ウミガメのスープ

【創作落語】泥棒

作者: 3000才

泥棒を捕らえて縄をなう、なんて言葉がありますが、自分が泥棒にあうなんてなかなか普段からは思わないものです。泥棒という言葉の由来にもいろいろ諸説あるようで、押し売りをする人という意味の「押し売り坊」が転じて泥棒になったとか、「取り奪う」が変化して泥棒になった、なんていうのが有力なようで、私が子供のころ聞いた、「顔を隠すために泥をつけて武器に棒を持っていたから」というのはどうやら嘘のようです。嘘つきは泥棒の始まり、といいますが、泥棒の由来の話が嘘とは思いもよりませんでしたね。まぁ、海外には桜の木を切ったことを正直に言った大統領の話、というのがありますが、その話自体が嘘だそうで、それと比べればまだ可愛げがあるってものです。

さて、ここにいるのは少々気も頭も弱い男。金持ちのご隠居が一人で暮らしてるって話を聞いて金目の物を盗みに行ったところまでは良かったんですが、盗んだものを外に出そうとしているところをあっさりと見つかってしまいました。なんとか、盗んだものを返すことで許してもらったんですが、その後、そのご隠居は世を憂いてすっかりしょげてしまったそうです。さて、何があったんでしょうね?

※tsunaさんとのコラボ企画です。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

気の弱い男と金持ちのご隠居は知り合いですか?

No!

いいえ

盗んだ物の特定は重要ですか?

No! 重要ではありません

いいえ

重要な登場キャラは気の弱い男とご隠居だけですか?

No! 鋭い!

△

登場人物は「少々気も頭も弱い男」と「ご隠居」の2人ですか?

YesNo 関係ありません

いいえ

男が泥棒になった動機は重要ですか?

No!

いいえ

上文は必要ですか?

No w 全く必要ありませんw 解説が創作落語なので枕を付けただけですw

はい

3より 未登場人物も泥棒ですか?

Yes! 鋭い!

いいえ

手引きしたのがご隠居の奥方でしたか?

No! そういう落語はありますねw

△

盗んだものはまったくの偽者でしたか?

YesNo 関係ありません

はい

犯行を見つけた人物が重要ですか?

Yes! 重要です!

はい

男は盗みの最中に別の泥棒に見つかりましたか?

Yes! 鋭い! まとめをお願いします!

いいえ

言葉遊びの要素はありますか?

No!

いいえ

ご隠居も泥棒ですか?

No! ご隠居は泥棒ではありません

いいえ

「少々気も頭も弱い男」を許した後、また別の泥棒がご隠居の家に盗みに入りましたか?

No! 微妙に違います

いいえ

何故隠居しているかは重要ですか?

No! 全く関係ありません

いいえ

泥棒をした時に、他の大泥棒が盗んでいるところに遭遇。格闘してコレを逮捕。その手柄で無罪放免されたけど、ご隠居は「泥棒に救われるなんて……」で世を憂いたのですか?

No! でも、それ面白い!

いいえ

ご隠居と別の泥棒の関係性が重要ですか?

No! ご隠居、別の泥棒に関係性はありません!

いいえ

今まで家臣かと思っていた男が泥棒でしたか?

Now 家臣出てきませんw

△

泥棒2にとも、見つかった相手が家の住人と勘違いしましたか?

YesNo! 2人とも、ではないです!

△

気の弱い男を別の泥棒が捕らえ、その泥棒を違う泥棒が捕らえ、その泥棒を不正警官が捕らえ、警官を悪代官がさばきますか?

YesNo w 最初まであっていったのに、余計な人物出すぎ!w

いいえ

気の弱い男を許している間に別の泥棒に入られましたか?

No! 許しているのは…

はい

核心気の弱い男は他の泥棒をご隠居と勘違いし、盗んだものをその泥棒に渡してしまいましたか?

Yes! その通りです! お見事!

★
いいえ

ご隠居は、「少々気も頭も弱い男」が泥棒に入ったことを知っていますか?

No! ご隠居は知りませんでした!

答え

※少々長めですので、ショートバージョンの解説は別途下に用意しています。

ある日、老人は家の部屋のすべての電球がなくなっていることに気づいた。
おかしいなと首をかしげていると、部屋の隅に体中に電球を身に着けた気と頭の弱そうな男が立っていた。

