空腹という名の希望
そしてそれは、男に希望をもたらしていた。
一体どういうことだろう?
※要知識問題です
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
空腹は最高の調味料ですか?
Yesno。
男以外に重要なキャラはいますか?
No。
この後なにかを食べますか?
No!
現代日本で成立しますか?
No。
カニバリますか?
No。
非現実要素はありますか?
Yes!
空腹を感じられたことが男にとっての幸せでしたか?
No。
男の設定は30歳・人間・健康状態良好(空腹除く)で成り立ちますか?
No!
自分がまだ生きていることを感じられるからですか?
No!
空腹を覚えていた、とは今の時点でお腹が空いているということですか?
Yes。
男は過去に「空腹のはずなのに空腹感が感じられない」経験をしたことがありますか?
Yesno。
男は遭難していますか?
ある意味Yes。
男は人間ですか?
Yes。
今まで男は食いしん坊で暇になったらすぐに食べていたため空腹を感じなくなっていき、太ってしまったのでダイエットに励むために無駄に食べないようにしていたら、空腹を感じるようになりましたか?
No。
男はこのあと死にますか?
No!
男はロボットだけれど人間の体のような機能を追加されることで空腹を感じるようになり、自分が人間のようになれたことを喜びましたか?
No。
「空腹を覚えていた」=「今現在空腹である」であってますか?
Yes。
何も食べなくても行きていける身体になって嬉しいですか?
No!
男がいる場所がどこであるかは重要ですか?
Yes!
男は高齢ですか?
No。
男は実はすでに死んでいますか?
Yes!
満腹であったら希望を持ってましたか?
No。
男は天国でも空腹を覚えたので、「天国でも食事が楽しめる!」と喜びましたか?
No。
幽霊になった男は、まだ空腹を感じることで、自分にはまだ人間らしい感性が残ってると感じていますか?
No。
転生は関係ありますか?
No。
男は死んだ後に他の人間の身体に取り憑いて空腹を覚えましたか?
No。
男が生前どんな人物であったかは重要ですか?
No。
男はまだこの世にいますか?
No!
19より 男がいる場所は天国または地獄ですか?
No。
現在ゾンビパニック進行中でゾンビになった男は空腹を覚えることで憎い相手を食い殺してやると思ってますか?
No。
男は三途の川を渡っている最中ですか?
No。
4より 舞台は未来の日本ですか?
No。
生前食人嗜好があった男は閻魔の前で空腹を覚えて、閻魔を食い殺そうと襲い掛かりますか?
No。
3より 空腹を感じた男は何か食べたいと思っていますか?
Yes。
29より、天国・地獄ではないというのは他の言い方のあの世(霊界・煉獄・冥界・ニヴルヘイムなど)を含めても答えは同じですか?
No。成り立つ場合と成り立たない場合があります。
タイムスリップ要素はありますか?
No。
男が死んでからどのくらい経ったかは重要ですか?
Yes! 死んでから時間はさほど経っていません。
男が死んだ場所がどこであるかは重要ですか?
No。
男は臨死状態ですか?
Yes! そういった方がいいでしょう。
男は自分が死んだことに気がついていますか?
Yes。
宗教は関係ありますか?
No。
39 男は臨死状態であり、空腹を覚えているということはまだ元の身体に戻って生き返れると思って喜んでいますか?
一部Yes。
35より、男は六道の一つ「餓鬼道」にいきましたか?
No。
男は自身の死に気付き、空腹を覚えているということは何かを食したいというこの世に未練があるということなので、死後無に帰ると信仰している男はまだ消えなくて済むと希望を持ちましたか?
No。
男は生き返りますか?
YesともNoとも言えます。
3,34より 男は食べ物を食べたいが、死んでいるために食べられないのですか?
No。
男が「空腹を覚えた」のではなく「痛みを感じた」としても成立しますか?
No。
男の希望は生き返れそうということですか?
Yes!
男がなぜ臨死状態になったのか、特定は重要ですか?
No。
問題文中の「それ」とは、男が空腹を覚えていたことですか?
Yes。
要知識なのは、死後の世界に対する特定の説についての知識ですか?
Yes!
男の死因は重要ですか?
No。
51より その説は「死んだ直後に空腹を感じたら生き返る可能性がある」というものですか?
No。
空腹を覚えたこと自体は男にとって辛いことでしたか?
No。
核心空腹=おなかが空っぽ=死後の世界のものを食べていないので、黄泉がえりできる可能性がありますか?
Yes! ご名答!
答え
気が付くと男は知らない場所に立っていた。
辺りを見回してみても、自分の記憶にこのような風景はない。
鬱蒼と生える樹木、舗装という概念を感じない土の道。
本当に突然だった。いきなりこの場所が現れた、そう言ってもいい。
先ほどのセリフが出てきたのも無理ないと言えるだろう。
戸惑いの理由を考え、次に浮かんだのは直前の状況。
「確か俺は……」
そうだ、思い出した。自分は道路にいたのだ。
遅刻しそうになって、急いでいて、それから……
「ッ!?」
そうだ、思い出した。直前の視界を。
こちらに向かってくるトラック。しかもそれなりのスピードで。
そしてそれが限りなく近くなって、そして。
ここにいる。
「俺は……死んだのか?」
直前の記憶と現在の状況、二つの点を結ぶ最も自然な答え。
そう考えると、自ずとここがどこだかが理解できる。
言わば「死後の世界」だろう、と。
そこまで分かってから落胆するまで、そう時間は掛からなかった。
そんな状況に相応しくない感覚が、男の脳に現れる。空腹であった。
死んだというのに腹は減るんだな。
そういえば朝から何も食べてなかったもんな。
なぜだか滑稽に思え、口から乾いた笑いが出る。
さてどうしようか、そう思った矢先だった。
風景の一部でしかなかった樹木に実った果実を見付けたのは。
やはりその果実に見覚えはなかったが、美味しそうに見える。
それは空腹の所為だったのかもしれない。
欠けた欲求を満たすため、男が手を伸ばした、その時だった。
一つの単語が男の脳裏を過る。
「ヨモツヘグイ」
漢字では「黄泉竈食」「黄泉戸喫」と書かれ、「ヨモツヘグリ」ともいう。
あの世である黄泉の食べ物を口にする行為を指す言葉だ。
さて、そうなってしまうとどうなるか。
簡単に言えば、あの世の住人になってしまうのである。
これは同時に、もう生き返ることができなくなってしまう状況にもなる。
現代の葬式でも、棺の中に飯を入れる場合がある。
魂と一緒にあの世へ送り、あの世で食べることで、生き返らないようにするためだという説がある。
伸ばした手を止め、そして元に戻す。
ここで口にしてしまえば、もう戻ることはできない。
本当に自分は死んでしまったのか、それすら疑い始める。
そうだ、自分はまだ死んでいない。そう思えるようになってきた。
未だに収まらない空腹、それがどうした。
戻ったらもっと美味いものを食べてやるさ。
「空腹」を抱えて、戻るという「希望」を抱き、男は歩き始めた。
— 気付いたら1年経ってました。
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