うこそBar LATEthinkへ。
早速ですが、新作カクテルをお出しいたします。
漢委奴国王印(かんのわのなのこくおうのいん)
ジャパニーズウィスキー
泡盛の古酒
紹興酒
金粉少々
3種の酒を1:1:1の分量でシェイカーにいれ、金粉を加えてシェイク。
ロックグラスにロックスタイルにしてお出しする
歴史の賜物である琥珀色の酒の中に浮かぶ金が、かの時代を象徴するようです。
大変強いので、水を加えてハーフロックにしてもよろしいかと。
歴史に思いを馳せながら、お飲みいただけるカクテルと存じます。
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とあるお客様から極東アジア諸国の歴史を感じられるようなカクテルを頼まれましてお作りいたしました。
そのお客様のお父様と二人でご来店され、このカクテルをお出しいたしましたところ、父の趣味をやめさせたかった娘の目論見は崩れ去りました。
納得せざるを得ない理由もあったのですが、いったいどういうことでしょう?
むしろ父の趣味に火がつきましたか?
イエス!その理由は何でしょう?(あぶね、正解つけそうになった) [良い質問]
娘と父は日本人ですか?
イエス。
「そのお客様」と「娘」は同一人物ですか?
イエス
そのお父様の趣味は、極東アジア諸国の歴史に関係する趣味ですか?
イエス!
娘は父のためを思って、その趣味をやめさせたいと思っていましたか?
イエス! [良い質問]
父の趣味とはアジア以外の国に関係するものですか?
イエスノー、世界的に重要でしょうが、対象が東アジアです。
レシピに韓国酒が入っていない事は重要ですか?
ノー、韓国の長期熟成が必要な酒を思いつけなかったのですw
娘は父の趣味を正しく理解していましたか?
イエス、だからこそこのカクテルになりました。理解できていなかったのは、情熱がくすぶっていてその火が結構熱かったことでしょうか [良い質問]
お父さんの趣味とは娘に迷惑をかけるものですか?
イエスノー、趣味そのものはむしろ迷惑にはなりません。が、この「父親」がやると迷惑を掛け兼ねないということです。(言い回しが難しい) [良い質問]
納得せざるを得ない理由「も」あったというのは、複数理由があって中には納得せざるを得ない物もあったという意味ですか?
イエスノー、その理由は「趣味を続けたい」に集約されますが、「あることをした」から納得しちゃった、という感じです [良い質問]
父自身もその趣味をやめようと思ってしていましたか?
ノー、やめたくなかったけど、娘に説得されていました
父は日本版インディージョーンズ的な、考古学が趣味の人ですか?
その通り、考古学者です。アジア全域に足を伸ばそうとしています。 [良い質問]
7の質問に対する答えで「長期熟成」とありますが、長期熟成されていることは重要ですか?
イエス、歴史を表現するために長期熟成酒であることが必要と考えました。
7より 長期熟成・・・つまり地味でも長年我慢し続けることが重要だと父親は再認識して頑張っちゃう気になりましたか?
ノーなのです。
父の趣味は海外旅行ですか?
ノーです。が、海外も行きます
父の趣味は金印作りですか?
ノーです。
お父さんはその趣味を実行するうえで邪魔になるような身体的な問題を抱えていますか? [編集済]
イエス、ご年配ということも有り、倒れはしないか心配されています。 [編集済] [良い質問]
が、逆に火が付きました。
一体なぜ?
お父さんは邪馬台国を探していますか?
調査対象は特定不要です。
お父さんは海底遺跡の調査をしたいと思ってますか?
調査対象は特定不要です。
9より 趣味に対する出費が酷いですか?
心配の理由は17です
カクテルのレシピに東洋に関係がないお酒が入っていても成り立ちますか?
イエスですね。ブランデーでもワインでも成立します。
9に対する答えとして「あることをした」とありますが、そのあることとは健康診断ですか?
ノーです。問題文中で軽く行われていたりします。
逆に火がついた理由は、カクテルの見た目に関係しますか?
イエスノー、見た目も含めたカクテルのコンセプトすべてなのですが…一言で表すことが出来ます。 [良い質問]
17より。仮にお父さんが考古学の研究に行った先で倒れたら、たくさんの人に迷惑がかかりますか?
イエス(当ててほしいことではありません)
かの時代の特定は重要ですか?
ノー、この印が作られた時代です。
お父さんは、考古学者としての評価をある程度得ていますか?
イエス
このカクテルを頼んだのはお父さんで、こんなところにまで歴史に対する情熱をみせるのかと娘は思いましたか?
ノー、頼んだのは娘様です
なぜでしょう?
娘はそのときどうしていたのでしょう?
そして、なぜ納得したのでしょう?
このカクテルを飲みながら、お父さんは考古学の話をしましたか?
イエス
お父さんは娘よりお酒に強かったですか?
重要ではありません
23より。趣味に火がついた理由に、邪馬台国の金印は関係しますか?
重要ではありません
お父さんは、このカクテルに含まれる酒の味から若い頃色んな所に行ったのを思い出しましたか? [編集済]
ノーです。
納得した理由にカクテルの度数は関係しますか?
ノーです。
娘もカクテルをのんでいますか?
