初めての方は全体の雰囲気を掴むためにまず質問者になりましょう。
ラテシンのルール上、出題資格を得るためには次の2つの条件を両方とも満たす必要があります。
質問者として水平思考問題やラテシンに慣れてきたら、今度は自分から出題をしてみるのも良いでしょう(もちろん強制ではありません)。
問題文と解説文を作ったら、次のことに注意しながら推敲してみてください。
問題を作る点で一番重要なものは整合性です。
興味の引く問題文を作ったとしても、解説が矛盾だらけならば意味がありません。
そして、矛盾が多いと後の問題の参加者数にも響いていくので注意してください。
問題の魅力は、参加する意欲に繋がっていきます。
謎が強烈なほど、参加する人数も増え、離れません。
あったら駄目というわけではありません。
ですが、それはヒントや誘導などで必ず明かしましょう。
そのまま解説に行ってしまうと、解説に納得する人は少なくなります。
その点で進行の難易度は上がります。
目的がはっきりしていなければ、何を質問していいか分からず詰まります。
問題文で解いて欲しいものをはっきり記述しましょう。
詰まった場合は、随所で誘導して行きましょう。
例え矛盾は無くても、解釈に強引さやこじつけがあり、
出題者の主観を参加者に押しつけてしまっているもの。
このような解説では、納得する人は少なくなります。
いわゆる瞬殺防止です。
なぞなぞやクイズになってしまわないよう注意しましょう。
別解答が容易に想像できてしまうと、それが高度なトリックだったとしても、
その魅力を発揮しきれず入り口で参加者が帰ってしまうかもしれません。
きちんと「こう想像できるけど、その可能性は無いよ」というものを書いておきましょう。
「質問していくうちに暴かれる真実」というのもあるので、一括にすべての可能性を無くすわけではありません。
問題文での情報で、解説に行くまでのスタートの位置が決まります。
長期戦にしたいなら、情報は小出しに、スムーズにいくなら多く出します。
瞬殺されるのが怖いので小出しにするも、問題文が少なくなり味気ない感じになってしまった、という経験はありますか?
ここではその点について述べていきたいと思います。
例題として挙げるのは、ウミガメのスープです。
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました。 しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。 「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」 「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」 男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。 何故でしょう?
問題文の情報は、大きくわけて2種類存在します。
例題での味付けは、会話をする場面、レストラン、シェフ、帰宅、です。
仮にここで一切の味付けのない問題を考えてみましょう。
男は死んだ。なぜ?
この問題文では参加する意欲は当然ながら失ってしまいます。
(スタートの位置がゴールから遠すぎる状態です)
なので、会話、レストラン、シェフ、帰宅を使って味付けをしてみましょう。
男はレストランにて料理を注文した。 注文した料理についてシェフと会話し、そして勘定を済ませ帰宅する。 だが帰宅した後に、男は死んだ。 なぜ?
どうでしょうか?
解説に至る要素は、「男が死ぬ」だけですが、状況が把握できる問題となります。
もちろん、もっと「味付け」を増やすこともできます。
例題での食材は、ウミガメのスープ、自殺、海が見える、です。
前節で味付けした問題文に食材を加えてみましょう。
こうしてできあがるのが次の問題文です。
男はとある海の見えるレストランにてウミガメのスープを注文した。 注文したウミガメのスープについてシェフと会話し、そして勘定を済ませ帰宅する。 だが帰宅した後に、男は自殺した。 なぜ?
「ウミガメのスープ」という一風変わった料理、「海が見える」レストランという意味ありげな舞台設定、「自殺した」というショッキングで不可解な結末。
これらは参加者の興味を引き、これらの点について参加者が質問をしたくなります。
そこから、この問題の謎解きを始めることができるのです。
(ここでの「ウミガメのスープ」と「海が見える」はクルーと呼ばれる水平思考問題での重要な要素です)
逆にせっかく頑張ってつくった問題が瞬殺されてしまった、真相が明らかになったときの参加者の驚きが思っていたより小さかった、という経験はありますか?
この点についても述べていきます。
先ほどの食材の中で、「自殺」と「男」については、問題文の段階では全ての情報が明示されていません。
明らかになったとき、参加者が大きな驚きと深い納得感を得ることができる食材を隠してみましょう。
(ここでの「自殺」と「男」はベールと呼ばれる水平思考問題での重要な要素です)
先ほどの食材の中で「ウミガメのスープ」と「海が見える」についての質問と回答を進めていくうちに、いくつかの情報が明らかになっていきます。
それらの情報の中には、「男」や「自殺」と関連があります。
そのことに気づいた参加者は、その関連についてさらに質問します。
こうして質問と回答を進めていくうちに、この問題の全貌が明らかになっていくのです。
(この一連の行為を「ベールを剥がす」と言うことがあります)
問題文は「味付け」と「食材」の割合で作られます。
これらの割合と量で問題の質が決まると言っても過言ではありません。
味付けを多くすればそれだけ状況を詳しく把握できるので、参加者はすんなりとその物語に入りこむことができます。
そして味付けは解説とは関係無いのでいくらでも書きこめますが、
多すぎると問題文が複雑になりすぎて、どれが重要な情報なのかが分からなくなってしまいがちです。
一方、食材は解説に直接つながる要素なので、増やせばそれだけ真相を推理しやすくなります。
しかし多すぎればすぐに解けてしまう問題となってしまい、参加者の満足感は減ってしまいます。
また、「ベールの厚い(情報が少ない)問題」=「問題の文章量の少ない問題」というわけではありません。
文章量が少なくてもその中に多くのクルーが濃密に詰め込まれている問題もあります。
出題者は以上のことを考えて、あらかじめ問題を作っておく必要があります。
推敲も終わった、いよいよ出題だ!
……の前に、最終確認です。次のことに気をつけてください。
出題するにあたって最も重視すべきことは……、「参加者」です。
参加者がいなければどんな問題も、解いてもらえません。
「質問者として参加したくなる問題かどうか」を考えてみてください。
登場人物が多すぎる、隠された真相を説明する文章が要約できないほど長すぎるなど、情報量の多い問題は複雑になります。
また、新たなルールを作ったり、嘘の回数を増やしたりすると、問題はやはり複雑になります。
複雑になった問題は参加者が著しく減少する恐れがあります。
「この問題は複雑ではないか」と掲示板などで事前に相談してみましょう。
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