20の扉

No184 「赤箱」

作者: Ailis

やあ。科学者だ。
さて、本題に入ろう。
一つの赤い箱がある。
これには、一人の少女の意志が宿っている。
君たちには、この箱の少女の名前を突き止めてほしい。
理由は聞かないでくれ。
………箱にはなんでも質問できる。
が、あいつはあることに関わる質問には、嘘をつくことに留意してくれ。
じゃあ、頼んだよ。

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

あなたにはなんでも質問できるそうですが,回答がYESNO以外になる質問でも回答してもらえますか?

大丈夫、だよ。

あなたは自分の年齢がわかりますか?

うん。数えで、8だよ。

この少女は死んでいますか?

わかんない………わたし死んでるの?

少女さん、あなたは(自分の意思で)「自分の名前を言いたくない」状態なの?

言いたくないの。だから、当ててほしいの。

あなたの名前を教えてください。

だめ。教えたく、ない。

箱の大きさはわかりますか?

科「1.5m×1.5m×1.5mの立方体だ。」

あなたは日本人?そもそも出身がわかったら教えて。

うん。日本生まれ。

あなたには誰か、結婚した相手はいるのかな?

いないよ。それに、けっこんはまだずっと先だよ?

あなたの生まれた場所は京都かな?

ごめんなさい。おぼえてません………

生年月日は言える?

2030年の、10月3日だったよ。

あなたに最近の記憶はあるのかな? 例えば、怖い大人がいっぱいあなたの周りで騒いでた憶えとか、ない?

ある…よ。こわい大人の人が、わたしを車にのせようとしてた。

例えばあなたの名前が「カメコ」だったとしても,やっぱり「名前を言いたくない」と思いましたか?

うん。………それに、あの人がもし………ううん、なんでもないよ。

11 その車について覚えていることを教えてください。色とか、形とか、飾りとか。

うと、赤くて、まどがまっくろだった………と思う。

12 その人は、あなたにとって大切な人なのかな?

し、しらないよ。さっきのはくいの人はたぶんしらない人だよ!

12.あの人さえ居なければ名前を言うことに問題はありませんか?

だめ。こわいの。はくいの人がほんとうにそうだったら………って思うと。だから、あの人にはいてほしい。

14 でも、似てたの?

うん。で、でも、べつの人だとおもうよ。

科学者さん、あなたの年齢や体格、服装、ルックス等について詳しく説明していただけますか?

科「1999年生まれの38歳。身長は169cm、今は白衣を着ている。ルックスは………中の下というところかな。」

科学者さん、あなたは回答で嘘はつきませんよね?

科「ああ。私は嘘をつかんぞ。」

科学者さんの研究所には、他にどんな研究者の方、従業員の方がいらっしゃいますか?

科「量子力学から有機科学まで、大体の研究者がいる。だが、この部屋には私と箱しかない。」

科学者さん、あなたのフルネームは何ですか?

科「伊藤和葉だ。」

11 あなた(箱)が車に乗せられようとした直前の状況について、差し支えない程度に詳しく説明してもらえるかな? あなたがどこにいたとか、何をしていたとか、誰と一緒にいたとか……もしかしたら「白衣の人」が関係してたりしない?

こうえんで遊んでたら、しらない人に車にのせられたの。妹といっしょだった。あ、はくいの人は関係ないよ。

21 と箱は供述していますが。科学者さん、あなたの側では彼女が車に乗せられた(もしくは、あなた自身が乗せた?)直前の状況をどのように把握してらっしゃいますか?

科「………公園で妹と一緒に遊んでいたら、何者かに車に乗せられた。これぐらいしか知らん。」

妹さんの事について教えてもらえるかな? 名前とか、年齢とか、外観とか……それと、公園で遊んでたって事は、妹さんに公園まで運んでもらったの?

名まえ……ゆり。としは、わたしといっしょ。で、わたしとそっくりなんだよ!………ううん。いっしょにこうえんまで歩いていったの。

科学者さん、彼女の妹の名前は『ゆり』だそうです。この名前について何か手がかりは思い当たりませんか?

科「一つだけ、ある。七年前、誘拐された娘の名だ。」

科学者さんの家族構成について詳しくお教えいただけますか? 特に、誘拐されたゆりさんに姉妹がいらしたかについて。

科「今は私一人だ。昔は妻と娘が二人いた。双子だ。」

でしたら、何故そうなったかまではわかりませんが……ゆりさんのご姉妹の名前が、そのまま箱の名前でもある可能性が高いと思われます。その方のお名前は何でしょうか?

科「柚子だ。」

柚子さんとゆりさんは双子という事で顔は似ていらっしゃったのでしょうが、顔以外はどの程度似ていたのですか? 例えば髪型や服装の好みとか、性格、健康状態、頭の良さや運動神経など……

科「二人とも似ているようで少し違っていたな。ゆりはどちらかというと活発で、いわゆるボーイッシュなものが好きだった。柚子はおとなしい奴で」

2人は同時に誘拐されたのですか? それとも柚子さんが先で、ゆりさんは後日?

いっしよ。二人いっしよに車にのせられたよ。

箱さんに質問.23の回答は嘘で,本当はあなたがゆりさんではないですか?

ちがう。わたし、ゆりじゃない。

核心それでは……あなたの名前は、柚子さんですか?

