【ラテクエ51リサイクル】やっぱりカレーを下さい

犯人だけがカレーを食べなかった事が、殺人の決定的な証拠となったから





おまけ

「・・・と言う事で犯行は昼食の時と言う事になるんです。ところで、みなさん今日の昼食はケータリングの特注カレーだそうですね。それを食べなかったのは3人だけ。

一人はカレーが足らずに食べられなかった方この方は犯行時刻のアリバイが証明されていますので除外します。

一人は部外者である被害者。

そしてもう一人は、歌手という職業柄、喉に悪いという理由で刺激物を一切摂らない、プロ意識の高いアナタです。だからアナタ以外には犯行は不可能なんです。

アナタは用意されていたサンドウィッチを食べる為に楽屋に行った後、頃合いを見計らって被害者との待ち合わせ場所である裏口へ・・・」

「違います。私は楽屋から一歩も外へ出ていません。私が楽屋から出て犯行に及んだと言う証拠でもあるんですか?ないですよね?だって私は楽屋から一歩も外へ出ていないのですから」

「わかりました。話を続けてもよろしいですか?

アナタはサンドウィッチを食べる為に楽屋へ行ったのにそのサンドウィッチが手付かずでは怪しまれると思ったのでしょう。あなたはサンドウィッチの箱を持って食べながら裏口へ向かいました。しかし、裏口の扉は非常に堅く片手で開けるのは不可能です。

その際、アナタは一旦箱を床において扉を開けました。」

「そんな事はしていません」

「イヤしています。コレが何かお分かりですね?そうあなたが食べたサンドウィッチが入っていた箱です。底をご覧下さい。少しですが黄色いシミがあるのが判りますね。

このシミを鑑識に調べてもらったら、ケータリングのカレーでした。

サンドウィッチはケータリングのカレーが搬入される30分以上前に楽屋に用意されていました。

それ以後楽屋には誰も入っていません。それは監視カメラの映像で証明されています。

ではいつこのシミはついたのか?

先ほど食べなかった方は3人いたと言いました。

2人分ははじめから用意されていないから良いとしても、一人分足りませんでした。昨日は余るほど充分あったのに何故今日は足らなかったのか?

実はですね。業者を問い詰めたところ、カレーのケータリングを裏口から搬入した際、こぼしていたんです。特注のカレーなので補充する事が出来なかったので足らなかったんですよ。

で、業者の方、慌ててばれない様に誰にも言わずにこっそりふき取った様ですが、さすがに完全にと言う訳にはいかなかったようです。その拭き残しの上にアナタはサンドウィッチの箱を置いたんです。

お聞きします。アナタはいつカレーのシミを作ったのですか?ケータリングのカレーが現場に用意される前に楽屋に行ったアナタが。

アナタがカレーのシミを作る可能性は裏口の床に置いた以外にはありえません。

違うと言うのならば、一体どうしてのシミが付いているのか、納得できる理由をお教え下さい」

「・・・まさか、カレーを食べなかった事でバレるとはね。その食べられなかった人には悪い事をしたな」

「ええ。食べ物の恨みは恐ろしいんですよ」

「なるほど。前言撤回だ。食べられなくてざまあみろだ。」