車の上に、そば

現

代ではとてもめずらしいが、

昔はそばを片手に乗せて自転車で出前してくれるお店は普通にあったらしい。



ラテオはそのような店の店員だった。

彼は今までそばをこぼしたことは一度もないスペシャリストだ。

今日もそばを片手に持ったまま自転車で配達する。



赤信号に差し掛かった。

さすがに疲れたのか、そばを目の前の車にのせる。

ほっと一息。



一方、その車を運転していたカメオ。

車の上にそばがのっていることなど知るはずがない。



次の瞬間、信号が青になった。

カメオはいつもどおりに車を進ませる。



ラテオにとっては急な出来事。

油断していた間に、その車はどんどん進む。



ラテオは

「オーイ、そばよ待ってくれ～」

と叫びながら、そばを追いかけていった。



その後のそばの運命はご想像にお任せします。



要約

ラテオはそばを片手で持って自転車で配達する

今では珍しいおそば屋さん。

疲れたのでおそばを目の前にあったカメオの車の上に乗せたが、

カメオは気づかないまま車を走らせてしまったのだった。