ウミガメのスープ

生贄の台座

作者: 長串望

男は耐えられなかった。
やるしかなかったのだ。
男はわずかに震える手でマッチを擦った。

火はじりじりと熱を増し、彼女の体は焼かれていく。
彼女のお腹には子供もいるというのに……。

コトが終わった後、男はどこかほろ苦い感覚を覚えていた。
そしてそれに掻き立てられるような、得も言われぬ快感……。

杯に残った酒を飲み干すと、それさえも洗い流されていった。


一体何があったのだろう? 状況を補完してください。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

男と彼女は恋人同士でしたか?

NO 男と彼女は恋人同士ではありませんでした。

△

火あぶりですか?

YES 彼女が火であぶられたのは確かです。が、魔女狩りをイメージしておいでであれば、NOです。

はい

核心彼女は子持ちシシャモですか?

YES 彼女は子持ちシシャモでした。それでは解説に参りましょう。

★
いいえ

彼女は人間ですか?

NO 彼女は人間ではありませんでした。

はい

ほろ苦い感覚=焦げた部分の苦い味、ですか?

YES 焼いた魚には付き物の苦みです。あれがないと物足りないですね。

答え

父親に勘当され、居場所もなくしたユダヤ教徒ステイガー。
こうなりゃいっそ、ユダヤ教をやめちまおう。
そしてジャポンへ行ってイカを食おう。
不信心極まりない男である。

日本で過ごして早三年。
イカ以外にもうまいものがたくさんあることを知った。

そうだ、もう耐えられない。
異国の酒でほろ酔い気分のステイガー、ふらりふらりとベランダへ。
七輪に子持ちシシャモを並べて、二本にも三本にも増えるマッチを擦った。

子持ちシシャモはぱちぱち炙られた。
お腹にぎっしり詰まった卵たちのうまさを思い出して生唾一つ。

むしゃりむしゃりとシシャモをほおばると、
焼いた魚特有のほろ苦さと、そしてたまらないうまさが駆け抜ける。

そこに日本酒をきゅーっ……。

くはっ、たまらない。

変な後味も残さず、さっぱりとした酒の味。
今日もうまいものを地に満たしてくれた神に感謝するのだった。


____________________
お疲れ様でした。
生贄の台座改めステイガーの日本食歩記~子持ちシシャモ編~、如何でしたでしょうか?

問題自体は極めてシンプルに、甘塩程度のミスリードで焼き上げました。

説明すべきミスリードはありません。

食べ慣れた皆様には、一口二口で完食いただけたようですね。

それではまたお会いいたしましょう。

— 子持ちの彼女を焼いてしまう話。難易度は下。

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