本当です。でも、嘘です。 [一品目 どうぞ召し上がれ]
ローマにある、海神トリトーネの顔が彫刻された石造の円盤。
偽りの心を持つ人が海神の口に手を差し込むと、手が抜けなくなる、
あるいは手首が切り落とされるという伝説がある。
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カメオは、記憶にない立方体の中で目を覚ました。
部屋には扉が一つあったが、鍵が掛かっていた。
扉には機械的な文字で
『ここは「真実の口」を元に作られた。真実を口にすれば、扉は開く。』
と書かれた張り紙があった。
カメオはすぐにトートロジー(※)を思い出し、『私は私だ!』と叫んだ。
しかし扉は固く閉ざされたままだった。
一体何故?
※ トートロジー (tautology)
(修辞法) 同語反復。
(論理学) 恒真式。常に真である命題。
例: 「わたしはわたし」「あなたはあなた」「ラテシンはラテシン」
【この問題の作成に当たり、春雨さんにご協力いただきました。
改めて厚く御礼申し上げます。】
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
「真実」と口にしなければいけませんでしたか?
NO その発想はありませんでした。
その張り紙に書かれていること自体は真実でしたか?
YES
『口にする』というのは、『喋る』ということですか?
YES
カメオは「私は私」でなくなっていましたか?
NO ※ミスリード注意
( ゚w゚)もぐもぐ・・・・・まみ(真実)さんをカニバれば良いのですよ?
NO 当店では扱っておりません。
張り紙の真実と書いてあるところを破ってむしゃむしゃ口にしますか?
NO ヤギらない。
真実さんを口にする、つまりカニバらねばならないということですか?
NO カニバらない。
そばにいる真実ちゃんをカニバル必要がありますか?
NO カニバらない。
とりあえず、カニバリますか?
NO 今日は、カニバりません。
真実の口はマンホールのフタですか?
YES ただし関係はありません。
カメオの一人称は私ですか?
YES このカメオは私派です。
「私はカメオだ!」と言うべきでしたか?
YES それであれば扉は開きました。
立方体であることは重要ですか?
NO
「口」は「くち」と読みますか?
YES
真実の口はAIですか?
YES そう取っていただいて構いません。
本当の事を言っていないから、扉が開かなかったのですか?
YES/NO 「本当であり、嘘でもあった」ためです
カメオの発言は真実でしたか?
YES/NO カメオにとっては真実でした ※ミスリード注意
「私は私」が偽だったために扉は開きませんでしたか?
YES 偽、または判定不能となりました。
「真実を口にすれば」とは「正しい事を発言すれば」の意味ですか?
YES
固有名詞を口にしなければ開きませんか?
NO
カメオは偽りの心を持っていましたか?
NO 心は関係ございません。
私≠私だ ですか?
YES その理由をお考えください。
私は男だ! と言ったら扉は開きますか?
YES カメオは男なので、開きます。
扉に組み込まれたコンピュータがエラーを起こしますか?
NO 正常に稼働していました。
判定者はカメオの意図を正確に読み取ることが出来ましたか?
NO
私は「私」と言う名前ではないため、不一致と言う事ですか?
NO どちらも「カメオ」のことを指していることは理解していました。
カメオは滑舌が悪く、「わたしはわたしだ」が「わたしわーたしだ」になってしまったので、真実と判定してもらえなかったですか?
NO 滑舌は大丈夫でした。
日本語で言いましたか?
YES ただし言語は関係ありません。
「わたしはわたくしだ」と言いましたか?
NO 「わたし は わたし だ」でした。
私という名前の人がいましたか?
NO どちらもいま部屋にいる「カメオ」を指していることは理解していました。
わたくし≠わたしですか?
NO
カメオは自分の名前を思い出せる状態ですか?
YES 間違いなくカメオはカメオでした。
私(わたし)は私(わたくし)だ! と言いましたか?
NO ただしどちらでも構いません。
うまく口が回らなくて「わたしはタワシだ!」と叫んでいましたか?
NO 亀の子ではありませんでした。
カメオがそんな場所にいた理由は重要ですか?
NO
機械が判定しましたか?
YES
watashi[ha
NO
カメオはこれまで自分のことを「私」と自称したことがありましたか?
YES 面接で......
カメオが言った言葉がトートロジーだったことは重要ですか?
YES ある意味で。「私はカメオだ」であれば問題ありませんでした。
「私は私だ」は「私以外私じゃないの」を否定する論理ではないからですか?
NO あくまで「私は私だ」の中に問題がありました。
判定者はカメオが自らの名前が「わたし」であると主張していると思いましたか?
NO どちらも部屋の中のカメオを指していることは理解していました。
カメオ以外に重要人物はいますか?
NO
私とはコンピューターを指しますか?
NO カメオでした。
「わたしわわたしだ」ですか?
YES 発音は、その通りです。
言葉遊びはありますか?
NO
苗字は私さんで、私田さんと間違われましたか?
NO
カメオは「はをわ」と発音しましたか?
YES ただし、そこは問題ではありませんでした。
「わたしわ」は「たし」だ……と判断されてしまい、偽となってしまったため、扉が開きませんでしたか?
NO
「わたしはわたしだ」の「は」がわという発音のため、「わたしわ は たしだ」 と誤認されてしまいましたか?
NO システムの認識も「わたし は わたし だ」でした
僕は僕だ でも成立しますか?
YES
は と わ の区別がうまくされませんでしたか?
NO
判定者は「わたし は わたしだ」ではなく「わたしは は たしだ」というふうに,「WA」の発音を誤認識しましたか?
NO
僕は僕だ!なら扉は開きましたか?
NO
私は綿師でしたか?
NO
カメオの一人称は「私」ですか?
YES
「私は私」なら扉が開きましたか?
NO
正しくいえてるけど、カメオは出入り禁止だったのですか?
NO ネタ的な意味で良質とします。
カメオは「Iam My」と言ったので『I=My』は成立しませんと注意されましたか?
NO
核心時間を考えると、その時間の私と、次の「私」を言った瞬間の私は同一とは言えないからですか?
YES 正解です。
クローンは関係ありますか?
NO
鍵は開いたけど扉が閉まったままでしたか?
NO
私=私だ⇒私=私だだ⇒・・・⇒私だだだだだ……となり、コンピューターの処理が追いつかなくなりましたか?
NO
答え
扉が開かなかったのは、カメオとシステムの解釈が異なったことが原因でした。
考え方のキーとなるのが「時間経過」ないし「時間差」です。
初めに「私」(K1) を口にしてから、次の「私」(K2) を口にするまでには、少し時間がありました。
その間に生じた変化により、K1 と K2 の指す「カメオ」が「やや違うもの」になりました。
真偽判別システムはこれを考慮して、カメオの発言を嘘あるいは判定不能としました。
やや数学的な補足:
「わたし」を時々刻々変化する関数 I(t) とします。ここで、t は時刻です。
カメオは、関数自体は変化しないと考え、I は I であると主張しました。
しかし、システムは発音の時刻を考慮し「 "I(t) = I(t + Δt)" ではない 」と判定しました。
カメオは関数を、システムは値を見ていた、ということです。
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