ウミガメのスープ

きゃろらいんちゃろんぷろ…えっとなんだっけ?

作者: 植野

あるところに物忘れのひどい男がいた。
年の頃は四十がらみ、身寄りもなく、住み込みで世話をしてくれる家政婦とともに街のはずれでひっそりと暮らしていた。

「晩御飯はまだかね」
「はいはぁい、晩御飯はさっき食べたじゃありませんか」
「そんな馬鹿な、儂は覚えていないぞ」
「そうでしょうとも…本当に物忘れのひどい人ですねぇ」

男の家ではこんな会話が日常茶飯事だった。


しかしある日から男の物忘れは解消された。
そして、街に一つのニュースが駆け巡った。


この状況を補完してください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

男は餓死しましたか?

NO ちゃんとご飯たべてました(*´꒳`*)

家政婦は男に何かしましたか?

んー YES!

はい

家政婦と男以外に登場人物はいますか?

YES まだ明らかになっていない重要人物が1~2人います!

はい

誰か死にますか?

YES 死んでしまいます(´;ω;`)

いいえ

登場人物は男の家族ですか?

NO 身寄りのない男は、友人と呼べる人間が全くいませんでした。

はい

ほかの登場人物とは家政婦と関係が深いひとですか?

YES それだけではありません◎

いいえ

物忘れのせいで誰かが死んだんですか?

NO

いいえ

男は忘れてることを忘れてるんですか?

NO!! 重要です(*´꒳`*)

はい

この男は結婚していましたか?

YES!!

はい

参加させていただきますー。

YES 亡くなっています!

男の人は仕事が忙しかったために家政婦を雇っていましたか?

YES/NO 家政婦を雇う程度には忙しかったでしょう。ですが深く考えなくて大丈夫です◎

いいえ

家政婦は男の親族関係に当たりますか?

NO 血縁は全くありません。

妻の死因は重要ですか?

Y YESでもありNOでもあります…妻の死因は、ある人物に大きく関わっています…!

いいえ

男の物忘れは、病気によるものですか?

NO! おそらくどんな名医も悪い部分を見つけることは出来ないでしょう!

はい

男の物忘れは偽装でしたか?

YES!! 彼はわざと物忘れが多い振りをしていました!

いいえ

男は妻が亡くなった事を忘れていますか?

NO 男は妻が亡くなったことをしっかり理解していました(´;ω;`)

家政婦は男の妻に危害を与えましたか?

ひろーく捉えるとYESですね。肉体への暴行など、限定的な意味合いではNOです。

はい

まだ出てきていない人物がいますか?

YES! 問3ではっきりしない答えになったのは、そちらの人物の方が話の中核に関わるため、先に出るかなと早合点してしまったからです…(´꒳`;)

はい

この家に住んでいるのは男と家政婦の二人だけですか?

YES 二人っきりです。

出てきていないの登場人物は家政婦側に関係のある人間ですか?

これが難しい…!若干ミスリード注意と断りを入れつつ、NO!

いいえ

男は死にますか?

NO 解説では一応ご健在です。

いいえ

男が物忘れが激しいフリをしているのは、そうしないと自分の身が危ないからですか?

NO 彼は自分の意志で物忘れが激しいフリをしていました。

はい

ではQ20に関連して、明らかでない人物は男側に関係のある人物ですか?

YES!! 男と深く縁のある人物です!

はい

では、それは男の子供ですか?

YES!! 男の息子です!

いいえ

男は妻の詩の真相を知るため物忘れが多いふりをしていましたか?

NO 妻の死因について男はしっかり理解していました。

はい

息子は生きていますか?

YES 健在です。

いいえ

男が物忘れのフリをしていたのは息子を騙すためですか?

NO そもそも。

はい

では家政婦を騙すための物忘れ偽装ですか?

YES!! 家政婦に「物忘れが激しい人間だ」というイメージを与えるためです!

いいえ

男は息子を守るため物忘れが多いふりをしていましたか?

