彼女からの電話を切った僕は、どきどきする胸を押さえつつ、丹念に部屋を掃除した。続いて、彼女の好きな料理をいっぱい作る。
そして、仕上げとばかりに、ひたすらメール画面に文字を打ち込み始めた。
どういうことだろう。
【ウミガメ】【闇スープ】

彼女と僕は恋人同士ですか?

yes! [良い質問]

心臓は関係してますか?

no!

彼女は僕の恋人ですか?

yes! [良い質問]

メールはその後送信されますか?

no! [良い質問]

彼女は人間ですか?

yes!

彼女・僕以外に登場人物はいますか?

yes? 解説に直接の登場はしませんが、なくてはならない重要人物がいます! [良い質問]

メール画面に文字を打ち込んだのは彼女にメールを送るためですか?

no!

予測変換で浮気がバレないように工作しますか?

う…正解です! [正解]

「僕」は浮気をしていますか?

yes! [良い質問]

彼女が家に来るときに、浮気相手が同時に家に来ないようにメールを打ちますか?

no!

>ヒント 掃除は証拠隠滅、料理は匂い消しますか?

yes!完璧です。m(__)m [正解]

カニバリますか?

no!さすがにその一線は超えなかったようです笑

掃除は床に落ちた浮気相手の髪の毛を隠しますか?

yes! [正解]
焦った僕は、浮気の痕跡を消すため、部屋を素早く、徹底的に磨きあげた。
しかし、浮気相手の香水の匂いを消すため、消臭スプレーをしただけでは、却って清浄すぎる空気に気づかれるおそれがある。そこで僕は、ご機嫌とりも兼ねて料理を作り、その匂いでごまかすことにした。幸い、彼女の好きな料理は匂いの強いものが多かった。
掃除と料理が終わり、彼女の到着まであと十五分。
ほっと一息ついた僕は、非常にまずいことに気がついた。
(メールの予測変換……)
先ほどの電話の流れからすれば、ほぼ間違いなく、彼女は僕に携帯電話の提示を求めるだろう。
メール等は削除すれば問題ない。しかし、予測変換を完全に削除などすれば、怪しんでくださいと言っているようなものである。
とりあえず、『あ』と打ち込んでみた。『愛してる』が出た。まあ、これは彼女にもメールで言っていることなので。
次に、『か』。すると、出てきた言葉は、『彼女いないから』『彼女出張だから』、さらには、『か』から始まる浮気相手の名前を含んだ文がずらり。
慌てた僕は、ひたすら思いつく限りの『か』から始まる言葉をメールに打ち込み、予測変換欄からまずい言葉を排除した。