ウミガメのスープ

【ラテクエ 12.5】 捨てたもんじゃない

作者: ディダムズ

スーツを着た男が、焚火に封筒を投げ込んだ。
それを見ていた老人は、男に歩み寄り、被っていた帽子を手渡した。

一体なぜ?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

スーツの男は涼やかな髪型ですか?

関係ない

はい

封筒の中身は重要ですか?

YES

答え

ここは亀ヶ原樹海、自殺の名所。
風景と似合わないスーツを着た男が、死に場所を求めて彷徨っていました。
夢も希望も失ったそのポケットには、白い封筒が1つ。
俯きながら歩く男がふと顔をあげると、前から老人がやってくるのが目に入りました。

「そんなに急ぐこともなかろう。」

声をかけられた男は、黙って立ち止まりました。

「秋の森は冷える。火を起こすから、この老いぼれに話だけでも聞かせてくれんか。」

老人は男の返事も聞かずに、落ち葉を集めて焚火を始めました。
男は見ず知らずの老人に何か感じるところがあったのか、止めてくれる人を求めていたのか、ぽつりぽつりと語り始めました。
経営していた店が倒産したこと、多額の借金を背負ったこと・・・

老人は静かに男の話を聞くと、男のポケットに目を向け、言いました。

「私に君の決意を否定する権利はない。だが、その遺書を読ませたい相手がいるのなら、
 その人にもう一度会って話をしてからでも、遅くないのではないかな。」

男は、しばし考え込んだ後、封筒を焚火へと投げ入れました。

老人は穏やかにうなずき、男へ歩み寄ると、被っていた帽子を手渡しました。

「ここに私の連絡先が書いてある。またここへ来たくなったら連絡してくれ。では、行こうか。」

火を消すと、二人は森の中へと消えて行きました。

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