ウミガメのスープ

未来を、私に。

作者: 亜綾

襲撃されたのが私の家ではなかったので、それは音をたてた。

状況を補完してください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

△

襲撃とは泥棒ですか?

YesNO どちらかというと強盗です。

いいえ

それとは物ですか?

NOYes 多分物とは呼びません。

はい

襲撃されたのは「私」の家以外の家ですか?

Yes ミスリード注意。

いいえ

襲撃は自然災害ですか?

NO 人災です。>1

はい

襲撃によって何かが盗まれましたか?

Yes 何が盗まれたかはあまり重要ではありません。

いいえ

私の家が他と違うため襲撃されませんでしたか?

NO そもそも…。

はい

それとは壊れる音ですか?

Yes 何が?

はい

その音が出ることによって何か起こりましたか?

Yes? 比喩表現です。

いいえ

私が襲撃に関係ありますか?

NO

いいえ

私は、たまたま強盗に襲われている家を発見した。私は激怒した。必ず、かの邪智暴虐な強盗を除かなければならぬと決意し、堪忍袋の緒が切れた?

NOYes たまたまではありませんでしたが後半Yesです。ついでに、太宰ませんwww

いいえ

10より襲撃されている家は私の家の近所ですか?

NO  そもそも……。

いいえ

私は私の家に強盗に来て欲しかった?

NO そもそも……。

△

勘忍袋の緒が切れた人は、強盗に入られた家の人ですか?

YesNO 実質Yesですが、名目上NOでした。

はい

強盗は襲撃しようと思った場所に襲撃しましたか?

Yes

いいえ

登場人物は、私・強盗だけですか?

NO 強盗に入られた家の人達も重要です。

いいえ

私は犯罪に関わっていますか?

NO

いいえ

強盗と被害者はグルですか?

NO

はい

強盗に入られたことに対して堪忍袋の緒が切れたのですか?

Yes

いいえ

私は結婚だかなんだかで家を出ていたが、実家に帰省してみると家人に危害を加える強盗さんとこんにちはしましたか?

NO ですが、成立します。家を出たのではなく、そもそも……。

はい

「強盗に入られた家」は、「私の関係者」ですか?

Yes

いいえ

私は家を貸していましたか?

NO

はい

私のお店の宝石店に強盗が入り、キレましたか?

Yes もう少しです。ただ働いているだけの家なら、ここまでキレなかったでしょう。

はい

私は現在、その家に居住していますか?

Yes まとめられますか?

はい

私は、「その家」に住まわせてもらっていた。ところが「その家」に強盗が入り「その家」の人に危害を加えようとしていたため激怒した?

Yes ですが、要素が一つまだ出ていないのです。

いいえ

強盗と私は知り合いですか?

NO

いいえ

その家は元々私の家でしたか?

NO そもそも……。←これに何が続くか分かったらFAをだします。

いいえ

その家は彼女または彼氏の家ですか?

NO 家族同然の人達、養ってくれた人達の家です。

いいえ

そもそもこれから住む家だった?

NO そもそも私に……。

△

私は子供ですか?

Yes NOでも成立しますが、私の子ども時代は重要です。

いいえ

私には自分自身の家がありますか?

NO! まとめてください。

はい

私が住み込みで働いていた店に強盗が入って堪忍袋の緒が切れましたか?

Yes ですが、要素が一つ足りません。

はい

核心31は何らかの理由で親がいなくなり身寄りのない自分を拾ってくれた店でしたか?

Yes! 31と合わせて正解で。

★

答え

通りに面した小さなパン屋さんの優しいおかみさん。彼女は私の恩人である。

私は物心のついた時から家なき子だった。私より少し背の高いお兄さんが、色んなところでわずかばかりのお金を手に入れてきて、それを使い乞食をしながら食いつないでいた。
でも、ある年。飢饉によって私はお兄さんを奪われてしまった。誰も雇ってくれず、恵んでくれない。私達はどんどん衰弱して、ある朝、目を覚ますと、お兄さんは息をしていなかった。
お兄さんが、血のつながった兄弟だったかは、ついに分からなかった。でも、飢饉が奪っていったのは私の大事な「家族」だった。そして、私にも分かったのは、私ももうすぐお兄さんと同じようになるのだろうということだけだった。

そうして、通りで縮こまって凍えていた私を助けてくれたのが、おかみさん。彼女は私に数日ぶりの食事と、その先の未来を与えてくれた。そう、彼女は私を雇ってくれたのだ。
10にも満たない私を、彼女は雇ったといいながら自分の子供と同様に扱ってくれた。実質、家族だった。でも、一度もお母さんと呼ばせてくれなかった。大きくなってからそれが、私に家族に対して引け目を感じさせないためのおかみさんの気遣いだと気づいたけれど。
それに、お兄さんとの生活を忘れないためにも、その方が私にはありがたかった。
そんな気遣いをさりげなくしてくれる、優しい優しい人だった。

でも、数年経ったある日、出かけた先から店に戻ると、店の前に明らかにおかしい人だかりができていた。嫌な予感しかしなくて、人だかりを掻き分けて店に駆け込むと、おかみさんと家族が深紅に染まり、倒れ伏していた。店は、これでもかというほど荒れされていて、食べられるような物は少しも残っていなかった。
その年は、数年ぶりの飢饉で、どこもかしこも食糧が足りておらず、そのためにおかみさんのパン屋は襲撃されてしまったのだろう。

飢饉によって再び「家族」を奪われたと気づいた私の理性は、ぷつんと音を立てて切れた。



…………一度でいいから、お母さんって、呼びたかった。
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