………うん。

誘拐の動機について、科学者さんはどのようにお考えですか? 金銭目的なら身代金の要求が来たでしょうし、怨恨や嫉妬が動機であれば4年前当時にされていた研究と関係があるかもしれません。

科「わからん。誘拐犯からの連絡は全くなかったからな……」

何故ボクらを囚人島に置き去りにして行こうなどと思ったのですか? おかげでここにいる数名は一度死にましたよ?(何故生き返ったのだろう?) 釈明を。

科「囚人島とはなんだ?そもそも、君達をそんなところに送った記憶はないぞ?(なぜだ、なぜNo1の効果がないのだ!?)」

柚子さんは誘拐された後、いつまで妹さんと一緒にいたの?

………わたしが四歳になるまで。………ゆり、わたしをたすけようと………

33 お姉さんの身代わり? 人体実験か何かの?

わかんない………しらない人から、わたしをにがそうと………

この箱……それと、ゆりさんの青箱もかな……いつどのような過程で科学者さんの所に着いたのですか?

目がさめたら、ここにいたの。

おなかすいてる?

………大きい鳥さん、ありがとう。

科学者...、いや、伊藤和葉さんとしてのあなたに訊く。その箱の声を聞いて、あなたは何を思う?

科「君は私をどんな奴だと思っているのだ。………なぜわかった。」

柚子さん、白衣の人はあなたのお父さんのようですよ。あなたもそう思っていたのですか?

すこし、思ってた。でも、きくのこわかった。

で、その箱が何か分かったところで、どうする予定なんだ? そばに置いておくのか? 悲しくならないのか? かと言って、どうにか出来る訳では無いと思うが...。

科「………研究、するだけだ。二人の為にも、私の為にも。」

そうだ、私の友人のODが、物に宿ってしまった魂を取り出して、練り直して新たな物にする装置を開発したというのだが、その装置を動かす人の思いの強さによって、望む実体に近く転生されるらしい...。エネルギーを溜めるには6ヶ月ほどいるらしい。望みを託してみるか? 但し、失敗すると今のようには意思疎通が上手く行かないかも知れないが...。

駄目だ。私がそれを何度繰り返したと思っているのだ。

繰り返した結果が箱か? 彼は、未来のあなたの孫の研究所から来たのだ。...、笑いたければ笑え。ただし、伊藤和葉さん、あなたのようなつらい目を見なくてもいいように、と開発されたものだが? ちなみに、成功率は、物によるが71.4%だそうだ。

君にそう言われるのは516回目だよ。………そして君は、あの時も失敗した。

柚子さん、あなたは元々人間でしたか? 戻りたいですか? あなたのお父さんは望んでくれないようです。あなたのお父さんからそれほど大切に思われていないのかも知れません。(|д゚)チラッ)本体が転生を望んだ場合、129件中118件が成功しています。柚子さん、人間に戻りたい?

………もどりたいけど、もどりたくない。とりさんのおもうようにして。

双方に問う。柚子さんは何故ボクが鳥だと分かっているのだ? 私の種族は限られた地域にしか住んでいない...。

科「『U.L.T.O』に理由を求めてはいけないんだ、鳥。」

科学者さん、ゆりさんも呼んで、彼女らの好きだった食べ物でも置いてやって下さい。何か起こるかも?

科「あいにくだが、あいつらも食事中だよ。それに、なにも起きないのは知っている。」

感情の変化、日常会話の受け答えは自然にできているのか?

科「知らん。外からじゃわからんことだからな。」

ゆりさんも箱になってるって知ってる? とりあえず生きてるみたいだよ?

やっぱり、なのね………うん。知ってた。

お父さんと一緒にいれて嬉しい?

………………//////

答え

やはり、「柚子」か。
あいつは何でか、いつも年は数えで答えてたな………
ということは、「青箱」も………
まったく。こんな形での再会とはな。
ああ、すまない。
少し考え事をしていた。
今回もありがとう。
部屋でゆっくりと休んでくれたまえ………


研究ばかりで、おまえたちに何もしてやれなかった。
いつも家をあけてばかりで、まともに話もできなかった。
おまえたちが誘拐された時ですら、おまえたちの元へと行けなかった。
科学者が机を叩く。
目には涙が浮かんでいた。
後悔はしてもしきれないよ。
目を閉じ、机に顔をふせる。

科学者は、夜が明けるまでそうしていた。




名前を聞かれて、私は答えた。
そいつらは、私とゆりを車に乗せた。
それが、また起きるかもしれない。
だから、名前はいいたくない。
私の名をきちんと当てられるなら、その人は私をちゃんと知ってる人。
だから、その人は信じれる。

ゆりは、死んだ。
私を逃がそうとして、殺された。
ゆりの、四歳の誕生日の時だった。

私は、箱になった。
理由はわからない。
周りをみると、誘拐犯が死んでいた。
私は祈った。
ゆりを救えるような気がしたから。
お父さんに、また会える気がしたから。

「U.L.T.O」
それらに干渉はできない。
たとえ、「U.L.T.O」であっても。
一番知っているのは、科学者だった。
だが、彼は繰り返す。
救うために。
未来のために。
自分のために。



ある職員によって、一つの装置が持ち込まれた。
未来人だという彼が言うには、魂を
物に変換する装置らしい。
早速実験は行われた。
成功の確率は、約七割。
当然、失敗した。
これで517回目だ。



回答の条件
「家族」「科学者さん」に関わるものにのみ、嘘をつきます。
ですが、「青箱」「ゆり」「妹」に関することには前記の物があっても嘘をつきません。
年齢のみ、数えで答えます。
また、柚子以外の人物は、嘘をつきません。
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