ウミガメのスープ

かれの、ほんとうの しごと

作者: yan

私は、ずっと勘違いしてた。

それは、わずかな違いだけど、大きな違いだった。

だけど、彼は私の要求にずっと応え続けてくれた。

そして、今、彼は本来の仕事に戻ろうとしている。


かみさま、どうか、彼を守って。


状況を補完してください!

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

彼は人間ですか?

NO! 早速来ましたね!

はい

とりあえず 言葉遊びはありますか?

YES! 毎度ながら。

はい

彼の本来の仕事は彼を壊す可能性がありますか?

YES? 壊すというか、壊れる可能性があります

いいえ

彼は家電ですか?

NO! ですが…! ちょっと過大解釈すれば、家電も関係ありといえるかも

いいえ

かみさまがひらがななのに意味はありますか?

NO あまり意味はないかな?ただ、イメージ的に、彼女は…

「私」について特定すべきことはありますか?

YESNO 特定しなくてもOK。 ただし、勘違いしたことについてのヒントにはなるかもしれません

いいえ

彼は生物ですか?

NO! 現代の考え方では、生き物ではありません!

はい

私は子供ですか?

YES! まだ幼いです!

はい

昨日に引き続き、アンドロイド/ロボットなどは関係ありますか?

YES! バレちゃった!

はい

彼は「○○ロボット」のような名称で呼ばれていますか?

YES? 「通常は」そのように呼ばれていますが、そのタイプとしての俗称のようなものがありました。

「執事ロボット」だと思ってたら「羊ロボット」だったなんて!ですか?

うお! 近い!そんな感じです! …羊ロボ…寝るときによさそう

はい

核心戦う「battler」を執事の「butler」と勘違いしましたか?

YES! 解説に行きます!

はい

昨日のバトさん関係ありますか(´;ω;`)?

YES! バトラーだからバトさんです!

答え

「お嬢様!どうかこの中へお逃げ下さい!」

屋敷は大勢の兵士に囲まれていた。隣国の軍隊が攻めて来たのだ。
メイドタイプのアンドロイド -”メイ”と呼ばれていた- が、少女を地下室に押し込み、外から扉を閉める。

…静寂が訪れる。 少女は一人、地下室に取り残された。

”お仕事中のパパとママ、大丈夫かなぁ”
そんなことを考えながら、彼女はひざを抱えて、待っていた。

まだ幼く、そして何不自由なく育てられた彼女は、料理などできはしない。
地下室に冷凍庫や缶詰はあったが、何も手をつけられず、ひもじい思いをしていた。「おなかすいたなぁ…」

…いつの間にか、彼女は眠っていたらしい。 静寂を轟音が破り、彼女は驚いて目を覚ます。
地下室の扉に、一台のロボットが挟まっていた。

「…ふう。お嬢さん、この扉を開けてもらえるかい?」
「ああ、安心してくれ。私は味方だ。BAT008型、通称”バトラー(battler)”と呼ばれるタイプのアンドロイドだよ」

「バトラー(butler)?…ああ!執事ね!助かるわ!もう、私、おなかペコペコ!」
「…?言ってる意味がわからないが、要は栄養補給がしたいのだな?」

彼女がスイッチを押して扉を開けると、彼は立ち上がり、状況を把握した。

(ここは…貴族の屋敷のシェルターか…私の乗っていた輸送機は撃墜され、周囲は敵だらけだ)
(彼女の生存を最優先するならば、救難信号を出しつつ、ここで助けを待つのがよさそうだな)

「わたし、シチューが食べたいな!ねぇ、あなたお名前は?」
「…いや、特に個体名は決められていない」

「そう?じゃ、バトラーだから、バトって呼ぶね!」
「了解、好きに呼んでくれ、お嬢様。シチューなら、レシピさえあれば…ふむ、一通り揃っているな」

それからしばらく、二人だけの生活が始まった。
情勢はこう着状態にあるらしく、敵軍は撤退もしなければ、占領もされない状況だ。

本部からは、秘匿通信で指令が来た。
<現状を維持せよ。令嬢の生存を最優先。できる限りの世話はするように>
バトは戦闘用のロボではあったが、少女の要望になんとか応えていた。

奇妙な同棲生活が始まってから、1週間ほど過ぎた頃。
ガレキでカムフラージュしていた地下室の扉が、吹き飛ばされた。

「見つかったか…!せめて、ここに武器があればよかったのだが」
「やだ…!バト、こわいよぅ…」

「大丈夫…お嬢様。ここは私が守る。奥の部屋に隠れていてくれ」
「でも、バト…戦えるの?」 バトが人間だったら、苦笑していたことだろう。

「…お嬢様。実は私は、バトラー…格闘タイプのアンドロイドなんだ。執事ではないのだよ」
「ええっ!そうなの?なんで早く言ってくれなかったの?!」

「すまない。私も、キミが勘違いしている理由に気づくのに、3日かかってしまった。それで、間違いを正すタイミングを逸してしまった」
「早く奥へ!私なら大丈夫、たいていの敵にはやられはしない!墜落して、地下室の扉にぶつかっても大丈夫だったろう?」

少女は、彼を心配しつつ、奥の部屋に入った。 そして、祈り始める。

彼は、執事ロボットじゃなかったんだ。
でも、料理、おいしかった。お茶も、最初はマズかったけど、3日ですごく上手に入れれるようになった。

戦闘ロボだったなんて、びっくりしたけど…

かみさま。
どうか、彼を守ってください。

短いあいだだったけど、バトと一緒で、楽しかった。
また一緒に…ううん、一緒でなくてもいいから、彼が無事でありますように。


扉の外で、轟音が響いた…

— 彼は本来の姿に戻る 私のために

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