ウミガメのスープ

ある占い師の戸惑い

作者: 枯れた植木

これはとある中世っぽい世界での話。

「僕……王都で働き始めたばかりの占い師です。でも結構腕はいいんですよ……?
でも最近ちょっと困ったことになって……おかしなお客さんが次々来るんです……
この間なんて、ちょっと口の悪い貴族のご子息らしきお客さんが来て……冒険者になりたいけど、どの街に行けば騎士が追ってこないかって聞いてきて……
いえ、それはいいんです……その人はふた月ほど前に来たっきりもう来てませんから……

最近たいした悩みも無いのに、何度も僕のところに占いに来るお客さんが増えているんです……
本当は欲しくもないペットを、犬と猫と小鳥、どれにしたらいいかと聞いてくるお客さん……
夕飯は魚料理にしたほうがいいのか、肉料理にしたほうがいいのかというお客さん……
おかしいですよね……? そんなこと、自分で決めればいいのに……

……すみません。お客さんにこんなことを言うのはおかしいですよね。
ではご相談をどうぞ…………え? はあ、この間トラブルに巻き込まれて……そうですか。結局家に連れ戻されてしまったんですね……
ふた月前と格好が違ったので気づきませんでした……はい。そんなことがないよう、今度は気をつけたいけれどどうしたらいいのか分からない、ですか……

……結果が出ました。あなたの夢がかなうかどうかは、どれだけの協力を得られるかどうかが鍵……一人では立ち向かえないことでも、仲間となら立ち向かえるでしょう。

…………ところで、なんで付け髭とかつらなんてしてるんです……?」

さて、こんな占い師の悩み事は何が原因なのでしょうか?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

困ったこととは、占い師自身がしたことによる結果ですか?

ある意味はそうですが、ほとんどの部分では外的要因によるものであって、彼女の自主的な行動によってもたらされたものではありません。

その占い師に生き別れた肉親など親しかった人はいますか?

占い師の出身はあまり関係がありません。ただし、彼女の占いと魔法の師である人物は多少かかわってきます。

いいえ

魔法の力が原因ですか?

いいえ、

いいえ

たいした悩みのない客は、何か勘違いをしていますか?

いいえ、勘違いをしていません。

いいえ

客は占って貰うのが目的で来ていますか?

いいえ、ちがいます。

いいえ

その原因は、占い師が変えることの出来ることですか?

いいえ、根本的原因は変えることができません。変えるようなものでもありません。

はい

客の性別に偏りはありますか?

はい。あります。

占い師の悩みごとは、占いや占い師(職業)に関することですか?

占いの客に関することです。

はい

占い師の容姿は関係ありますか?

はい。関係あります。

いいえ

師匠の占いの結果で客たちはここに来るようになったのでしょうか?

いいえ、客と師匠はあったことすらありません。

はい

客たちは占い師に会うことが目的で占いを頼みに来ていましたか?

はい。会うことが目的です。しかしそれはなぜでしょう。

いいえ

客たちは占い師に片思いをしていますか?

いいえ、片思いというか……

いいえ

ひょっとして、その客たち(おそらく女性)は王子のほうが目当てで占い師の下へ?

いいえ、客は王子(新人冒険者)がここに来ていることを知りません。

はい

占い師は女性ですか?

はい。一人称は僕ですが女性です。

いいえ

客たちは他の占い師の所にも通っていますか?

いいえ、通っていません。

占い師は客たちにとってアイドル的存在ですか?

惜しい!

いいえ

王子と他の客の目的は同じでしょうか?

いいえ、王子は普通に占い目的で来ました。ですが……「俺も他の客見たくここに通いたいかも……」なんて内心でつぶやいています。

いいえ

占いには動物を使っていますか?

いいえ、使っていません。

はい

占い師の服装は、ビキニか、似たような露出度が高いものですか?

はい。ボディコン(古っ)みたいな露出度が高いものです。

はい

占い師の恰好は客が来るのに関係ある?

はい、それはもう。

はい

客たちは占いしてもらいつつ鼻の下伸ばしてましたか?

はい。伸ばしまくってました。

答え

彼女は王都に着たばかりの占い師。まだ若いけれど腕のいい占い師である彼女は、占い以外では様々なことに鈍感なのが玉に瑕。ようは天然さんだったのです。

そんな彼女の悩みは、たいした相談事もないのに占いに来るお客さんが増えていること。
師匠が冗談交じりで与えたきわどい衣装を着て、彼女はぽよんぽよんの胸を自覚なしに見せびらかしながら仕事に励みます。
お客さんは、そんなぽよんぽよんの胸がお目当て。
もちろん彼らに悩みなんてあるわけないのですが、鈍感な彼女は気づきません。

「え……? 仲間にならないかって……?
はい、占いというのは魔法で因果を探るものですから……占いの腕がいいことは、例外もありますが魔法の腕もいいということですけど……
黒魔法……? 僕は白魔法のほうが得意です……十分、ですか……?

いえ、かまいません……僕、王都で占い師をやるのもちょっと疲れてきたところですから……冒険をするのも楽しそうです……
……あの、なんでそんな変な顔で笑ってるんです……?」

まったく分かっていない占い師に苦笑いをする王子。
一度目に会ったときにそのぽよんぽよんに目が釘付けになったのはいい思い出だ。
他の客もそうだったんだろうなと、占い師の愚痴を聞いたときにすぐに分かったわけである。だって男だし。

結局彼女は客が彼女のぽよんぽよんの胸を目当てに来ていたことを知らないまま、王子と一緒に旅に出ることにしたのでした。ぽよんぽよん。
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