ウミガメのスープ

死神の目

作者: フィーカス

この世界では、各地に「死神」が存在している。死神はその動物の死を見届け、その後の世界に案内する役割が充てられている。動物たちは彼らの存在を知らず、知る方法もない。
死神は、その動物がいつ死ぬか分かる目を持っている。例えばある人間の死期が「残り1年」表示されたなら、彼がどのような生活を送っても、他の人間が何をしようとも1年で死んでしまう。

さて、人間担当の死神であるカメオは、人間であるカメコの寿命を見たところ、「残り3日」となっていた。見た目が若いので、どうやら事故死や自殺になるようだ。
しかし、カメオは「こいつはあと2年は生きるだろうな」と思った。

もちろん死神であるカメオはカメコの死にはなんら興味ないし、何も手を加える気はない。
では一体何故、カメオはそう思ったのだろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

カメコは事故または自殺によって死にますか?

NO! 重要!

いいえ

「2年」という数字は重要ですか?

NO

はい

カメコは自殺をしようとしましたか?

YES!

観測をしたという事実が観測結果に影響を及ぼしますか?

……? 質問の意味がわかりません。

いいえ

カメコは失恋して死のうと思っていたけどカメオに一目惚れして自殺を止めましたか?

NO 【問題文と矛盾します】

いいえ

毒の量は重要ですか?

NO そもそも毒は登場しません。

はい

カメコはカメオのことが見えますか?

YES! ※ミスリード注意

はい

表示は3日たった時に変わりましたか?

YES 重要ではありませんが、恐らく「残り〇時間」などと表示されるでしょう。

いいえ

カメコは2年後の世界へタイムスリップしますか?

NO ちなみに非現実要素は死神の存在くらいです。

はい

他の死神は登場しますか?

YES! GJ! 【超重要!】

いいえ

カメオはカメコの寿命ではなく他の生き物の寿命を観ていましたか?

NO

はい

「こいつ」とはカメコのことですか?

YES

いいえ

カメオの目は最近おかしくなってきてるけど経験でわかりましたか?

NO

いいえ

カメコは妊娠中でしたか?

NO

はい

カメタはダメな死神ですか?

YES! ある意味では。

いいえ

死神も死にますか?

NO

いいえ

カメコは不穏な空気を感じますか?

NO

はい

カメタは、カメコの延命に努めていますか?

YES! GJ! つまり……まとめられますか?

死神は、人間の死期を遅らせることができますか?

YESNO! 直接遅らせることはできませんがつまり……

はい

核心カメタは、カメコの死期を遅らせようと一生懸命だったのを見て、カメオは、「まあ、2年くらいは延命できるんじゃないか?」と思いましたか?

YES! 正解とします。

いいえ

その後の世界に案内するのが下手で生き返らせてしまいますか?

NO

答え

人間担当の死神、といっても人間の数は非常に多い。そのため、いくつかの地区に分かれて何万という死神が人間を担当している。

さて、人間担当のカメオには、カメタという死神の新人弟子がいる。カメタは人間時代に事故で死んでしまい、カメオに死後の世界に導かれようとしていた。しかし、死神の仕事を見たカメタは、「自分も死神になりたい」と志願したのだ。

カメオ「さて、君の初仕事だ。君はこのエリアを担当してもらう。このエリアで死んだ人間を、向こうの世界へ送り届けるんだよ」
カメタ「向こうの世界って……やっぱり天国とか、地獄とかですか?」
カメオ「さぁ……それは知ったことじゃないよ。向こうの人間が決めることだからね。我々の仕事は、死者を迷わせることなく、向こうの世界へ送り届けることだからな」
カメタ「そう……ですか」
カメオ「えっと、もう寿命を迎えていそうな人間や、事故が起きそうな場所でもあればいいがな……」
カメタ「……あの子、なんだか様子が変じゃないですか?」
カメオ「ん、どれどれ?」

カメオはとぼとぼと歩いている女の子を見つけた。それが、人間のカメコである。

カメオ「ふぅん、確かに生気が感じられないな。死の直前みたいなオーラを出している。死ぬ前の人間というのは、たしかにあんな感じだもんな」
カメタ「やっぱり……あの子、カメコっていうんですけれど、僕の知り合いなんです」
カメオ「へぇ、そうなんだ。まあ、死神になったら知り合いも何もないよ。大体死神は、人間の死には興味がないものだからね。もっとも、君みたいに人間から死神になった奴は、どうだか知らないけどね」
カメタ「でも……」
カメオ「気になるかい? だったら、あの子の死期を見てあげよう。君はまだ、死神の目を使いこなせないようだからね」