「おい、ちょいとお前さん。そんなところで何しているんだい?」
「ひぇ、なんです、びっくりするじゃありませんか。急に話しかけないでください」
「驚いたね。びっくりしているのはこっちの方だよ。お前さん、人んちで何しているんだい?」
「え、こちらの家、ご隠居の家で?」
「まあ、そうだけど、初対面にご隠居って言われるのはいい気分じゃねぇな。なんで知ってるんだ?」
「へえ、ここに盗みに入る前に、金持ちのご隠居が一人で過ごしてるって下調べしやしたんで」
「おい、ずいぶんあっさりゲロっちまったな。お前さん、泥棒かい?」
「へい、あんまり人に言うなって、兄貴には言われてるんですが」
「まあ、そうだろうなあ。それにしてもお前さん、体中に電球つけてどういうつもりだい?」
「いえ、兄貴にピカピカ光る高そうな金目のもん盗って来いって言われたんで」
「また、飛び切りのバカだね。電球はピカピカ光るけどね、高いもんでも金目のもんでもないよ」
「え、でも、電球のフィラメントってタングステンでできてるんですよね?タングステンってのは融点がいちばん高い金属だって学校で習いやした」
「お前さん、頭いいのか悪いのかわからないやつだね。しかし、それにしてもね、なんでまた、その電球を頭につけているんだい?」
「へい、頭の上で光ると、閃いた、みたいな感じでいいアイディアが浮かぶかと思いまして」
「効果あるかい?」
「おいらじゃぁ全然光りゃしないんです。兄貴は光るって言ってたからなぁ。おいら、やっぱり才能ないんですかね?」
「まぁ、いつか光るかもしれないから、あきらめずにずっとつけておくことだね。それにしても鼻にさしてんのは何だい?」
「これですか?豆電球です。明日デートなんで晴れてほしいんですよ」
「どこの言い伝えだい、それは。ん、おしりにも電球突っ込んでるのか?」
「ホタルはおしりを光らせてメスに求婚するって聞いたんで。へへ、明日のデートでおいら、女にプロポーズにするんでさ」
「ほー、そりゃぁお熱いことで」
「いえ、LEDなんで熱くないですよ?」
「そうか。これはわしが間違えたの。どうやってプロポーズするつもりなんだい?」
「まずはプラネタリウムのデートに行きましてね」
「ちょっとは光るのから離れられないのかい?」
「帰り道に言うんです。暗くなっても星が見えないね、って」
「プラネタリウム帰りにわざわざする会話じゃないね」
「でも、都会の星が見えないのは、空が汚れているから。人は便利な生活とともに豊かな心をなくしたのではないか」
「急にどうした?…いや、頭の電球は光ってないから確認しなくていい」
「え、今のでも光らないんですかい。こりゃあ一生光らないなあ」
「そう簡単に夢をあきらめちゃいけないよ」
「ご隠居やさしいですね。まぁ、こんな感じでいい雰囲気になると思うんで、プレゼントを渡すんです」
「何だい?」
「カラスよけのCDです。家に同じのがたくさんあって邪魔なんで」
「投票権欲しさにCD買うからそういうことになるんだ。そんな風に後先考えずにお金を使うから、泥棒なんてする羽目になるってもんだよ。そういう話くらい、お前さんなら分かってるんだろ?」
「よく分かる話です。おいら、どうしてもセンターになってほしいんです」
「そっちじゃないよ。電球の話だ」
「え、センターじゃなくてライトですか?」
「バカ野郎」
「ライトといえば、イチローですよね。でも、どっちかっていうと、おいら、サッカー派なんですよね」
「知らないよ」
「来年はW杯じゃないですか。絶対に寝不足になるから、今のうちに寝ておこっかなー」
「お前さん、用意周到なバカだね。寝るんだったら、牢屋で寝るかね?」
「え、でも兄貴から初犯は3回までセーフって聞いたんですけど」
「どこの国の人だ、お前さんの兄貴は。…まったく、しょうがない奴だねぇ。お前さん見ていると、本当に悪い奴とはとても思えないんだよ。若いんだし、未来ってもんもある。盗んだもの全部おいていくなら、今日だけは見逃してやらあ」
「ご隠居、どうもありがとうございます。こいつがないとプロポーズできないんですが、明るい未来を消すわけにはいかねぇ」
「いや、おしりの電球だけはいらねえや。上手いこと言った褒美にくれてやるよ」
「ご隠居、何から何までありがとうございます。お礼に『蛍の光』歌いますね」
「うるせぇ!いつまでもやさしくしていると思うな!いい加減に消えやがれ!」

そうして、『蛍の光』を口ずさみながら、おしりに電球を突っ込んだままプロポーズに向かった若い男。それをじっと見届けた老人はつぶやいた。

「やれやれ。やっと行ったかい。それにしても、懐中電灯を忘れるとは俺も年だな。さて、急がないと、そろそろこの家の主人が帰ってくる」

男から奪い取った電球を部屋につけ、老人は金庫の方へと向かっていった。

翌朝、その家の主人が真っ青な顔で叫んだ。
「ない!わしの大事なしずかちゃんの入浴切り抜き集がない!もうだめだ、お先真っ暗だ」

おあとがよろしいようで。


【ショートバージョン】
男が泥棒に入ったところを老人に見つかり、盗んだものをすべて返した。
しかし、その老人も泥棒で、その家の主人が大事にしていたものを盗んでいったのだった。

— tsunaさんとのコラボ企画です

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