NO そもそも。

はい

家政婦は何か企んでいましたか?

YES!

いいえ

男は物忘れのフリをすることで家政婦の企みに気づいたのですか?

NO ちょっと違います。

いいえ

家政婦は男の元恋人ですか?

NO 昼ドラ展開(´・ω・`)

はい

男は復讐のために家政婦を雇っていましたか?

YES!!!!

はい

ということは、男は復讐するためにボケていたのですね?

YES 復讐のためにボケたようなフリをしていました。

いいえ

家政婦ゎ男息子の出産時にたちあっていましたか?

NO

いいえ

まとめも帳より)家政婦さんと息子さんは恋仲でしたか?そして妻はこれを良く思っていなかった…

NO 昼ドラ再び(´・ω・`)ドキドキ

いいえ

家政婦は男の金銭を狙っていますか?

NO

はい

息子は成人していますか?

YES

はい

ボケがおっちょこちょいでも成立しますか?「ズボンはくの忘れた!」」

YES!! ある犯罪に関わっていました。

はい

家政婦は死にますか?

YES!!

いいえ

家政婦が奥さんを殺してしまったんですか?

NO ですが、妻が亡くなる原因を作りだしました。

いいえ

男と息子はグルになって家政婦に復讐をしますか?

NO そもそも。

いいえ

男の息子は男が物忘れが激しいフリをしている事を知っていますか?

NO! そもそも、知らないでしょう。

いいえ

家政婦が何かを企むようになったのは、妻が亡くなった後ですか?

NO! 時系列が逆なんです。

はい

男の息子は幼い時に家政婦に誘拐されちゃいましたか?(;ᴥ;=)

YES!!!!

はい

男の物忘れが解消されたのは家政婦が死んで演技することをやめたからですか?

YES! 復讐を達成し、彼はすっぱり演技をやめました。

はい

街に駆け巡ったニュースは家政婦が男に殺されたことについてですか?

YES! 今更ですが、残酷描写がありますので解説注意です(´・ω・`)

いいえ

男は家政婦を殺害した後、「覚えていません」と言って無罪になるつもりでしたか?

NO 実際に悪いところはないので、捕まってしまえば言い逃れできないだろうとは思っていました。

いいえ

男は家政婦に忘れたと言って給料をあげませんでしたか?

NO これはひどい踏み倒し方だぁ(´・ω・`)

はい

核心家政婦は「この男はどうせ忘れてしまうから」と誘拐事件にかかわる事を男に話してしまいましたか?

YES!!!! 物忘れ癖は、家政婦を油断させました!

はい

妻は自殺ですか?

YES 息子を失った悲しみに耐え切れず、自ら死を選びました。

いいえ

息子は家政婦と共謀し両親を困らせようとしましたか?

no

答え

男はちらりと時計を見ると、日課になった言葉を呟いた。

「晩御飯はまだかね」
「はいはぁい、晩御飯はさっき食べたじゃありませんか」
「そんな馬鹿な、儂は覚えていないぞ」
「そうでしょうとも…本当に物忘れのひどい人ですねぇ」
「何、儂はそんなに耄碌しとらん。忘れたりせんよ」
「あらあら、そうですか?」

家政婦は洗濯物を畳みながら、あしらうように会話に応じ
た。山と積まれた洗濯物にかかりきっている彼女は気付い
ていないが、男はとぼけたような眼を一瞬冷ややかに細め
た。

(そうやって油断するがいいさ、お前のしたことは判って
いるんだ……)


――――――**


男は若い頃に家族を失った。大事な大事な一人息子が行方
知れずになったのだ。

まだはいはいを覚えたばかりの幼い息子、その面倒を見て
いるはずだった雇われの家政婦は、猿ぐつわをかまされ、
柱に縛りつけられた状態で発見された。

『黒服の男たちが押し入ってきて…坊ちゃんが…』

涙ながらに語る家政婦は、その日以降、心労を理由に雇用
契約を破棄してきた。犯人の足取りは全く分からず、自分の分身とも言える息子を失った妻は、ある日屋根裏で首を吊った。
「不幸の連鎖」という名で処理されたその一件は、男をこ
の上なく孤独にした。

しかし、事件から十数年経ったある日の新聞の記事に、男は目を疑った。
【貧しさの中で高校への特待生進学、母と息子二人三脚の人生】という見出しで、とある親子のインタビューが掲載されている。
そこに映っていた少年は、幼いころの自分にそっくりだった。まさか、いや、この少年は……失踪した私の息子に違いない!

