船頭多くして船山に登る

「俺は死んだのか。」

幼い頃から病弱でずっと病院で暮らしてきたカメオは、目の前に現れた死神のようなものにカメオは聞いた。

死神「あなたはたった今、お亡くなりになりました。しかし、もし私と契約していただければ、あなたにあと半年の寿命を授けることができます。」

カメオ「そうか。しかし契約というと俺は何をしたら良いんだ？」

死神「心配ありません。ただ私のところであなたが死んだことや、来世のことについて手続きをするだけで良いのです。」

カメオ「ほう。それだけで半年の寿命が貰えるのか。」

死神「それでは私と契約を…」

死神B「お待ちください。私ならあと半年の寿命を授けることができます。ぜひ私と契約してください。」

死神C「いえいえ私ならただ寿命を授けるだけでなく、あなたを金持ちにしたりできますよ。」

死神D「私なら来世の待遇について…」

死神E「私なら…」

………………………………………



そこには死神がたくさんいた。最近では死神の増加に伴い、競争が激化しているらしい。



結局カメオは短いながらも健康な状態で暮らせることと来世の健康な体を約束するという条件を提示してきた死神と契約をした。



そして、約束の日が訪れカメオは死の覚悟を決めた。

カメオ「病弱であまり外に出れなかった自分がまさかこんなに元気になれるとはね。」

死神「いえいえ、それであなたが喜ばれるのなら私としても嬉しい限りです。それでは…」

カメオ「ああ。覚悟は決めている。世話になったな。」

死神「ではまた来世でも…」



？？「お待ちください！！」

カメオ・死神「！！」

死神X「いや〜間に合って良かった。カメオ様是非今からでも私にお乗り換えください。今なら乗り換えのサービスとしてさらに一年間の…」

死神Y「私はもっと良い待遇を用意してきました。ぜひ…」

死神Z「いや！ぜひ…」



……これはまだしばらくは死にそうにはないな。







つまり、

死神の増加によって死神の間で競争が激化し、

「あと何年」などの条件から自分で死神が選べるようになり、

人間の寿命が延びた。

というわけです。