ウミガメのスープ

本屋ラテラルの謎解き 『白雪姫は林檎アレルギー』

作者: 桜小春

ここは、本だけでなく日常の不思議から難事件まで多くの謎が揃ってる本屋『ラテラル』

いらっしゃいませ!店主の小春です!

またいらしてくれたんですね?
本日は少々昔の話をご用意しました…

―――――――――――――――――――――――

カメオはカメコを見た瞬間、恋をした。

鮮やかな紅色の頬。
白く雪のような肌。
黒檀のように黒い髪。
あぁ、美しい…。

その後、ある部屋から二人分の死体が発見された。
カメオがカメコを愛さなければ、死なずに済んだのに…。

一体どういうことだろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

二人は心中しましたか?

yes!これは心中ですね

いいえ

二人分の死体とは、カメオとカメコの死体ですか?

no!死体の片方はカメコです!

いいえ

カメコが浮気をしていてお腹の中に他人の子がいて愛するあまり憎くなりましたか?

no!こ、怖いですね

カメオのほかに、カメコには恋人がいますか?

yesno!カメコに恋人はいますが…

はい

二人を殺したのは、カメオですか?

yes!

はい

もう片方の死体はカメコの恋人ですか?

yes!恋人のリクオです!

はい

カメオも死のうとして、結果生き残りましたか?

yes!瞬殺の予感…

はい

カメオはカメコのストーカーですか?

yes!

いいえ

カメコの浮気を知ったカメオは、カメコとその浮気相手を殺し、自分も死のうとしたものの、怖くなって死ぬことができませんでしたか?

no!

いいえ

カメオ、リクオ、カメコの三人で心中しようとして、カメオだけが生き残り、残った二人の死体が残されましたか?

no!

はい

核心ストーカーが怖くなったカメコは、リクオと二人で心中、その後それを知ったカメオは死のうとしたが

yes!Congratulations!

いいえ

リクオはカメコをかばって死にましたか?

no!

いいえ

ある部屋は重要ですか?

no!

いいえ

窒息死ですか?

no

いいえ

溺死ですか?

no

いいえ

お互いの血で染めたロープで一緒に首を吊り『運命の赤い糸』を演出しますか?

no!ロマンチックですね…

いいえ

焼死ですか?

no

いいえ

お互いに方手でナイフを持ち合い抱きしめながら刺しましたか?

no

いいえ

二人は林檎アレルギーでしたか?

no

いいえ

切腹ですか?

no

いいえ

元ネタ(であろう)白雪姫は関係ありますか?

no

いいえ

二人は大往生でしたか?

no

いいえ

飛び降り自殺ですか?

no

いいえ

睡眠薬を過剰に摂取したことによる中毒死ですか?

no!しかし中毒死ok!

答え

※長文です

部屋から発見されたのは
二人の惨殺死体と
一人の負傷者だった。

死体の片方はカメコともう一人
負傷者はカメオだった。

カメオはどんくさい男だった。
うじうじとした性格で誰からも好かれず、カメオ自身も自分が嫌いだった。

そんなある日、カメオは街中でカメコに出会う。
すれ違った美しいカメコに一目惚れしたカメオは、雷に打たれるような心地がした。

カメオはカメコが自分の運命の相手だと思った。
いつかある日、彼女は僕に笑いかけて言うのだ。『ずっと待ってたの』と。


カメコはストーカーに悩まされていた。
数ヶ月前から気持ち悪い男が自分につきまとっているのだ。
恋人のリクオに相談して、警察に行ってみたが、まだ事件が起きていないから動けない、と言われた。

「大丈夫だよ、俺がついてる」
恐怖で塞ぎ込む私をリクオは慰めてくれるけど、私は怖くて仕方なかった。

ある日、家のポストに手紙が入っていた。何気なく開くと、そこには私の顔のドアップ。
「ひっ…!」
そしてそこに、あの気持ち悪い男の顔写真。笑った私の隣に貼って、ツーショットのつもりだろうか。
気持ち悪い。

それから何度も、カメオからの手紙が届く。毎日毎日。
「友だちとのショッピング楽しかった?あのスカート、君に似合うと思うよ」
毎日。毎日。
「昨日行ってたレストランのパスタ、僕も一緒に食べたいな」
毎日。毎日。

カメコの精神は限界点を超えていた。
追い詰められたカメコは死を選んだ。
愛するリクオと共に死にたい。

カメコはリクオを家に呼び、即効性の睡眠薬をお茶に入れ飲ませた。
すぐさま眠ったリクオをベットに寝かせ、部屋を完全密室に。自らも睡眠薬を飲み、練炭を焚いた。
隣で眠る愛しい人の寝顔を見ながら、カメコは深い眠りに落ちた。


カメオは、日曜日に家から出てこないカメコを不思議に思った。
いつもなら何処かに出かけるのに。
そして悟った。
僕に部屋に来て欲しいのだと。
嬉しさに駆け足になりながら、カメコの部屋を目指す。
部屋の鍵は空いていて、やはりそうか、と中に入る。
閉じきった奥の部屋はカメコの寝室。
カメオは意気揚々とそのドアを開いた。

鼻にくるきつい煙。
カメコはベットに寝ていた。

鮮やかな紅色の頬。
白く雪のような肌。
黒檀のように黒い髪。
あぁ、いつも以上に美しい。

そっと眠るカメコに近寄る。
その刹那。
視界に入るのはカメコに寄り添うように寝る男。
こいつはいつもカメコにつきまとっていた男だ。
そして目に入る焚かれた練炭。
まさか。まさか。
あの男がカメコを…

「…うわぁぁあああああああ!」
頭を掻き毟る。
僕のカメコを連れていかれた。

こんな男に。
こんなふざけた男に。
気づいたら包丁を握り締めていた。

まっすぐ振り下ろす包丁。
カメコの、美しい顔も体も喉も瞳も
憎たらしい男の、顔も体も腕も脚も

赤く、紅く、あかく、アカク、アカク…

全てが壊れた部屋の中
赤く染まった羽毛の中で

最後に貫いた自らの心臓
遠くなる意識の中で見たカメコの顔は

切り刻まれても美しかった。


けれど、死体は二体分
一人生き残ったカメオは今日も叫ぶ

「カメコが待ってるんだ!
あの男に捕まってるんだ!
俺は彼女から離れちゃいけないんだ!
殺せ、殺してくれっ!
俺を殺せぇぇぇえええ!!


警察が検査した結果、
カメコとリクオの死因は
刺殺だった。
本当に彼女を殺したのは…

―――――――――――――――――――――――
如何でしたか?

美しき姫を愛し、愛した故に殺した男。
呪いに侵された姫は自ら眠った。
二度と目覚めることはないでしょう。

暇つぶしにはなりましたか?
またの御来店をお待ちしています。

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