突然のプロポーズ？

カメオとカメコは美術館でデートをしていた。絵画にあまり詳しくないカメオは、とても詳しいカメコにいろいろと聞きながら鑑賞をしている。



カメオ「これは、何ていう絵なの？」

カメコ「ゴッホの『ひまわり』くらい聞いたことあるでしょ？」

カメオ「へぇ、これがあの『ひまわり』かぁ。本物なんて初めて見たよ」

カメコ「複製画に決まっているでしょ。こんな警備が薄いところで本物なんて飾っていたら大変よ」

カメオ「あ、そうか。じゃあ、こっちの絵は？」

カメコ「これはレンブラント・ファン・レインの『夜警』。タイトルから誤解されがちだけど、これは昼の様子を描いたものなの。もっと適切なタイトルを付けるなら、『フランス・バニング・コック隊長とウィレム・ファン・ラウテンブルフ副隊長の市民隊』になるそうよ」

カメオ「へぇ、確かに夜にしては明るい絵だよね。じゃあ、こっちは？」

カメコ「これはエドガー・ドガの『バレエ教室』。ドガはオペラ座の定期会員になって、バレエの楽屋に自由に出入り出来たから、バレエの絵が多いわ」

カメオ「へえ、僕も一回行ってみたいなぁ、バレエの楽屋。じゃあ、こっちの絵は？」

カメコ「いつ結婚するの？」

カメオ「え？」

カメコ「だから、いつ結婚するの？」

カメオ「え、えっと、そ、そうだね、もう少し貯金がたまって、家のローンが払えるようになったら……」

カメコ「そうじゃなくて、この絵は#red#ポール・ゴーギャンの『いつ結婚するの？（Nafea faa ipoipo?）』というタイトルよ。ゴーギャンは、しばらくタヒチに行っていたから、南国の女性の絵を描いていることが多いわ」

カメオ「あ、そ、そういうこと、僕はてっきり……」

カメコ「何よ？」

カメオ「い、いや何でもないよ、まだ結婚は早いよね、あははは……」

カメコ「……カメオ君は、私といつ結婚してくれるのかしら？　同期はみんな結婚しているのだから、早くしてよ」

カメコ「ん、何か言った？」

カメコ「なんでもないわよ！　えっと、こっちの絵は……」



婚期を気にしながら、絵のタイトルでカメオの本心をちゃっかり探るカメコであった。