ウミガメのスープ

滅びた村の宝物

作者: 枯れた植木

これはとある中世っぽい世界での話。

自称魔王が何体もいるご時勢、様々な場所で魔物が跋扈し被害を出しています。
占い師は日課の『この先の出来事』を占い、『ゆく先で不幸が待ち受けている』と出たことを新人冒険者に話しました。

「新人さん……新人さん……それでも行きますか……?」
「いや、し……げふんごふん。家を出る条件としてある程度行き先が指定されてんだよな。この先の村に行かなきゃなんねーんだ」

そうして彼らがたどり着いた先の村は、魔物の襲撃によって滅んでいました。

「これは……!」

そして隠されていた大切なもの一つだけが、傷一つついていない状態で放置されていました。
しかし……

その滅びた村に隠されていた大切なものが何だったのか、どこにあったのか、そしてどういう状態だったのかを探ってください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

魔物たちの狙いは、その隠されていたものでしたか?

いいえ、村全体を滅ぼすことが目的でした。

いいえ

その宝は金属製ですか?

いいえ、違います。

いいえ

それは村にとっては秘宝といった感じのものですか?

いいえ、村にとっての秘宝ではありません。

はい

それはそのまま放置していても変化ありませんか?(風化は除く)

はい、風化など自然に朽ちるのでなければ変化はありません。

はい

それは『宝』と呼ぶにふさわしいものですか?

はい、多くの人が大切にするべきものだと言うでしょう。

はい

襲撃した魔物は破壊を試みましたか?

はい、魔物は村の全てを破壊しようと試みたので、その中にその『大切なもの』も含まれます。

いいえ

魔物はその大切なものを見つけましたか?

いいえ、見つけられませんでした。

はい

大切なものは生き物ですか?

はい、生き物です。しかし……

はい

命ですか?

はい、しかし……

はい

それは現代の一般的な家に置いてますか?

はい、それがある家もあります。

いいえ

大切なものは硬いものですか?

いいえ、硬くはありません。

いいえ

発見されたときにはまだ生きていましたか?

いいえ、生きていませんでした。

はい

大切なものは動物でしたか?

はい、動物です。

いいえ

親友、またはペットの死体ですか?

いいえ、新人冒険者と占い師の親友、あるいはペットの死体ではありません。

いいえ

隠されていた場所とは、その生き物が死んだ理由になりますか?

いいえ、隠されていた場所は生き物が死んだ理由にはなりません。

はい

大切なものは人間ですか?

はい、人間です。

はい

それは赤子でしたか?

はい、赤子です。

はい

大切なものに名前はついていましたか?

はい、ついていました。しかしそれを知る人も、もうこの世にはいません。

はい

そこは地下でしたか?

はい、ひんやりとした地下でした。

いいえ

ひんやり…井戸の中?

いいえ、井戸の中ではありません。

いいえ

その村の特産品は工芸品ですか?

いいえ、工芸品ではありません。

はい

特産品は飲食物でしたか?

はい、飲食物です。

いいえ

赤子は一目でわかる場所にいましたか?

いいえ、一目で分かる場所にはいませんでした。

はい

特産物はひんやりしたもの?

はい、ひんやりしたほうがおいしいものです。

いいえ

赤子は凍っていた?

いいえ、凍るほど底の温度は低くありませんでした。

いいえ

赤子の死を村人は望んでいましたか?

いいえ、望んでいません。魔物から守るため、赤子をそこに隠すほかありませんでした。

はい

赤子がいた場所は特産品を冷やす冷蔵庫?

はい、概念としては極めて近いでしょう。

はい

赤子がいた場所は特産品の保存のための場所でしたか?

はい、まさにその通りです。

いいえ

赤子を隠していたものは何かの容器ですか?

いいえ、容器ではありません。そこは地下の一室でした。

はい

赤子がいた場所には、他にも重要なものはありましたか?

はい、赤子と特産品がしまわれていた他、温度計と湿度計がありました。

いいえ

この地下自体に魔物は入りましたか?

いいえ、入り口が厳重に閉ざされていたので入りませんでした。

はい

特産品は酒ですか?

はい、酒の一種です。

はい

ワインの貯蔵庫?

はい、ワインの貯蔵庫です。それでは回答をどうぞ。

答え

それは赤子。小さな命。

背中に傷を負って事切れた母親がのしかかるようにして閉ざされたワイン蔵に、赤子が傷一つ無い状態で放置されていました。
しかし隠されてから時間がたちすぎていたその赤子は、母親の願いもむなしく死んでいました。
新人冒険者と占い師は母親と赤子を弔って、旅を続けるのでした。――――魔物の増えたこの世界の荒廃具合をかみ締めて。

   ・ ―――――――――― ・

王国の王弟は、自分の指示で冒険者を始めた第十二王子からの手紙に目を通していました。

「ふむ、あの村の者は兵士嫌いだったから甥に行かせたが……そうか、すでに滅んでいたか。
“神託の井戸”も破壊され、これで魔王への対抗手段が一つ無くなった……そろそろ我々も本格的に腰を上げねばならんな」

そして王弟は手紙をしたため、旧友たちに送ったのでした。
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