これで、勘弁してあげる。
ある日の夜遅く、家に帰ってきた夫を妻は殺してやろうかと思ったが夫の話を聞いて気が変わり、そのまま夫と寝ることにした。
しかし翌朝。夫は荒野で目を覚ますことになった。
状況を説明してください。
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
犯罪は関係ありますか?
No!! 直接は関係ありません!
気が変わった後の妻の感情はポジティブなものですか?
一応Yes!!
夫は荒野に連れて行かれましたか?
No!!!
夫、妻以外に重要なキャラはいますか?
Noかな? モブキャラは多数いますが
非現実要素はありますか?
Yes!!!
ベットの周辺が荒野になっていましたか?
Yes!! それどころか……
非現実要素ありますか?
Yes!!!
気が変わったとは、妻に、夫を死なせる気がなくなったということですか?
Yes!!!
5より。妻は人間ですか?
No!!!
夫は浮気してましたか?
No!!
3、5より 地球が荒野と化しましたか?
No!! そこまでは酷くないw
9より ペンギンが卵を温めていますか?
No!!
夫妻は荒野で眠りましたか?
Yes!!! ただし…
9より。夫は妻が人間じゃないと、知っていますか?
No!! そもそも…
14より。夫の方も、人間じゃない存在ですか?
No!!
夫と妻は鳥ですか?
No!!
夫は人間ですか?
Yes!!
5、7より 幽霊は登場しますか?
Yes!!!
妻は妖術的な力で、荒野に家が建っているように見せかけて、そこで夫が眠りましたか?
Yes!!! まとめてください!
妻は狐狸の幽霊で、夫は風呂だと騙されて肥溜めに浸かり起きたら荒野でしたか?
No!!
夫が帰って来たとき、妻は幽霊になっていましたか?
Yes!!! 19とあわせて、まとめてください!
核心妻は夫を待っている間に芯で幽霊になってしまったので、夫も道連れにしてあの世に逝こうとして、19のような力で夫にそこが家だと思わせていたけれど、夫の言葉で自分が愛されていたことに気付いたので、夫を許すことを決めて一緒に寝て成仏しましたか?
Yes!!! 正解です!
22補足。なんか、こういうあらすじの古典があった気がするのですが、この問題に元ネタはありますか?
Yes!!! 書名まで当ててたら正解にしてましたw
核心夫を待つうちに命が消えた妻は、今頃帰宅した夫に幽霊となって復讐をするつもりだったが、夫が帰るに帰れない状態だったと知って復讐をやめたものの、妻がいなくなったことで自宅だった場所は荒れ果てた荒野になっており、夫はそこで目を覚ましましたか?
Yes!!! 正解です!
答え
鎌倉時代の頃であったか。
私の夫はいい人ではあるのだけれど、お調子者で家も没落し、家族からは勘当同然の扱いを受けていた。
なんとか復興しようと、ある日夫が私に提案をした。
田畑を売って着物にして、それを都に売りにいく。
彼に商売が出来るのか?
そう瞬時に不安になったが、彼の目を見ると、とても止めろとは言えなかった。彼も彼なりに、私のことを考えていることが伝わったからだ。
「今年の秋には帰る」
そう言って夫は京の都へと出稼ぎに行ってしまった。
だが、その年の秋になっても夫は帰ってこなかった。
そしてそれからしばらくして、近くで戦が起きて、近隣の村が壊滅したと言う話が流れ込み、村人達は一斉に避難を始めた。
村の人たちは「一緒に行きましょう」と言ってくれたが、夫が帰ってきた時に誰もいなかったら、彼はどう思うだろうか。
少し悩んで、私は行かないことにした。
しばらくして来た兵士達からは廃屋のなかに隠れてやり過ごした。
それでも、夫は帰ってこない。
たまに男が戻って来て私に言いよって来たりもしたが、私には夫がいる。しつこい人には包丁を持って追い返した。
それでも、夫は帰ってこない。
やがて、食料がほとんど尽きてしまった。
それでも、夫は帰ってこない。
やがて、病気になって寝込んでしまった。
それでも、夫は帰ってこない。
気付いたら、幽霊になっていた。
それでも、夫は帰ってこない。
優麗になっても、待ち続けた。
それでも、夫は帰ってこない。
段々と、夫を憎むようになった。彼はもしかしたら都で新しい女と暮らしてるのではないか?
そう思えてならなかった。
それでも、夫は帰ってこない。
段々と殺意が湧いて来た。帰って来たら殺してやろうと思うようになった。
それでも、夫は帰ってこない。
しかしある日ついに、夫が尋ねて来たのだ。
「よくぞ戻って来てくれました」
憎しみを打ちに隠しながら言って夫の顔を見ると、私は少し言葉に詰まった。
夫のやつれ細った、見るに耐えない酷い顔。
それでも、彼の表情からは私を見た驚きと、嬉しさが感じ取れた。
でも、憎しみは消えない。
寝込んだ所を殺してやろうと思いながら中に入れると、夫が開口一番、頭を下げて来たのだ。
「すまなかった」
彼が謝ったのは、これが初めてであった。
そして、彼はここに来るまでのいきさつを涙ながらに話しはじめた。
都で商品が全部売れたこと。
そしてその時、私の住んでいる所で戦が起きたのを知って、慌てて帰ろうとしたこと。
その途中、野盗に襲われてお金も、物も全てとられて死にかけたこと。
偶然助けてもらった者から、ここの有様とここまでにいくつもの関所が出来ていて、到底行くことは出来ないこと。
それで私はもう逃げたか死んだのだと思って、もう一度、京に死にかけながら戻ったこと。
しかし都でも疫病が蔓延していて世の無常を悟り、なんとかして私の家に戻って来たこと。
彼の話を聞きながら、私の中にあった殺意は急速にしぼんでいった。そして、蘇って来たのは、彼に再び会えた喜びであった。
そうだ。
彼が悪いのではない。この世の中が悪かったのだ。
その中でも、彼は必死に抗ったのだ。
私も、これまでのいきさつを話すことにした。しかし、私がすでに死んでいて、この家も跡形もなくなっていることは語らなかった。
せめて、今晩だけは。彼と再会の嬉しさを人として噛み締めたかったからだ。
ずっと謝り続ける彼に、私は「いえ、あなたと会えただけで、本当に幸せです」と言った。
当然、それはもう本心になっていた。
〜〜〜
翌朝、男が目を覚ますと、そこは荒野であった。
草が鬱蒼と生い茂っている。
これは一体どういうことだと思って、辺りを見回すと、元は家だったのだと言うことが分かった。
そして、一つの墓を見つけた。
夫は気付いた。
妻はやはり、もう死んでいたのだと。
妻の墓には、一つ、歌が書き付けられていたそうだ。
「さりともと 思ふ心にはかられて 世にもけふまで いける命か」
(それでもいつかは帰って来ると思う自分の気持ちに騙されて、本当にまあここまで生きながらえたものです)
元ネタ:雨月物語〜浅茅が宿〜(歌も今回は作中のものを抜粋させて、意訳を付けさせて頂きました)
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