死は再度

今日、人を一人あの世に送ってしまった。



事の始まりは些細なこと。彼女とディナーに行く約束があったのだが仕事で遅刻してしまい

彼女のマンション前で口論になってしまって、

ちょっと突き飛ばしたら彼女がバランスを崩して倒れた拍子に頭を打ってしまったのだ。



目の前には物言わぬ彼女が横たわっている。ぴくりともうごく様子は見られない。



誰かに見つかる前に逃げよう。直ぐに頭に浮かんだのはそんなことだ。



だが、冷静になって考えなおす。口論していたのはマンションの住人に聞こえたかもしれないし

こんなところに死体を放置しておいたらすぐ見つかる・・いかにもマズイ・・

日本の警察はそこまで無能じゃない。たとえ彼女の死体をどこかに移動して隠したところで

人間関係を洗えばすぐに私にたどり着く。。



結局、気が付くと人気のない林道に「一人で」来ていた。



逃げ切れない。そう考えて首をつることにしたのだ。

死体は林道に野ざらし状態で放置することになる

土地の所有者には迷惑をかけるかも知れないが、これから死ぬ身だ。そんなことを気にするつもりはさらさら無い。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ちょっと時間を遡る＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

倒れていた女性が目を覚ました。

ムクッ

彼女「あ・・あれ、、寝てた・・？？

あー、待ちくたびれて家飲みしてて・・えーっと・・なんだっけ？彼が来てえーっと・・

酔っ払って転んじゃったんだっけ・・？

もう！喧嘩してたからって、ほっといて帰るなんてヒドイなぁ、家に運ぶくらいしてくれてもいいのに

ヾ(*｀Д´*)ﾉ"」



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数カ月後、死体は発見されることとなった。まだ私の体は松の木に宙ぶらりんのままだった。



警察「あー、こりゃ自殺ですねぇ・・何もあんな高さにぶら下がること無いのに・・どうやって降ろすかな・・しょうが無い、とにかく縄を切るか」



こうしてすぐに私は警察官の手の中にドサッと落ちることになった。

もちろん自殺なので殺人罪で起訴されることはなかった。