『古典的な問題』 女は死んだ、なぜ?
そして、女は自殺した。
一体、なぜ?
本の内容は、ある男が切々と己の悩みや恋によって友人を陥れ、友人の好いたお嬢さんと結婚したことが書かれ、最後にはその自責の念で自殺する有名な文学書であった。
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
女は作者の気持ちを本読んでなお理解できなかったので自殺を模倣することで理解しようとしましたか?
NO
女の性別を男にしても成立しますか?
YES!
その本のお嬢さんが問題文の女で、友人が自分を好いていて、そんな事情で死んだとはまったくわからなかった。と、友人の後を追って自殺しましたか?
NO!
まったくわかりませんでした、の対象は、本に関する事ですか?
NO!!!!
女以外に重要なキャラクターはいますか?
YES!!!
まったくわかりませんでした、は、全然分からなかった、という意味ですか?
YES!
読むと死ぬ本ますか?
NO
女の書いた文は、本の内容について書いたのですか?
NO!!
ぶっちゃけ、本の内容は重要ですか?
YES!
女はその本を読みましたか?
YES!
自殺の方法は何でもいいですか?
YES
本が電子書籍でも成立しますか?
YES 情緒はないけど、まあ成立します
一筆箋を挟んだのは、栞にするためですか?
NO
現代日本で成立しますか?
YES!
4,5 わからないのは他の登場キャラクターに関してですか?
YES!!!!!!!!!!!!
まったくわかりませんでした、は、5の重要キャラに向けたメッセージですか?
NOかな?
一筆箋に「まったくわかりませんでした」と書いたのは女ですか?
YES!
カニバリますか?
NO! ウミガメのスープも古典ですがね!
「まったくわかりませんでした」は、女が書いた文章ですか?
YES!
女の職業は関係しますか?
NO
その本が財宝の在りかを記した物で、それを解ければ借金を帳消しにするという依頼を受けた女が、全くわからず絶望しましたか?
NO
女は其の本を誰かから勧められましたか?
NO
一筆箋がメモ用紙でも成立しますか?
YES
本の作者が誰なのかは重要ですか?
NO
重要キャラと女は親しい間柄ですか?
YES!!!!!!!!!!!!!!
本は、女が所有する本ですか?
YES
小説の中のお嬢さんは実は女をモデルにした小説でひねくれた表現をされたため自分の周りの目が白くなっていったために自殺しましたか?
NO
5の重要キャラの性別は、男女どちらでもいいですか?
YESNOだけど まあ、成り立ちやすさやミスリードもあるのでNO
恋愛要素はありますか?
YES!!!!
似たよな内容の、無名の作家の無名作品の本にはさんだのでも成り立ちますか?
YES
重要キャラとは女の恋人ですか?
YES それで成り立つが設定では夫です
「まったくわかりませんでした」は遺書ですか?
YES 一般的にはそうでしょうね
28より。重要キャラは、男ですか?
YES!!!
女は自責の念で自殺しましたか?
うーんNO! それでも成り立つけど
一筆箋に「わかりませんでした」と書いたのは、挟む直前で成り立ちますか?
YES
一筆箋が本に挟んでなくても成立しますか?
まあYES どうせ女は死ぬ
女は夫に騙されていましたか?
NO
女はその本の作中人物と自らの境遇を重ねましたか?
YES!!!!!!!!!!!!!
夫は自殺しましたか?
YES!!!!!!
その本は女の物ですか?
YES
女の夫も本の内容と同じように、友人から女を奪い結婚したと知った女は、そんな事は知らなかったという意味の遺書を書いて、ショックから自殺しましたか?
NO
女と夫以外に登場人物はいますか?
うーん、YES だけど、モブ的な?
女は昔、友人を陥れて夫と結婚しましたか?
NO
女は略奪愛の末夫と結婚したが、夫が結婚を機に豹変してしまったので結婚を後悔し自殺しましたか?
