ウミガメの肉野菜炒め
カメミの手さばきは素晴らしかった。
誰も何も言わぬ異様な緊張感の中、カメミは笑顔で作り続けました。
15分ほどすると、カメミは
「できましたー」
と言いました。
すると審査員の一人が
「これは肉野菜炒めですか?」
とたずねました。
カメミは
「はい、ウミガメ肉を使った肉野菜炒めです。ウミガメの甲羅をお皿に使いました」
と答えました。
審査員たちはしきりにうんうんと頷き、次の参加者を呼んだ。
はたしてカメミは優勝したが、審査員たちはカメミの料理を美味しいと思う者はいなかった。
いったいなぜ?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
審査員はカメミの料理を食べましたか?
No
カメミが優勝したのは、最も早く料理を作り終えたからですか?
No
ウミガメを捌くテクニックを競うコンテストでしたか?
No
この審査員は料理の美味しさを審査しましたか?
No
他の参加者は全員料理を作りましたか?
No
カメミの発表の順番は重要ですか?
No
審査の対象は器(皿)ですか?
No!
カメミと同じ時間に発表した人はいますか?
YesNo 一人づつの発表なのでまったく同じ時間の発表ではありませんが、連続して他の参加者が発表しました。
カメミは料理を作っているところをビデオに撮って持ってきましたか?
No 審査員の目の前で問題文のように行いました。
ウミガメ以外の肉であった場合でも優勝できましたか?
YesNo 素晴らしければ優勝できたでしょう。
審査のお代は全員同じですか?
Yes ミスリード大注意
カメミの審査対象は料理そのものですか?
No!
審査員たちがうんうんとうなずいたのはカメミを高く評価したからですか?
Yes
カメミの演技の評価をしていましたか?
Yes!!! まとめてください!
調理の基本技能を競うものでしたか?
YesNo 基本技能とエンターテイメント性を競うものでした。
核心カメミは料理をする人の演技を評価するコンテストで優勝したので、料理の味は関係なかったですか?
いぇ~っす ざっつらい♪ エア料理コンテストでした~
答え
カメミが参加していたのは、エア料理コンテスト。
そのため、ウミガメ肉を使った野菜炒めは存在しませんでした。
このことから、審査員がカメミの料理を食べられるはずもないため、美味しいと思う者がいるわけはありませんでした。
~自分でもよくわからないながぁ~い。解説お時間のある方はお読みくださいませ~
今日は『第7回エア料理コンテスト』。
カメミは毎年開催されるこの大会に参加していたが、いつもウミコに負け準優勝と言う結果でした。
カメミは今年で89歳。
次の大会にも出るつもりでいますが、いつお迎えが来るか、来年も参加できるかと不安でした。
ファイナリストに選ばれたのは5人、カメミの出番は4番目。
トリを務めるのは、カメミのライバルウミコ(87歳)。
互いに負けるわけにはいかなく、楽屋でも「まだ生きてたのか」「今年も返り討ちにしてやる」などと、火花を散らしていました。
大会が始りました。
さすがファイナリスト、全員素晴らしい手さばきで料理を作っていました。
(レベルが上がってきている…)
カメミは後進の成長を喜ぶとともに、優勝への難しさを感じていました。
(じいさん。私は勝てるのじゃろうか…毎年支えてくれていたじいさんがいなくて不安じゃよ)
カメミは不安そうに夫のくれたお守り(安産祈願)を握りしめました。
(ばあさん。お前ならやれる…絶対にてっぺんをとるんじゃ)
カメミは夫の最期の言葉を思い出し、夫が亡くなってからの苦労を思い出しました。
近所の中華料理店での修業、息子の嫁との確執、エベレスト登頂、ドーバー海峡横断、火星への旅行…
この苦労は無駄ではないと思い、気合いを入れました。
「かめみさーん。出番ですよー。今年もがんばってくださいね」
~ここから、カメミのエア行動が始まります。実際には何も持っていません~
カメミはちょっと下向きの前を見据え、右手にウミガメにつないだロープを持って格好で舞台へと出ていきました。
「料理つくりまーす」
カメミはロープを手繰り寄せると、重そうに台に乗せます。
審査員は重そうに乗せるカメミに手を貸そうかと悩むほどでした。
カメミは無言のまま甲羅を素手で外し、器用にさばいていきます。
物すごいスピードでさばき、ボールの中にまとめていきます。
次はキャベツ、ニンジン、もやし、にら、と切っていきます。
中華鍋を取り出し、火をつけようとするとなかなかつきません。
コンロに顔を近づけ着火すると、急に火が付きカメミは驚いたように顔を下げます。
ちょっと前髪が焼けたようで前髪を手で払います。
その後は手慣れた手つきで中華鍋を振り、具材を炒めていきます。
途中ちょっとこぼしたようで、つまみ食いをします。
…生だったようです。
制限時間ギリギリかと言うところで、ウミガメの甲羅に盛り付け審査員のところにえっちらおっちらと運んで行きました。
審査も終わり、舞台の上で固唾をのんで結果を待ちます。
審査員「『第7回エア料理コンテスト』優勝者…カメミさんです!」
わーぱちぱち
カメミはびっくりした顔をしています。
ウミコの『麒麟のナマズ炒め』が素晴らしいと思ったからです。
カメミがウミコを見ると、ウミコも嬉しそうに笑っていました。
「あんたがいたから、ワシはがんばってこれたんじゃ。カメミ、おめでとう。あんたは良いライバルで友じゃ」
「ウミコ…あんたとの罵りあいも、私には楽しいもんじゃった。これからも友であってくれ」
会場からは万雷の拍手。涙を流す人もいました。
「じいさん。私はやったよ。これで望みがかなったんじゃ」
(よかったのぉ。ばあさん…あんたはワシの誇りじゃ)
「後は風船での太平洋横断だけじゃな」
(ばあさん、やめとけ! 年をかんがえろおおおお!)
じいさんは、天国でウミコのチャレンジ精神を悩むのでした。
めでたしめでたし
— エアギターの弦って売ってるんですね…何かで見てびっくりしましたよ。
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