しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、ウェイターを呼んだ。
「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」
「はい。ウミガメのスープに間違いございません。」
男は深く頷くと、スープを一口ずつ味わうように飲み、勘定を済ませて出て行った。
その夜、男は自殺した。
なぜだろう?
【ウミガメ】
苦いスープ
男の過去は重要ですか?
Yes とても重要です。 [良い質問]
カニバリますか?
No 残念ながら。
男はスープを飲む前から、自殺するつもりでいましたか?
YesNo? 考えてはいました。
男は過去に、ウミガメのスープを飲んだことはありますか?
No 今回が初めてです。
自殺の方法は重要ですか?
No どんな方法でも成立します。
男は最期の晩餐にウミガメのスープを選びましたか?
No 最期の晩餐の意味はありませんでした。
男とシェフの他にも重要キャラはいますか?
Yes 解説に登場します。 [良い質問]
自殺した男とスープを飲んだ男は同じ人物ですか?
Yes 同じ男です。
自殺したのがその夜でなければ問題は成立しませんか?
No その夜でなくとも成立はしますが、スープを飲んでから自殺までの時間が短い方が、男にとって良かったとは思います。
海が見えないレストランでも成立しますか
Yes 成立します。
男の自殺以外に死人は出ますか?
Yes 人死にます。 [良い質問]
7 11より まだ登場していない人物が死にますか?
Yes 解説にしか登場しない人物も死にます。
11 その死人は7の重要キャラですか?
Yes この問題の核になる人物です。
男は何かを悟りましたか?
Yes 悟ったと言うよりは、確認しました。 [良い質問]
1より 男の過去とはごく最近の出来事ですか?
No 大分前の出来事です。
14 その何かを確認するために、そのレストランに足を運んだのですか
Yes その通りです。 [良い質問]
16より。確認したかったのは、スープの味ですか?
No 何か違う物です。 [良い質問]
ウミガメのスープでなく、おにぎりでも成り立ちますか?
Yes 実のところ、おでんでもカレーでも成り立ちます。
男の過去とそのレストランは関係していますか
No 男がこのレストランに来たのは初めてです。 [良い質問]
男が確認したかったのは、自分の味覚が正常かどうかですか?
No 男の味覚は正常です。
(シェフ以外に)職業が重要なキャラはいますか?
No(拙問では、シェフではなくウェイターになっています。)
人類が死滅しますか?
Now そこまで壮大ではありません。
男は人間ですか?
Yes れっきとした人間です。
重要キャラは既に死んでいますか?
Yes 大分前に死んでいます。
男は過去、犯罪を起こしましたか?
No 男はまっとうに生きてきました。
3.16より。男は最初は自殺すると決めてはいなかったけれど、スープを飲んで何かを確認したので、それが自殺を決める決定打になりましたか?
No 確認しただけでは自殺しなかったでしょう。 [良い質問]
男が確認したのは【ウミガメのスープの味】ですか?
No 17を参照してください。
男の職業は重要ですか?
No 重要ではありません。どんな職業でも成り立ちます。
26より。スープを飲んだ後に、自殺を決める決定打になる出来事がありましたか?
Yes その通りです。 [良い質問]
男は自殺しなくても、近いうちに死ぬ運命にありましたか?
No それはなかったでしょう。男は身体は健康でした。
16、17より、男が確認したかったのは、レストランでウミガメのスープを飲むことで、初めて確認出来ることですか?
YesNo スープではなくステーキでも良かったのです。しかし、レストランに来れば間違いなく確認できると思いました。
24の、既に死んでしまっている重要キャラとウェイターは知り合いですか?
No 知り合いではありませんでしたが、顔を合わせたことはあります。
男は誰かに会うためにレストランに来ましたか?
YesNo 会うためと言うよりは‥‥ [良い質問]
33より。そのレストランで働いている人を、見に来ましたか?
Yes その通りです。 [良い質問]
誰がウミガメのスープを調理したかは重要ですか?
No それは重要ではありません。
レストランの場所は関係ありますか?
No 場所はどこでもオーケーです。
11より、その死人はレストランの関係者ですか?
YesNo レストランの関係者も含まれます。 [良い質問]
レストランで何かを確認した男は、それによって安堵しましたか?
YesNo 安堵したと同時に緊張もしたことと思います。
男は、ウェイターとのやり取りの中で何かを確認しましたか?
Yes その通りです。 [良い質問]
男が人を殺しましたか?
YesNo 男は人を殺します。 [良い質問]
37よりレストラン関係者はウェイターですか?
Yes! ウェイターです。 [良い質問]
男はウェイターの顔を見て、彼が自分の愛する人を殺した犯人であることを確認し、その後復讐を成し遂げて、犯罪者として生きたくなかったので自殺しましたか?
Yes! 正解です! [正解]
男はウェイターが男の事を覚えているのか確認するために来ましたか?
No そうではありません。
1 40 41より 男は昔に ウェイターと関係のある人を殺したことがある?
No その逆です。
37より 死んだのは複数人ですか?
Yes 最終的に四人です。
レストラン特製のウミガメのスープを注文する。
しかし男の目的はスープではない。
「すみません。」
男はウェイターを呼ぶと、
「これは本当にウミガメのスープですか?」
とウェイターの目を覗き込むように聞いた。
「はい、ウミガメのスープに間違いございません。」
男は深く頷いた。
『やはり、あいつだ。間違いない。』
やっと見つけた。感無量だった。
ウェイターをそれとなく観察しながら、時間をかけてスープを
飲むと、男は勘定を済ませて一旦外へ出た。
しかしまたすぐ取って帰ると、ウェイターに呼びかけた。
「すみません、車のそばに変な物があるんですが、一緒に
見てもらえませんか?」
駐車場所に行くまでの暗がりで、男はカバンに入れてきた
包丁をそっと取り出すと、振り返りざまウェイターの腹を
突き刺した。
倒れこむウェイターに馬乗りになり、刃が見えなくなるまで
押し込み、そして引き抜いた。
血溜まりが広がる中、ウェイターの頭の上にかがみこみながら、
男は言った。
「俺が何でこんな事をするのか知りたいだろう?
お前が手にかけたあの女の子は俺の娘だった。」
男の一人娘は15年前に殺害されていた。
「あの時俺は娘に誓ったんだ。お父さんが必ず仇を取って
やると。お前が娑婆に出てきてからは、ずっとお前の消息を
探っていた。あれから俺は今日という日をを待っていたんだ。」
薄れていく意識の中で、ウェイターはその女の子のことを
思い出していた。
男は家に帰り着くと、精神を病んでしまった妻に優しく声を
かけた。
「さあ、真里奈に会いに行こう。」
「本当?あの子に会えるのぅ?」
「ああ、そうだよ。また家族揃って暮らすんだ。」
「本当に?嬉しいぃ!早く会いたい!真里奈!真里奈!」
「今準備をするから、待ってるんだよ。」
興奮して子供のようにはしゃぐ妻をなだめながら、男は
準備にかかった。
人生の目標を達した男は、抜け殻のようになっていた。
のろのろとロープを2本鴨居に掛けると、椅子をその下に置く。
涙が溢れて来た。
あんな事がなければ、彼らには普通の人生が待っていたのだ。
「さあ、準備ができたよ。」
夫婦は手を取り合って、娘に会いに旅立った。
もう何も苦しむことがない場所で一緒に暮らすために。
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