偽りの輝き
目を奪う輝き。
艶やかなる光
それは偽りの煌き。
紛うことなき贋作。
濁らざる模倣の品。
しかし今や、その偽りこそが稀少なのだ。
一体何だろうか?
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
それは美術品ですか?
NO それは美術品ではありませんでした。
「輝き」は比喩ですか?
NO それは実際に輝くものでした。
貴金属ですか?
NO それは貴金属ではありませんでした。
宝石ですか?
NO それは宝石ではありませんでした。
長串望さんの自宅にそれはありますか?
NO 今確認しましたが、ありませんでした。
食品ですか?
YES その通りです。
がんもどきなどの「もどき」ですか?
YES でしょうか。もどきといえるでしょう。
わらびもちですか?
NO わらびもちではありませんでした。
魚卵ですか?
NO それは魚卵ではありませんでした。
代用品・・・片栗粉ですか?
NO それは片栗粉ではありませんでした。
魚肉ソーセージですか?
NO それは魚肉ソーセージではありませんでした。
それは加工せずに食べられるものですか?
YES それは加工せずに食べられるものでした。
偽りでない、本物の方も今では稀少ですか?
NO 本物の方は最近はそれほど稀少でもありません。とはいえいつもどこでも見かけるというわけでもありませんが。
動物からつくられる食品ですか?
NO 動物から作られる食品ではありませんでした。
養殖と天然ですか?
NO 養殖ものではありませんでした。
玄米ですか?
NO 玄米ではありませんでした。
輝きとは光を反射しやすいということですか?
YES 光を反射しやすいものでした。わかりやすく言えばキラキラしていました。
偽りの方が希少になったのは、それに何か問題が起こったからですか?
NO それが稀少になったのは、それ自体に問題があったからではありませんでした。
野菜ですか?
NO 野菜ではありませんでした。
飲み物ですか?
NO それは飲み物ではありませんでした。
ホタルイカですか?
NO それはホタルイカではありませんでした。ところでホタルイカの偽物は見たことがないのですが、美味しいのでしょうか?
果物ですか?
NO 果物ではありませんでした。
いえ、希少、蛍、ホタルイカという謎の連想の結果言ってしまっただけで名前が似てるだけで偽者も何もありませんでしたね。ところで代用品は加工品ですか?
なるほど。 NO ですかね。加工品というよりは化学的に生産されていました。
異性化糖ですか?
NO えーと、ジャガイモなどのでんぷんを基にした糖ではありませんでした。
日本独自の食べ物ですか?
YES 外国にもあるのかもしれませんが、もともと日本が発明したコピー食品で、流通も日本が主だと思われます。
海でとれますか?
NO 23より海では取れません。オリジナルの方が、という意味でしたらとれますが。
陸でとれますか?
NO 23より陸で取れません。化学的に生産されています。原料はちょっとわかりますが。
オリジナルのものは海藻ですか?
NO オリジナルのものは海藻ではありませんでした。しかし、海で取れるものでした。
それは生き物ですか?
NO 23より、それは生き物ではありませんでした。化学的に生産されたものでした。
塩でしょうか
NO それは塩ではありませんでした。
代用品は粉状ですか?
NO 代用品はオリジナルとほぼ全く同じ姿をしていました。
かにかまぼこですか?加工品だけど
NO カニ蒲鉾ではありませんでした。しかしコピー食品というくくりとしては正しいですね。
今までに、オリジナルとつけなかったためにNOと答えたけれどもオリジナルとしては正しかった質問はありましたか?
YES ちょっとどう弁解していいのかわかりませんが、その通りです。オリジナルとしては正しいものがありました。誤解された皆様申し訳ありませんでした。
オリジナルは果物ですか?
NO オリジナルは果物ではありませんでした。
オリジナルは野菜ですか?
NO オリジナルは野菜ではありませんでした。
オリジナルはイクラですか?
YES その通りです。オリジナルはイクラでした。つまり問題の答えは?
核心人工イクラですか?
YES その通りです。解説に参りましょう。
答え
日本に来て早五年になる。
食道楽の上司に変わったものをご馳走してやると言われ、
のこののついて行った先で出されたのはイクラ丼。
確かに美味しいし文句はないのだが珍しいとはどういうことだろう。
「これはな、一時期はやった人工イクラなのだ!」
なんと。
小さなカプセルにサラダ油と海藻エキスを主原料とした中身を詰めたものらしい。
食べてみたが本物と区別がつかない。
むしろ粒もそろって味も均一だから、下手なイクラよりおいしいかもしれない。
見分け方は、お湯をかけると天然ものは濁るけれど、こちらは濁らない。
イクラが高価だったころは安く粒もそろった人工イクラはよく使われていた。
けれどロシア産のイクラが安く輸入され、今ではあまり使われていないそうだ。
さすが日本。
食い物にかける情熱が一味違う。
人工イクラ丼のプチプチした食感と味わいを楽しむステイガーであった。
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お疲れ様でした。
ステイガーの日本食歩記4~人工イクラ編~、如何でしたでしょうか?
問題は小粒に、中身の伴わない飾り言葉の中に真実を詰めました。
食品であること、コピー食品であること、そして輝くということ。
現在は安い輸入品が出回っているため、むしろ人工イクラの方が少ないこと。
それらが問題文の中に潜んでいました。
魚卵、とお答えいただいた時点で本来はほとんど決まっておりました。
私の回答が皆様を混乱させたこと、深くお詫び申し上げます。
それではまたお会いいたしましょう。
— 貴重な偽物の話。難易度は中。
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