インドアフィッシュ

男は、治る見込みがなくいずれ植物状態になってしまう病になってしまった。

家族からは「これからどれだけ酷くなっていくのかも分からないのに一人暮らしさせておくのは危険だ。」と言われたが、リハビリも含めできることは自分でやろうと決意した。

男は今まで出来ていたことが瞬く間に出来なくなっていった。握る力や発音、そして歩くことすら出来なくなろうとした頃あたりから、色々なものを落としたり、何でもないところで転んだり、とくにお風呂に入る時はシャワーを何度も落としたりしてとても大きな音が周りに響いてしまい、近隣住民も異変に気づき始めた。

近隣住民もこのことを知ると何も言えなかったが、何か手助け出来ることがあればしてあげようと思っていた。

そんな時に、男の家から聞こえていたはずの音が聞こえなくなったことに、近隣住民は気づくと不安に思った。その不安は不運にも的中してしまい、病の進行が思っていたよりも早く男自身も入院を認めざるを得なかった。



※問題文に忘れてしまいましたが、ディダムズさんにスープパートナーをしていただきました。