白い日

「あーもうカメコたん可愛いよぉ！！」



学生時代に恋愛絡みで挫折を味わったカメオ。



彼はそれ以来ずっと自室に引きこもり、可愛い女の子の登場する恋愛ゲーム（通称ギャルゲー）にばかり興じるようになってしまった。



――はいカメオ君、バレンタインのチョコレートだよ。一生懸命作ったんだ！



画面の中では、カメオの最も好きなキャラクター『カメコ』が天使のような笑顔を浮かべ、不器用なりに一生懸命作ったであろう不格好なチョコレートを手渡してくれていた。



ゲーム内でのバレンタインイベントだ。



「ありがとう！カメコたんは本当に可愛いなぁ。ほら、お返しにこれ、あげるよ。」



そのイベントをホワイトデーの日にプレイしていたカメオは、ちゃんとお返しをするべく画面の前にキャンディーを置いた。



――あのね、私カメオ君のこと・・・ずっと・・・///







その様子を部屋の外からずっと窺っている彼女。



カメオの母親はそんな我が子の哀れな様子に涙を流さずにはいられなかった。













※批評歓迎