そういうと、カメオは死神の目でカメコの死期を見た。

カメオ「ふぅん、残り3日か。若いのに速いもんだね。健康面では問題なさそうだから、いじめられて自殺、あるいはそこらへんで事故や事件に巻き込まれるっていうところかな。事故だったらめんどくさいね。一度にたくさんの死者が出るから」
カメタ「残り3日!? そんな……」
カメオ「そんな、と言われてもどうしようもないよ。死神が死に介入するのは……おや、まさか、君はあの子のことが好きなのかい?」
カメタ「そ、それは……」
カメオ「もっとも、君があの子のことが好きでもどうにもならないよ。誰がどのような行動をとったとしても、死の運命は変えられないからね。出来ることといったら、せめてあの子を君が案内することくらいだよ」
カメタ「でも……でも、このまま放っておくなんて……」
カメオ「放っておくことだ。それが死神の仕事だしね。それとも、早速死神の仕事を放棄するのかい?」
カメタ「そうじゃない、そうじゃないけど……」

カメタはカメオのそばから離れ、カメコの元へ向かった。

カメタ「……何か方法があるはずだ!」

カメコの元に向かったカメタは、必死にカメコに呼びかける。しかし、カメコには聞こえていないようだ。

カメオ「まったく、いるんだよねぇ、人間から死神になった奴の中には。死神が人の死に介入することは禁止されているって、あんだけ教えたんだけどねぇ」

カメオのため息をよそに、カメタはありとあらゆる方法を試す。
人間にはもちろん、物に触れることもできない。声も届かない。

カメタ「ダメだ、カメコちゃんに何も届かない! 一体どうすれば……」
カメオ「まったく、君は無駄なことをするねぇ。確かに死神にが人の死に介入すれば、死期を変えられるかもしれない。だけど、君はそんな方法知らないだろう? そもそも介入は禁止されているって、あれほど言ったじゃないか」
カメタ「……つまり、あるんですね?」
カメオ「え?」
カメタ「死神が死に介入すれば、死期が変えられる、つまり、介入する方法があるんですよね?」
カメオ「ん、まあ、あるにはあるけれどね。でも、それによって死期が必ずしも伸びるとは限らないよ。とある死神がある人の死に介入したら、その人はその場で事故に遭って死んじゃったっていうこともあるし。そのせいで、人間に死神の存在がばれそうになって大問題になったことがあるよ」
カメタ「だったら教えてください!」
カメオ「……あのねえ、死神界の存続が掛かっているんだよ? 私が教えると思うのかい?」
カメタ「……」
カメオ「……そういう目をするなよ。もっとも、君が勝手に見つける分には知らないよ。残り2日、せいぜい探したらいいよ。そもそも死神になりたての君が、そんな方法を見つけ出せるとは思えないけれどね」

悔しそうな顔のカメタ。怒りの握りこぶしを抑え、その場を去っていった。

カメオ「……そういえば、人間出身の死神だったな。だったら気が付くのはそう難しくはないかもな」


カメタはカメコの死を防ぐため、あらゆる方法を試し、あらゆる情報を調べた。カメコはやはり学校でいじめられており、たびたび人知れず泣いていた。また、カメコには唯一ウミコという友達がいた。

カメタ「カメコちゃん、僕が知らないところでこんなことされていたなんて……」

カメコをいじめていた事実は、カメコをいじめていた人間と、それを見ていた人間しか知らないようだ。教師や親、友達のウミコは知られていないし、しゃべろうともしていないようだ。

次の日の放課後、カメコは校舎の屋上に向かった。いじめに耐え切れず、上から飛び降りようとしているらしい。

カメタ「……ダメだった……僕には、何もできなかった……」

屋上に向かうカメコを見ながら、カメタは悔し涙を流す。その時、突然声が聞こえたような気がした。

「ったくこの女、いつまで私に付きまとっているんだか」

気が付くと、カメタは別の女生徒と体が重なっていた。人に触れることはできないが、しばらく重なることで考えを読み取ることができるようだ。

「……う、うわっ!」

その女生徒が、突然カメタの立っていたところから離れた。

「……? どうしたの?」
「い、いや、なんか急に誰かが屋上に向かっていくイメージが頭に浮かんでさ……」
「屋上? そこの階段から?」

話をしていたもう一人の女生徒が、屋上へ続く階段を覗く。

「……誰もいないわよ?」
「そ、そう? 何だったのかしら、今のは……」

困惑の顔を見せながら、二人の女生徒は再び話を始めた。

カメタ「……そうか、は人間に重なることができるし、重なった時にお互いの考えを読み取れるんだ」

そう思ったカメタは、急いでカメコのことを伝えようとした。
手当たり次第近くの人間に重なり、イメージを伝えようとしたが、多くの生徒は先ほどの女生徒のような反応を見せる。

