ごみひとつ見逃せない

ア

オはその日、少し体調が優れずにベッドで眠っていた。



グレンが仕事から帰ってきた。



事前にメールで寝ていることを知っていたため、アオを起こさないようにそっと静かにリビングに入り、ふと一息つく。



テーブルに目を落とすと、処方薬の包装紙が１つ転がっていた。



「お、めずらしい。結構綺麗好きなのに。」



ゴミ箱に捨てようとその薬に描かれている文字を見た。



「ん？この薬の名前、どっかで聞いた気がするな。」



何の気なしに携帯でその名前を検索するグレン。



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「うう～、ねすぎたぁ～…。」



アオがおきてきた。



「おう、調子どうよ。」

「うん、まあまあ。」

「ならよし。でさ、この薬、なに？」

「え？薬？」

「カラ（梱包）が落ちてたよ。」

「え、ああああああっ！！！」

「不妊治療薬、だよな。」

「あ、えあ、おう、あう」

「何で黙ってたんだよ！」

「だ、だって、だって！」

「だって…何？」

「押しかけたのに、子供産めないなんて…妻の意味がないじゃない…。だから、治ってからって…」

「で、俺はお前の悩みや辛さを知らないでいればいいって？そんなサプライズ、いらないんだよ！一緒に背負わせろ馬鹿！」

「ぐ、グレン…うわぁぁあぁ！！不安だったああああぁぁぁぁっ！！！」

「よしよし。怒鳴ってごめんな？」



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＊病気を隠していたのがわかったから怒られた