亀夫君問題

用心棒

作者: ゴトーレーベル

おれはゲンタっていう。この村の百姓だ。

昔から、俺たちの村には野武士どもが米や麦やらを狙って襲ってくることがときどきあった。
だがこれまでは、そりゃあ強えお方が村を守ってくれたんだ。


でも、ついさっきだ!賊が裏手の山のほうにうろついてるのをタヘイ爺さんが遠目に見たっていうんだ!
タヘイ爺さんが言うにゃ、昔この村を襲ったのと同じ奴に違いねえらしい!

しかも、さっき言った強えお方は半年前に亡くなっちまったんだ!
今この村には百姓しかいねえ。賊もそれを知ってのことにちがいねえや。

簡単にやられるつもりはねえ!あのお方が守ってくれた、この村の面目にかけてもな!
とにかく人を集めて迎え撃つぜ!

あんたらも、なにかいい知恵があったら教えてくれよ!

あともう一つ。
タヘイ爺さんが賊を見つける直前、血相変えたヒョーロク爺さんとすれ違ったんだそうだ。

ヒョーロク爺さんも賊を見たんじゃねえかと思うんだが……爺さん、どこ行っちまったのか、見つからねえ。そっちも気になる……

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

強えお方って、どんな人でしたか?簡単にでも教えてください。

ゲンタ「見上げるような大男よ。ここだけの話だが、ツラもそりゃあ怖かったなあ」  村人たち「おおい、そういう言い方はないだろ!」「ゲンタ、お前も世話になっただろうよ!」「そうだそうだ!」「お前がネションベン直らなかったときだ、あのお方は……」  ゲンタ「ああ、わかったわかった!言うなよ!」

つええお方の名前を教えて貰えますか?

名前……?あの方に名前なんかねえよ。

ヒョーロク爺さんは村中どこにもいないんですか?

今、使いをやって探してる。そろそろ戻ってくるころだがな。

ゲンタさん、こんにちは。つええお方はどうやって村を守ってくれたのでしょうか?

ゲンタ「ぶちのめすに決まってるじゃねえか。そりゃあ強かったぜ!」  村人たち「強いだけじゃねえ!」「そうだそうだ!」

その強いお方が亡くなってからの半年間は、村は平和だったのですか?

ああ。それは幸運だったな。

強えお方の家族は生きていますか?

あのお方に家族はいねえ。天涯孤独よ。

つええお方の死因は何でしょうか?

病だったな。あのお方はもっともっと長生きできるはずだったのによ。

どうして強えお方は亡くなったんでしょう?

さっき答えたぜ。

あなたたちの平均身長はどれくらいですか?

見りゃ分かんだろ。相応ってもんよ。

村の中に、つええ方と喋ったことのある方はいらっしゃいますか?もし居れば、どんな会話をしたか教えて頂けると幸いです

ゲンタ「村人みなあのお方とは話したことがあるぜ。みな、そりゃあ世話になったからな!」  村人たち「そうだそうだ!」「ガキのころ、転んで泣いてたら助け起こして泣き止むまで頭をなでてくれた」「俺もガキのころおっ母さんが死んだときにゃ、毎日うちに来て遊んでくれたよ」「お手玉を教えてくれた」

今、西暦何年でしたっけ。あと、ここはヨーロッパ?

なんだてめえ。頭はたしかか?ここは日本だよ。あっちこっちでサムライが戦さをしてやがる。

賊って一人でいたんですか?

ああ、そうだ。

強えお方って…人間ですか?

ゲンタ「いや……おおイタキチか!ヒョーロク爺いは見つかったか?!」  イタキチ「キュキュキュキューイ!みつからない!」  ゲンタ「しょうがねえな。もいっぺん行って来てくれよ!」  イタキチ「キュキュキュキューイ!イタチ使いの荒い百姓だ!」

すみません、記憶を失ってしまって。この国って誰が治めていますか?

ナントカいう殿様よ。

強いお方はどんな武器を使っていましたか? 刀? 鎖鎌? 素手?

素手よ。あのお方にゃ武器なんぞいらねえ。

ゲンタさんのネションベンエピソードの続きを。

おととい来いってんだ!!

賊ってのは「強えお方」(以下、「弱いお方」と呼ぶ)と同じくらいの大きさですか?

ああ、そうだ!

賊って本当に村を襲おうとしてるんですか?

実際、昔襲われたことがあるんだぜ!他になにがあるってんだ!

む?百姓であるゲンタさんのねしょんべんトークに関わるということは、強えお方って結構長寿な方だったんですか?

おれはまだ若いぜ!でもおれが生まれるずっと前からあのお方はこの村にいたんだ。

ヒョーロク爺さんって、変わり者だったりなんか噂ありました?

年寄りどもの言うことにゃ、あの方が村に来た時分には、うさんくさげな眼であのお方を見てたって話を聞いたことはある。でも聞いただけだな。

あなた方って人間じゃないですよね?

ケンカ売ってんのか!おれは人間だ! 人間じゃないのはあのお方だ!

ゲンタさん、もしかしてイタチと話せるんですか!?