カメタ「ほかには……そうだ!」

カメタは、もうすぐ帰ろうとしたウミコを発見し、急いでウミコの身体に重なった。

ウミコ「……え、これは……何?」

カメタ「……カメコちゃんが屋上にいる……ウミコちゃん、伝わってくれ……」

ウミコ「……え、これは……カメコちゃん? ま、まさか……!?」

ウミコは慌てて校舎に向かった。

ウミコ「カメコちゃん! 一体何をしているの?」
カメコ「え、う、ウミコちゃん? どうしてここに……」

カメコは靴を脱ぎ、もう飛び降りようとしているところだった。

ウミコ「わからないよ、カメコちゃんが屋上にいる気がして、嫌な予感がしたから……」
カメコ「……そう。でも、もう我慢の限界。私なんて、この世に居なければよかったんだ。誰も助けてくれないし、誰も味方になんてなってくれない。だから、私は……」
ウミコ「そんなことない! 私がいるじゃない! どうして友達を頼ってくれないのよ!」
カメコ「う……ウミコちゃん?」
ウミコ「頼られないで死のうとするなんて、私、カメコちゃんに裏切られた気分だよ。どうして……どうして何も相談してくれないの?」
カメコ「ウミコちゃん……ごめん、ごめんね……」

ウミコの説得で、カメコは自殺を思いとどまった。屋上では、二人の泣き声が響き渡っていたが、誰もその声を聞く人はいなかった。

カメオ「あーあ、人の死期を変えちゃって、どうするのさ?」
カメタ「……問題なのは、死神の存在が知られることでしょう? 何も問題ないじゃないですか」
カメオ「そもそも自分の考えを伝えるなんて、人間にはできないことだよ。ただでさえオカルト研究が進んでいるんだから、そんなことをしている死神が多いと、死神界がばれるのも時間の問題になるんだよ」
カメタ「……怒っていますか?」
カメオ「そりゃ怒るよ。死神のルールに反したことをやっているんだから」
カメタ「僕、何か処罰されるんですか?」
カメオ「うーん、そうだねぇ、一応これは私の責任にもなるからなぁ……上には報告しないでおくよ。特に死神界がばれるようなことにはなっていないみたいだしね」
カメタ「……ありがとう、ございます」
カメオ「その代わり、今日中に50人、あっちの世界に送ってもらうよ。私の仕事の代わりだ。その間、私はゆっくり休ませてもらう」
カメタ「え、そ、そんなぁ」
カメオ「ルールを破ったのだから、そのくらいはやってもらわないと。それとも、上に報告した方がいいのかな? もっと厳しい処罰が下ると思うけど?」
カメタ「うぅ……」
カメオ「そういうわけで、よろしく~」

そう言うと、カメオはどこかに行ってしまった。

カメタ「50人……出来るのかな……やり方は教えてもらったけど……」



カメオ「まったく、死神が人間に恋しちゃダメとは言わないけれど、死に介入するのは褒められないね。もっとも、あの子……カメコ、だっけ? 2年後には病死する運命になっているんだけれどね。内気でいじめられっ子だから、病気のことも相談できなかったのかな? 病死はさすがの死神でも介入はできないね。ウイルス担当の死神と相談すれば、もしかしたら可能性はあるかもしれないけれど、多分2年じゃ間に合わないよね。そもそも死神は、動物の死には興味ないんだ。仕事を増やすだけだしね」

必死に働くカメタの様子を見ながら、カメオは笑みを浮かべる。

カメオ「まったく、君の働く姿を見ていると、死神っていう仕事はつくづく嫌な仕事だと思うね……こんなことを思ったのは、500年ぶりくらいかな。君を見ていると、死神になりたての私を思い出すよ」

カメタの様子を見ていると、死者に囲まれてクレームを付けられているように見える。しかし、カメオは手助けしようとしない。

カメオ「はぁ……要領悪いね。死者への説明も、死神の仕事だというのに……まあ、私は助けないけれどね」

カメタの苦労をよそに、カメオは空の向こうへと向かっていく。

カメオ「さて、今日一日は他の死者はいないし、20年ぶりに天国のカメミに会いに行くか。最近忙しかったから、文句言われそうだけどね」


そう言いながら、死神歴800年のカメオは、780年前に死んだカメミの元へ向かった。

要約:他の死神がカメコの死に介入して寿命を延ばすと考えたから

— タイトルミスった……

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