ご自由にお飲み下さい

ショート解説

ドリンクバーの飲み物やティーパックを持ち帰ろうとしていた母を子である従業員がとめようとしたが、店長に親子もろともものすごく怒られた。そんな話。



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カメオが勤めるファミレスに、カメオの母カメ緒がママ友と一緒にやってきた。



他の席の迷惑になるほどやかましかったので、何度か注意した。



やっと静かになったところで、カメ緒がドリンクバーにやってきた。



お店のコップにコーヒーを注いで、そのまま戻る…かと思いきや、持ち込んできた水筒にコーヒーを更に注ぎ、オマケにティーパックをカバンにつっこもうと手を伸ばしたところでカメオが慌ててやってきて、母の手を捕まえる。



「ぅおきゃくさまああああああ！！！店内でお飲みいただく以外の持ち帰りはご遠慮下さいいいいいいいいいいい！！！！！！」



「ああ！？カメオ！なんやの！？好きに飲みよし書いとるやないの！母ちゃん少し分けてもらいたいだけやないの！」



「お客様のようなモラルのないお客様のせいで、私は解雇寸前なんですよ！お帰り下さい！二度とこないで下さい！」



「そないな事でクビやなんて、どうなっとるんやｗありえへんなーあ！！！」



店長がそこにやってくる



「お客様、余り騒がれるようなら業務妨害で警察を呼びましょうか？あと、店内での飲用をせずに持ち帰る場合窃盗罪になります。息子さんのお陰で今回は窃盗未遂という事になりますね。罪が軽くなってよかったですね。」



「業務妨害に窃盗！？」



「そうなりますと、犯罪者の家族を雇用し続けることは商売柄好ましくなくなりますね。やはり、カメオ君には退職していただくしかありません。仕事は出来るので、大変惜しいのですが…」



「そ、そんな！？」



ヘナヘナと力なくへたり込むカメオ。



「か、返す！お茶パックとか返すし！この水筒のコーヒーどないしたらええんや！？」



「いえ、もう無理です。」



「何でもするから！」



「ならば、二度とこないで下さい。あと、今まで持ち帰られたものの弁償と示談金として、お会計とは別に合計５万円頂戴いたします。それで、息子さんの退職もなかったことにしましょう。」



「ご、５万円！？」



「…それは僕の給料から分割で引いてください。今どうせ手持ちないだろうし。」



「か、カメオ…」



「友達も含めて全員、二度と来ないでくれ。頼むよ、母さん。」



「ううう…。」



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母カメ緒は、それから本当に来なくなった。



実はこのファミレス、ほぼ毎日のように我が物顔でドリンクバーを蹂躙していた彼女達のせいで、業績が相当悪化していた。



騒がしさに雰囲気が悪くなり、客足が遠のいた上に持ち帰りでの損害が多かったのだ。



そこで、従業員であるカメオは一計を案じて、店長に持ちかけた。



一掃する作戦を。



カメオのパフォーマンス「給料天引きでの示談金肩代わり」もうまくハマった訳で、むしろ給料が上がった。



それは母カメ緒には秘密である。