NO
38.女が自分と重ねたのは、お嬢さんですか?
YES!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
核心女は夫の自殺の理由がわからないという意味でわからなかったと書いたのですか?
YES!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
核心夫が自殺した理由が分からず、後を追って自殺しましたか?
YES!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
女以外で人死にますか?
YES! 夫自殺します
夫が自殺した心情がまるで分からず途方に暮れ、遺族からこの本を読めば分かると言われ何度も読んだが、女には今後どうしていいかはやはり分からず、書置きを残して自殺しましたか?
NO
答え
「ああ、やはり全く分かりませんね」
女は静かに本を閉じると椅子の上で首を前に倒し項垂れた。
女は読み終わった本の表紙を撫でながら、夫のことを思った。
夫は優しく、穏やかで女は心から愛していた。毎日夫の世話を焼き、他愛もない話をして
毎日を過ごしていた。
しかし、それは唐突に『夫の自殺』と言う形で終わった。
遺書はなかった。夫は何も語らず唐突に死んでしまった。
女は思い出す。死ぬ直前の夫はいつもと変わらず、いっそいつもよりも穏やかな表情をしていた。
それは死を覚悟したが故かもしれないが、女は夫が自殺しようとしていたとは全く分からなかった。
だから、突然起こった夫の自殺に女は訳が分からず狂乱した。その上、周囲から何度も何度も視線から、口調からあるいは直接言葉で問われる問いに女の心はより狂った。
『男は死んだ、なぜ?』
それは女こそ知りたい。しかし、誰も答えを与えてはくれなかった。
与えるどころか周囲は女にその答えを求めた。
なぜ死んだのか?
何か思い当たることはないか?
なぜ、お前は妻なのにその答えを知らないのか?
お前は男の何を知っていたのか?
女は必死に探した。
男が死んだ理由を探した。
男を知る人から話を聞いた。夫が読んだ本を端から読んでも見た。夫がなんと言っていたか必死で書き出した。夫が好きな物、嫌いな物、どこで、何をしていたのか。
探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して、探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して―――――――でも、見つからなかった。
そして、女は本屋で手にしている本を見つけた。
それは、女もあらすじだけは知っている本だった。この主人公はたしか自殺してしまう理由をつらつらと書いている本だったような気がする。
女はその本を読んだ。
なにか分かるのではないかと縋って、一頁一頁捲った。
結果として女はやはり、男が死んだ理由が分からなかった。
女はふと物語の『自殺した男』の『妻のお嬢さん』のことを思った。
自殺した男も遺書も残さず黙って死んだようだったが、このお嬢さんも自分と同じように狂うのだろうか。
それは、とても憐れに思えた。
「ふふっふ・・・」
憐れ、そう憐れなのだ。
自分は自分を憐れんでいるのだろうか。
男の死んだ理由が分からず、自分は本当に男の妻であったのか、一体自分とは何だったのか。
悲しむにも、憎むにも、自分は何も知らない。知らないから自分の心をどこに向ければいいかもわからない。
周囲は言葉で責め、態度で責め、女はそれに何も言えずただただ心は削られた。
そんな己はとても憐れなのだろう。
もう、女は何を考えるのも億劫だった。
女は、一筆箋に「まったくわかりませんでした」と書くと本に挟んだ。
これを見た人は自分がなぜ死ぬのか分かるだろうか。
それともやはり悩むのだろうか?
もう、女にはどうでもよかった。
ただ、心から思ったたった一つの結論を本の中に隠し、女は椅子の上に立ち上がった。
そして、吊るしてあった先を輪にした縄に手をかけた。
女は首を輪の中に入れて、そっと目を閉じた。
女はためらいなく椅子を蹴った。
最期に、自分に罪があるとすれば無知なのだろうかと考えたがすぐにそれも終わった。
女は死んだ、なぜ?
何もわからなかったから
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