ドロップ・アウト
その日、母さんは大量の飴玉をくれたが、何も言わなかった。
一体どういうことだろうか。
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
いつも添えていた一言は重要ですか?
yes,no.重要ではありませんが、謎を解く手がかりにはなります
大量の飴玉をくれた経緯は重要ですか?
はい!!
飴玉は定期的に与えられていましたか?
いいえ!
ご褒美としてたくさんの飴玉を貰いましたか?
いいえ!
飴とは
はい!! ミスリード注意
「母さん」ではなく「父さん」だったらこの話は成り立っていましたか?
はい。
飴は買えますか?
はい。市販の飴です
飴は口に運ぶものですか?
はい。7と合わせてミスリード注意です
飴を何かの代わりに与えていたんですか?
はい。と言えますかね……
大量の飴も買ったものですか?
いいえ!!
大量の飴といつもくれる飴は同じ物ですか?
いいえ!!
飴玉はいつもは一個ずつですか?
はい。
参加させていただきます。
はい。
母さんと主人公はどちらも現実の人間ですか?
はい。
何か特別な日でしたか?
はい!!
その日はなにか特別な日でしたか?
はい!!
誕生日でしたか?
いいえ。
20歳になった区切りのいい誕生日とかでしょうか
いいえ。
20歳になった区切りのいい誕生日とかでしょうか
まあそんな日もありますよ
母さんは、その日にも何か言葉を添えることは可能でしたか?
はい! 可能と言えば可能でした
主人公は母から飴玉をもらい、すぐに食べるのですか?
関係ありません
飴玉は、何かの代わりに貰ってましたか?
はい。ですが何の代わりかは特定しなくて大丈夫です
いつも貰う時と大量に貰った時とでは周りの状況が違いましたか?
はい!!
どんな日か求める必要はありますか?
はい!!
大量の飴は母が作ったものですか?
はい! ミスリード注意
飴じゃなくても成り立ちますか?
はい。飴のようなものなら成り立つと思います
母は声を出せない状況にありましたか?
いいえ。出そうと思えば出せました
飴に何か文字が書いてありました?
いいえ。
その日はエイプリルフールですか?
いいえ。
母は病気でしたか?
いいえ。
大量の飴玉は母が誰かから貰ったものですか?
いいえ!
ホワイトデーでしたか?
いいえ。
大量の飴玉は母から押し付けられたものですか?
押し付けられた……はちょっと違うかな……
母は飴職人ですか?「今日は作りすぎちゃったのよー゚.+(〃ノωノ)゚.+°」ですか?
いいえ。
この話はホラー・サスペンス系ですか?
いいえ!
手作りの大量の飴玉の材料は重要ですか?
はい。
何かのお祝いの日でしたか?
いいえ!
母は材料を飴玉に加工し子供に持たせることでそれを隠そうとしましたか?
いいえ。加工とか、そんな難しい過程は経ません。誰にだって作れます
大量の飴玉は包み紙に包まれていますか?
いいえ!
大量の飴玉の個数は関係しますか?
いいえ。無数の飴玉でした
妊娠出産は関係しますか?
いいえ。
私に兄弟はなく、飴玉を貰うときはいつも一人でしたか?
関係ありません
いつもの飴と貰った飴は味が同じですか?
いいえ!!
"その日"は私の命日ですか?
いいえ。
大量の飴玉も食べられるものですか?
13参照。 ちなみに食べても害はないという意味です
お墓の前でなかないで…じゃなくお供え物として置く飴ですか?お盆?
いいえ。
何も知らない人が見ても大量の飴玉は飴玉だと認識できますか?
いいえ!
母親は生きていますか?
はい。
大量の飴玉は涙ですか?
はい!!!
母親は何かを諦めましたか?
いいえ。
場所は霊安室ですか?
いいえ!
私はその日に死にましたか?
いいえ! その日の前日に死んでいました!
その日は私のお葬式でしたか?
はい!!!
核心棺桶の中にいる私に対して涙を流したのですか?
はい!!! 解説行きます!
答え
「かーくんが泣いてるから、神様も泣いてるよ」という一言を添えて。
きっと、子供向けの歌になぞらえた、母さんなりの慰めだったのだろう。
母さんの指につままれた飴玉を掌に受け取り、口に入れた時、口いっぱいに広がる甘さと優しさに、いつの間にか涙が止まっていた。
大きくなり、泣く事がなくなった俺は、母さんから飴玉を貰わなくなった。
それが少し寂しくもあった。また飴玉を貰いたいと思っていた。
だが照れくさくて、そんなこと言えない。ただ、甘いばかりの飴玉を口の中に放り込むだけだった。
続く不況。中々決まらない就職先。
いつまでも苦労をかける母への申し訳なさから流れそうになる涙を、飴玉を舐めて止める日々がずっと続く。
俺の精神は追い詰められていた。
逃げ道がない場所に、追い詰められていた。
気が付くと、俺は俺を見ていた。
白い箱の中に横たわる俺。気持ち悪いほど白い肌、首に巻かれた赤い痕。
俺は理解した。追い詰められた末に、首をくくって死んだことを。
全てに見放されたと絶望した俺は、死に縋りつくしかなかったことを。
白い箱、俺が横たわる柩の傍らには母さんがいた。近付いて覗きこむと、泣いているようだ。
声を立てずに、泣く母さん。今の俺とは違い、綺麗な白い肌を涙が伝っている。
拭おうと手を伸ばすが、透けて空を掴むだけ。
柩の中にポロポロと落ちる涙。綺麗な、綺麗な飴玉。
気が付くと俺も泣いていた。ああ、逆じゃないか。いつもは泣いてから飴玉を貰うのに。
もっと、もっと早く気付いていればよかった。
人生の落伍者である俺を、俺の神様は見放さないでいてくれたことを。
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