しかし土台無理な話で歳を重ねていくうちに夢を諦め、気づけば新聞記者になっていた。
かといって完全に妥協し諦め切ったわけではなく
新聞記者になれば世の悪が隠そうとしている不正や悪事を暴けるかもという
充分夢見がちな動機だったので僕はまだまだ子供なんだろう。
おっと、自分語りが過ぎてしまったね、本題に入ろう。
それはとある高名な画家の新作発表会の事だった。
僕は彼のその作品を初めて見たのだが、一目見た瞬間に
彼が本当の作者を隠して作品を描いていた事に気づいてしまったのさ!
画家に真偽を尋ねたが彼はのらりくらりと受け答えをしはぐらかす。
その彼の態度に 僕の正義を愛する心が爆発した!
「必ず真実を明かす」 と啖呵を切った僕に
画家は身もすくむような鋭い眼光で僕を見据えながら
「そんな事をしても君の自己満足にしかならんよ
そんな事をしたらどうなるか…君はまだ若いからわからんかもしれんが
やめておいた方がいい、詰まらん事はするもんじゃないよ」
と、言ったが僕はお構いなく踵を返して行動に出た。
・・・・・・・・・・・一週間後
真実を明かし記事にした僕は、かの画家と向かい合っていた。
画家は予想より早く真実を晒された驚き、僕に言葉をまくし立て
「やはり自己満足なヒーロー気取りだったな」と言い放つ。
僕は全くそんなことはないと言いつつ、全くその通りだと思い。
画家は全くその通りだと言いつつ、前言を撤回した。
僕は自分の持っていた確固たるヒーロー像が砕けていくのを感じた。
君も物語の真実を明かしてみてくれ。
【ウミガメ】
本当のヒーローってどんな人?正義の心で謎を暴け!
彼が本当の作者を隠して作品を描いていた←画家にはゴーストライターがいましたか?
no、画家「まさか!、自分の作品に嘘偽りは一切ない」 [良い質問]
真実を暴いたことによって、悲しむ人が出てきましたか?
yes、僕「ええ、あなたの言うとおりです、僕は浅はかでした」 [良い質問]
前言を撤回←「やはり自己満足なヒーロー気取りだったな」を撤回しましたか?
no、画家「一週間前の言葉を前言撤回させてもらったよ」 [良い質問]
画家の言う「自己満足なヒーロー気取り」は画家自身の事ですか?
yes、画家「ああ、今回の件で自分の器の小ささに気づかされたよ」 [良い質問]
画家に悪意は有りましたか?
no、画家「自分の信じる善行を行っていたのだが、そうは受け取ってもらってもらえない事もあるという事は理解しているさ」 [良い質問]
自分が描いたことを隠して絵を公表しましたか?
yes、僕「先生が自分の事を隠して描いていた事は正解だよ、ただ公表はしてなかったんだ」 [編集済] [良い質問]
画家は匿名で描いた絵の売上をどこかに寄付していたので、名前を出してしまうのは売名行為と思われるのを懸念していましたか?
no、画家「売名行為を疑われるのは嫌というのはそのとおりだ、ただ作品は売っては無かったんだ、それというのも…」 [編集済] [良い質問]
画家は真実が公表されるのを恐れていましたか?
yes、画家「ああ、売名と疑われるのがいやだったのさ、世間に、そしてなにより・・・にね」 [良い質問]
絵自体を誰かに寄付していましたか?
yes、画家「ああ、自分の絵がなにかの助けになればと思ってね・・・私は絵の力を信じていたし、それは間違いではなかったと今確信しているよ」 [良い質問]
絵を貧しい人たちに寄付し、それを売ってお金にしなさいと言いましたか?
no、画家「絵には金銭には替えられない価値があると信じ生きてきたんだ、人によっては馬鹿馬鹿しいと思うかもしれんがね」
僕の正義を愛する心が爆発した←画家を今の境遇から救おうとするためですか?
no、僕「違うんだ・・・」 [良い質問]
一目見た瞬間に彼が本当の作者を隠して作品を描いていた事に気づいてしまった←過去に別の作家が描いた、または作者不明、匿名とされてきた作品が実は画家の作品であったことに気づきましたか?
yes、僕「ああ、ビックリしたよ」
寄付した絵が有名な画家の描いたものと知れ渡った途端、寄付先の人が絵を売りましたか?
no、僕「彼の正体に気づいたのは僕が初めてだと思う、でも気づいたとしても売る人はいないと信じているよ」
僕が憧れていたヒーロー=画家ですか?
yes、僕「先生は本当に立派な人間だったんだ・・・それなのに僕は」 [良い質問]
2より、悲しんだのは絵を寄付してもらっていた人たちですか?
yes、画家「うぬぼれかもしれんが、悲しむだろうね」 [良い質問]
絵は個人にではなく、不特定多数の人に寄贈されましたか?
no、画家「逆に不特定多数ではなく、個人に渡していたんだよ」 [良い質問]
寄付された人達はとっくに画家の絵だと気がついていましたか?
no、僕「ほぼ全員気づいてなかっただろうと思う」
絵を寄付するときには、画家が直接渡していましたか? [編集済]
yes、僕「ええ、そうです」 [良い質問]
真実が明かされると、絵の寄付ができなくなってしまいますか? [編集済]
どちらとも言えない、画家「できないことはないが、私はやりにくくなると思ったし、活動を続けるかどうか迷っている。外面を気にする愚かな男と笑ってくれ」 [良い質問]
絵を貰っていたのは、子供ですか?
