『九死に一生を得た女』

スイカ割りをするりんりんは暗闇の中、

尋常じゃないほど誉められまくった。



『右〜〜〜！』

『左〜〜〜！』

『そうそう、そのまま真っ直ぐ！！！』

『いいよりんりん！上手い上手い！』

『もうちょっとだよー、

もうちょい右かな^^』

『上手、上手！』

『ジョーズ！！！！！』

『オーノー！！！！！ジョーーーズ！！！！！』

ワー！！！！！キャー！！！！！

『ジョーズ！！！！！ジョオオオオオズ！！！！！』



こっちでいいのかな…私ってそんなスイカ割りの才能あるのかな…？？？

そりゃそれなりに平衡感覚いい方だとは思うけど…



『オーマイガーーー！！！！！』

『ジョーズ！！！！！ジョーズ！！！！！』

『エスケープ！！！！！エスケーーーーーイプ！！！！！』

桃井かおり『ＳＫトゥー。』

『ジョーズ！！！！！ジョーズ！！！！！』

『オーマイガーーーッ！！！！！』

『オーノーッ！！！ヘルプミーッ！！！！！』

アマレット『りんりん！！！！！ジョーズ！！！！！！！！！！』



それにしてもうるさい。

もはや尋常じゃない。

友人のアマレットだけじゃない、

誰？ 誰？ 一体誰の声なの！？

外人！？ 桃井かおり！？

チンプンカンプンになったりんりん。



アマレット『りんりん！！！！！ジョーズだよ！！！！！！！！！！

早く目隠し取って！！！！！逃げるよ！！！！！！！！！！』



アマレットによって強引に目隠しを取られ、光を取り戻したりんりん。

目の前には大口を開けたジョーズが迫っていた。



りんりん『キャアアアアアッ！！！！！！！！！！』



さしゃ＆ゆりり『ここは私達に任せて！！！！！

ﾊｲﾊﾟｰｳﾙﾄﾗｽﾄﾛﾝｸﾞﾏｸﾞﾅﾑｻｲｸﾛﾝさしゃ＆ゆりりﾒｶﾞﾄﾝﾊﾟァーーーーーﾝﾁ！！！！！！！！！！』







頬を陥没させられたジョーズは意識を失い、

りんりんは九死に一生を得た。











自家製ジョーズのハリボテを無惨に破壊され、

血の混じった唾を吐き散らしよろめきながら､

ジョーズ●上は自分の中に“痛みを痛みと感じず､むしろどこか快楽的に気持ちが高揚している新しい感覚”が芽生えている事を

確かに感じ取っていた｡