ありゃあ、本物のイタチじゃねえ。イタチの物の怪、イタキチよ。この近くに住んでて、ときどきは用足しを頼んだりするんだ。イタキチやあのお方もそうだが、このあたりには物の怪もちょいちょい出るんだ。

18 単純にうろついてるだけっていう可能性はないんですか?

どうやって確かめるんだ?まあ行ってみればわかる。ただ、昔来たときはここらの家を壊したり暴れ回ったらしいからな。よっぽどのことがないと信じないぜ。

あのお方って強えお方ですか?

そうよ。

強いお方って、何歳くらいでしたか?

わからんなあ。さっき言った通り、あのお方は物の怪だからな。

つええ方って鬼ですか?

ああ、そうだよ。

ヒョーロク爺さんってどんな人ですか?

さっき答えた以上のことは特にねえ。ふつうの爺さんだ。

賊も物の怪ですか?

そうだ。

賊ってのの仲間に、サル・雉・犬はいないんですか?

さっきから変なことばっかり言うやつだな。犬をけしかけんぞ!

あのお方は赤くて、賊は青い鬼でしたか?

そうだ。だったらどうなんだ?

ところで川に洗濯にでも行きませんか?

それどころじゃねえ!

賊も鬼ですか?

そうだ。

確認しますけど、治めているのは天皇陛下ではないんですか?

わんわんわんわん (質問者を犬が追いかけていく)

核心赤い鬼さんから、古い友人の話を聞いたことはありませんか?

ゲンタ「どういうこった?」  イタキチ「キュキュキュキューイ!ヒョーロク爺い見つけた!赤鬼の家にいた!」  ヒョーロク爺「おーい、お前ら!ちょっと待て!この文を見るんじゃ!」

30 賊は村を襲う演技をして、つええ方の信頼をあげているのでは?

あのお方はもう死んでるぜ。。それは昔の話か?

核心泣いた赤鬼の話って知らないんですけど、大丈夫ですかね?

キキキキキー (質問者を猿が追いかけていく)

タヘイ爺さんとお話は出来ますか? ヒョーロク爺さんの様子を聞きたいです。

タヘイ爺さん、さっき言ったことしか知らねえぞ。

核心泣いた赤鬼って話知ってます?

なんだ、そりゃ?

強えお方は、毎回相手をぶちのめしていたようですが、相手は毎回大怪我をしていたんですか?

野武士どもに手加減はいらねえだろ。

答え

【要約】
亡くなった用心棒は「泣いた赤鬼」の赤鬼。
賊はその死を知ってやってきた青鬼。
ヒョーロク爺さんは赤鬼と青鬼の芝居のことをひょんなことから知っており、
村人に青鬼を攻撃させないため、証拠となる置き文(青鬼の家に張ってあったもの)を取りに行っていた。

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わしが平六ですじゃ。みなにはヒョーロク爺いと呼ばれとりますがのう。

昔の話じゃ。わしがまだ若者……いや、子供といっていい歳のころ。

赤鬼どのが、暴れまわっていた賊を……青鬼どのことじゃの……打ち倒して追っ払ったすぐあとのことじゃ。

そのときわしは道に迷って村はずれに出てしもうての。そこであばら家を見つけたんじゃ。

見れば張り紙がしてあった。

読んでみると、青鬼どのから赤鬼どのへの置き文じゃった。

どうしても赤鬼どのがそのころの村人に受け入れられなんだので、一芝居打ったのだとわかった。

そこへ赤鬼どのがやってきて、わしはあわてて隠れたんじゃが……
赤鬼どのは文を読んで、おいおい泣き崩れておった。
それから、文をはがして持って帰って行ったんじゃ。


それからは、赤鬼どのはこの村の恩人としてとけこみ、村のために尽くしてくれた。
皆も言っておったろう?

じゃが、最初はわしは半信半疑じゃったわい。そりゃそうじゃろう、芝居のことを知ってたんじゃからな。
だからこの文のありかはこっそりいつも確かめておったんじゃ。
いざというときの動かぬ証拠じゃからな。
いつも同じ場所に、大事にしまってあったがのう。


結局はもちろん、要らぬ心配であったよ。
ほんとうに、最期まで、赤鬼どのを村人みなが慕っておった。


今日青鬼どのを見て、わしはすぐにわかったんじゃ。
赤鬼どのが亡くなったのを知って、墓にでも参ろうとしてやってきたのじゃないか、とな。

青鬼どのを傷つけてはならぬ。
だから赤鬼どのの家に走って、この文を持ってきたわけじゃ。

おのおの方のご助力には感謝する。
わしが来るまでの時を稼いでくださることになったようじゃからな。


青鬼どの?
いまは赤鬼どのの墓参りに行っておる。

文も色あせ、ぼろぼろになっておったが、拾い読みするだけでも昔の事情は村の者にもわかってもらえたようじゃわい。
ずいぶん時は経ってしまったが、青鬼どのと和解ができたのはよかったことじゃ。

村の者が赤鬼どのに世話になったことを口々に話すのを聞いて、青鬼どのは涙を流して「そうか、そうか。よかったのう、よかったのう」と喜んでおった。


これが文じゃ。
ふしぎなことじゃが、おしまいのところだけは今でも、きのう書いたようにはっきりしておる。
ほら……

「いつまでも きみのともだち あおおに」

— ちょっと風変わりな亀夫君……かな?

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