yes、僕「そう、先生は親と暮らせなくなった子供たちや非行に走る子供たちに絵を渡していたんだ」 [良い質問]
絵は人物画ですか?
no、僕「絵は特にジャンルは決まってなかったようだね、ただどれも心に訴えかけてくる素晴らしい絵だったという共通点があるだけさ、特に謎はないよ」
一週間後の会話は「真実を明かした記事」を世間に公開した後ですか?
yes、僕「早まったことをしてしまったよ」 [良い質問]
絵を描いていた先生の過去に捨ててしまった家族に懺悔を込めて寄付をしていますか?
no、僕「渡す条件は20の質問が全てだったんだ」
画家はヒーロー(英雄)ではなく闇夜の守り手(ダークナイト)でしたか?
no、画家「ゴッサムか・・・あそこはひどい所だったよ・・・私の絵でもどうしようもないほどにね」
画家は匿名で恵まれない子供たちを支援する伊達直人的存在で憧れだったヒーローの正体を僕が暴露してしまいましたか?
yes、僕「ああ、そして僕はヒーローを自分の手で壊してしまったんだ」 [正解][良い質問]
天童さんFAおめでとうございます!
僕「yu-さん祝福力が凄まじくて雑談と質問欄を間違える!これはスクープだぞ、早速記事にしなくっちゃ!」
3人で家族旅行に行ったときに起こった交通事故のせいだ。
施設に預けられた僕は全く感情を表に出さないようになった。
ヒーローが現れたのはそんな時だ。
彼はその当時流行っていた変身物のヒーローのお面を被って
いつも絵を見せに来てくれた。
その時間は僕にとっては苦痛で、いつも彼が早く帰ればいいと思っていた。
だけど不思議なもので、ある時絵を見ていると温かい心でいっぱいになっている自分に気づいた
次の瞬間涙が急に止まらなくなってヒーローの胸に顔を埋めながら泣いている僕がいた。
それからも何回かヒーローは来てくれて、僕に絵を見せてくれた。
「今度は君が誰かのヒーローになりたまえ」
彼と最後に会った時に言われた言葉は彼のくれた絵同様に僕の宝物になった。
たがて僕は新聞記者となり仕事をこなし、ついにヒーローと再開したのだ。
あの新作発表の日、僕は大物画家があのヒーローだったと気づいたのだ。
僕が彼に尋ねると訝しげに
「その取材に答える気はない、どこから聞いてきたか知らんが迷惑だ」
と言い、取り合ってくれなかった。
そこで僕は「必ず真実を明かす」と逆上してしまい。
彼の制止を振り切って取材にまわった。
一週間後
僕は記事が載った新聞をもって彼の所に意気揚々と訪ねた。
あんなことを言っていたが、善行をしていたという事を広めるのが悪いはずがない。
彼も変に悪く描かれる事を心配していたのだろうが記事を見せれば褒めてくれるはずだ。
俺「先生!見てください、これであなたの善意が多くの人を勇気づけるはずですよ」
画家「記事は見たよ・・・君はもし、私が有名になるという打算の為に孤児院を回ってたとしたらどう思う?」
僕「ははっ、そんな事はありえませんよ、取材した僕がそれはないと断言できます」
画家「君はそう確信できるが、記事を読んだ孤児たちはどう思うだろうね」
僕「!!?」
画家「誤解する子もいるだろうね、売名に利用されたと」
画家「昔の子だけじゃない、私は今でもあの活動を続けているのだよ、これからはマスコミも注目するし
子供たちも心を開きにくくなるかもしれない、彼らの心は繊細だ」
画家「いや・・・君の責任ではない、最初は君が功名心に取り憑かれたただの新聞記者だとおもった。
しかし君のことを調べてわかったよ、君は私のことを覚えていたんだね?
そして・・・純粋に私を喜ばせたかっただけ・・・なんだね?」
画家「君の真意にもっと早く気づいていれば・・・
いや、そもそも私がもっときちんと君に対応していれば・・」
僕「っ・・・」
画家「私は人を信じる尊さを子供にといていながら、自分はむやみに人を疑う小人だったのだよ」
僕「うっ・・・く・・・・ボロボロ」
画家「私はただの・・・自己満足なヒーローきどりの男だった」
(僕は自分の持っていた確固たるヒーロー像を自分で壊してしまったことに気づいた。)
僕「違います!、先生は本当のヒーローです!!」
(一週間前の言葉の通りだ、自己満足なヒーロー気取りは俺の方だったんだ!)
画家「いや、自己満足のヒーローさ、今回のことで自分の器の底が見えたんだ
今もこうして私の自己満足な解説のせいで君を傷つけてしまったしね」
画家「最初に会った時に君のことを自己満足といったのは取り消そう
本当にまっすぐ、立派な大人に成長したようだ。
ヒーローというものは失敗してもまた立ち上がる者だと思っている。
君は・・・もう立ち上がれないかい?」
僕(あの時の「君がヒーローになりたまえ」って言葉にどれだけ励まされたか!
そしてまた、チャンスを与えてくれようとしているこの人の期待に応えたい!)
・・・あの日から僕はより一生懸命に生きるようになった。
まだ何をすればヒーローになれるかはわからないままだ。
ただ僕の胸にいるヒーローに恥じない生き方をする事だけは間違いない。
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ブックマークシステムと基本構造は同じですが、ブックマークは「基準が自由」なのに対しGoodは「基準が決められている」と認識してください。