトラウマもあり、浮気や裏切りを許すことなど出来なかった。



愛しているレイラ相手だからこそ、だ。



衝動的に、レイラの首を絞めた。



自分の手の指が折れるのではないかと言うほどに、強く首を締めた。



その後、トミーは自殺した。



刑に服する前にだ。





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捜査の過程でわかった事実。



レイラのお腹の中に、まだ３ヶ月にも満たない赤ん坊がいた。



そして、トミーが聞いた「声」はそのお腹の子供への愛を伝えたものであったのだ。



直接見ていないトミーは、彼女が口にしていた言葉を、彼女が秘密にしたこともあいまって浮気だと勘違いして…殺してしまったのだ。



レイラの日記が見つかり、その日の日記にこう書かれていた。



今週いっぱい忙しいって言ってたから、次の休みの時に伝えよう。

お腹の中にあなたの子供が居るよって。

そして、初夜の約束の通り、男の子でも女の子でも、愛称がミックに出来る名前をつけましょう、って。

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