そして隣で寄り添って笑うのは――いつかの、あの家政婦だった。

男の歓びは一瞬でかき消えた。歪なパズルのピースが嵌まる思いだった。あれは、あの事件は、狂言だった。外部犯の物盗りに見せかけた純然たる誘拐だったのだ。

息子に会いたい、一目会って自分が本当の親だと告げて、妻の分まで抱きしめたい……そんなささやかな想いが、どす黒く塗りつぶされていくのが判った。
白黒写真で微笑む家政婦を睨みつけた。もはやただ息子を取り返すだけでは気が済まない、この女に地獄の苦しみを味わわせたい。

――その時から男は復讐の鬼になった。

有り金をつぎ込んで整形し、別人の相貌を手に入れ。
喉をつぶし、声でわからないように。
探偵に調べさせ、女がまたのうのうと都市部の家政婦の派遣会社に登録し直したことを突き止めた。
長い時間と恨みつらみを押し固めて、準備は整った。
あとは女を雇い、最も近い場所で、朝から晩まで監視するだけだった。

――――――**


いつも通り、夕食はとっくに済んだとなだめすかされ(そんなことは百も承知だ)、男はソファに体を深く沈めた。家政婦は洗い物を終えてから、毛糸玉を二、三個抱えて傍に腰を下ろした。

いつも通りの光景のなかで、男は瞼をうっすらと伏せた。そうして、あくまで自然に、うとうとと眠りに落ちる寸前を装いながらぽつりぽつりと家政婦に語りかけた。


「…きみは、編み物をするのかい…」
「ええ、毎日こうやって編んでますけど、ほんとに覚えてないんですねぇ」
「なかなか…上手いものだね…」
「チョッキでもセーターでもなんでもござれですよ、子どもなんかはすぅぐに体が大きくなるからね、手直しした方が余計なお金がかかりません」
「子どもか……きみは…子どもが、いるのかね…?」
「ふふ、聞いたってすぐ忘れちゃうじゃあないですか」
「なぁにを…馬鹿を言うな、儂は忘れたりせんよ…」
「そうですか? まあ何を言ったってどうせ覚えてませんものね……ええ、もう大きくなって一人立ちしましたけど、男が一人ね」
「……そうか、どんな子だい……」
「孝行息子ですよ、父親がいなくてもしっかり親の言うこ
とを聞いてくれて。」
「そうか…、どうして、父親がいないんだね…?」
「え? …まあ、ねぇ、養子みたいなものですよ」
「……ほぉ、養子」
「ちょっとね、昔、知り合いから借りてきたんです」

くすくすと笑って編み物をする家政婦は、ソファに凭れて
いた男がその身を起こしたのに気付かなかった。

「緩んだな」
「ふふ……――え?」
「気が、緩んだな」

部屋の明かりを反射して、鋭い銀色が閃いた。

「お前の一言一句、最初から最後まで、全て憶えているよ」




翌日、警官が男の家に詰めかけた。あっという間に街の全域へとニュースは駆けていった。
街はずれのその家の一室には、女性の惨殺死体がおぞましい方法で到る所に、縦横無尽に、一切合財をばらばらにして飾り付けられていた。大事なパーティーの準備をしようとして、最後まで用いるべき材料を間違えていることに気付かなかったかのように、その部屋は完璧な赤に染まっていた。

カーペットの中心には、「ハッピーバースデー、我が最愛の息子。」

家主の男はどこに消えたのだか、杳として知れない。
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