嬉しい手紙？

女は男の元妻だった。

しかし、女は男の虐待行為を受け続け、ついに半年前家を出ていき別居していた。



だが、どうしてもよりを戻したい男は、彼女の住所を特定し毎日のように手紙を送り続けた。

それでも彼女は、暴力を振るわれ続けた男の手紙など読むものか、とそのまま放置していた。

彼女宅の郵便受けはいつも男宛の手紙で埋め尽くされていた。



ある日、彼女はガス料金の伝票と間違えて男宛の手紙を開けてしまった。

始めは手紙を開けてしまったことに後悔と怒りを感じた彼女だったが、内容を読む内に息を飲んだ。

手紙を読んだ彼女は目に一杯の涙を浮かべ、喜びを隠せず、こう叫んだ。



「やった！あの男が死んだわ！」





手紙は、男の訃報を伝えるものだった。