イエス!!GJ! [良い質問]
娘も考古学の道に進んでいましたか?
イエス!!GJ! [良い質問]
お父さんは酒を飲んでシャーマニズム的なトランス状態になりましたか?w
ノーです
お父さんは娘に考古学について色々教えたいと思いましたか?
ノー、すでに楽しさも大変さも教えつくしました。ゆえに娘は父の体をいたわっていたのです。が [良い質問]
酒の勢いますか?
さすがによった勢いではないですwノーw
娘との考古学談義に花が咲き、もっと知りたいもっと研究したいとお父さんは思いましたか?
限りなく近いんですが…ううん、酒を絡めてほしいです。 [良い質問]
酒の力で饒舌になった二人は、歴史を連想させるカクテルを飲みながら考古学談義を繰り広げた。話せば話すほど、お父さんの知的好奇心は刺激され、もっと研究したいという気持ちになりましたか?
これでOK!!解説行きます! [正解]
38考古学談義に花が咲いてもっと研究したいとお酒の力を借りて逆に娘に説得しましたか?
これだと「歴史を連想させるカクテル」という文章が足りないのです。 [良い質問]
こんな酒の美味い肴になる考古学をやめられないとお父さんは思いましたか? [編集済]
そういうこともあるでしょうね~
このカクテルを飲むとその効能により歴史に思いを馳せる。それは考古学を研究していた父も娘も同じで、娘も今、父が同じ気持ちであるのであれば、同じ考古学者として止めることはできないと感じ、納得して父が研究を続けることを承諾しましたか?
おおう、ほぼ一致していて私の解説よりわかりやすいw [正解]
はこの親娘、親子で考古学者でございます。
しかし、お父様は60才近く、娘様が一通りの研究を引き継いでおられます。
完全に引退をして、お父様には施設にある展示スペースの管理や発案をしてほしいという希望が、娘様にはありました。
そろそろ引退を促すために、酒好きのお父様に、お父様が好きな時代の象徴、漢委奴国王印をモチーフにしたカクテルを出してあげてほしい。
そしてお父様に、自らの功績を振り返りながらゆっくりするように説得したいんだ、とおっしゃっていました。
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完成したことをお伝えすると、早速お二人でご来店されました。
またいつものように、腰を落ち着けてほしい、いやできないという水掛け問答が繰り広げられていました。
「だから大丈夫だって。今までも何とかしてきたろ?」
「こないだ倒れたばかりでしょう?もう、マスター、アレお願いします。」
「あれ?」
「かしこまりました。どうぞ、漢委奴国王印でございます。」
「ほう!私の好きな漢代の異物を、黄金色の酒に喩えたのか。酒に浮かんだこのキラキラした物は金粉か?実に美しい酒だ。」
「ありがとうございます。」
「お父さんの専門でしょ?…いろいろ飛び回るんじゃなくて、これでも飲みながら、お父さんの発見したものの展示管理してほしいんだけどな。」
「…とりあえず頂くとするか。」
「どうぞ。娘様もどうぞ。」
「ありがとうございます。」
お父様が一口、ゴクリ。
「…お前も飲んでみろ。」
娘様に言うお父様。
「…おお、強いけどこれ、すごくおいしい!」
「なあ、この酒、材料の酒同士で喧嘩してるか?」
「ううん、上手く調和してると思うよ。」
「カクテルとしては聞いたことのない名前だ。たぶん俺のためのカクテルなんだろう?」
「左様にございますね。娘様のご依頼でお作りいたしました。」
「新しいカクテルだけど、酒同士はまるでひとつの酒だったかのように調和している。それぞれの色合いも美しいが、それが渾然一体となってさらに金粉がちりばめられている。まるで歴史そのもののようじゃないか?」
「…で?」
「この酒の中の金粉のように、物が見つかれば儲けもの。物が見つからなくても、その中から何かを感じ取ることが出来る。それが考古学だ。」
「…うん。」
「遺跡そのものが歴史。その歴史が作り上げた文化が交じり合ったからこそ、今がある。このカクテルそのものじゃないか?」
「…うん。」
「俺は考古学の現場が好きなんだ。俺の楽しみをうばわないでくれないか?」
「…これ飲んだら、うんと言わざるを得ないわよねぇ。私の要望どおりに、歴史を感じちゃったわけですし。」
「私、もしや空気読めてないですか…?」
「いやいや、マスターは私の注文通りのすごいカクテルを作ってくれましたよ。」
「すごすぎて、俺の心に火を点けなおしてしまったけどね(笑)」
「…しゃーない!私もついていくわ!心配だもん。」
「なん…だと…!?」
「私が世話しとけば倒れても何とかできるでしょう。」
「おおう…俺に拒否権はないようだな。」
「…こ、これは、大団円なのでしょうか?」
「まあ、しばらくは日中韓を行ったり来たりになることは間違いないな」
「次にここに来るの、いつになるかなぁ。」
「日本に来たら絶対来よう。マスター、約束するぜ。」
「ええ、お待ちしております。」
*考古学者である父親は趣味と実益を兼ねていた。そんな年配の父に引退を促そうとして作ってもらったカクテルが旨すぎて、情熱が再燃してしまった、という話。
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