【シュガーマン番外編】シュガーマンとの遭遇

元ネタ:狂言『附子』



昔々、まだ砂糖が貴重品だった頃――



彼(カメタ)は、ある大きな家で使用人として働いていた。



ある日、家主が出かける事になり、カメタが留守を任されることになった。



家主「カメタ、留守を頼む。特に家の奥の甕には猛毒が入っておる。」



――くれぐれも気を付けるように。



そう言い置いて家主が出かけると、カメタはすぐに甕に向かった。



彼は知っていたのだ。



甕の中身が毒ではなく、砂糖であることを。



そして、普段口にすることの無い砂糖の甘味に病みつきになっていると――



家主「今、帰ったぞ。カメタ？どこにいる?」



まずい···砂糖を食べているのを見つかったら――



カメタは咄嗟に、砂糖の入っている甕を叩き割った。



家主「!!?カメタ、何を――」



カメタ「ど、泥棒が出て、捕まえようとしたら···」



カメタは渾身の嘘泣きをかまし



カメタ「もう、私は生きていけません!死にたいんです!!」



そう言ってカメタはこぼれ出した砂糖の山に突っ込んだ···が



「おいおい、ワタシを食べて死のうだなんて···一体どれだけ食べる気だ？」



カメタ「え···誰?」



「ワタシはシュガーマン。砂糖の化身とでも思ってくれ。」



カメタ&家主「「シュガーマン??」」



シュガー「それにカメタ、お前さっきまでさんざん食べていたんだ、死ねないことは分かっているだろう」



家主「――おい、カメタ」



カメタ「す、すみませーん!!ﾋｲｰ」



カメタと家主の壮絶な鬼ごっこは夜明けまで続きましたとさ。