ウミガメのスープ

漫画を買いに

作者: 野菜太郎

少年はアニメや漫画、ライトノベルといったものに関心のある、いわゆる『オタク』という人種だった。
 ある日、少年は好きな漫画の最新刊を買いに本屋へ出かけた。そして漫画の新書コーナーにて目当ての漫画を見つける。表紙に萌え系美少女のイラストが描かれた、いかにもオタクが読みそうな漫画だ。
 少年はレジで漫画の購入を済ませ、店の外に出て、レジ袋の中を覗き、今しがた買ったばかりの漫画を確認した。
 そこで少年はあることに気づき、
「しまった!」
 そう呟くと、もう一度本屋に入り、入り口近くの商品棚に置いてあった経済学の本を買った。
 なぜだろうか?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

経済学の本以外でもこの問題はなりたちますか?

YES 成り立ちます

はい

少年以外に登場人物はいますか?

YES 会計をしますので、店員が必要ですね

いいえ

経済学の本をスケープゴートにして漫画を所持していることをばれないようにしますか?

NO 漫画の所持自体は問題ではありません

はい

本屋のブックカバーがもう1枚欲しかったですか?

YES! 欲しかったのです

はい

漫画にはブックカバーがついていませんでしたか?

YES! ついていません

はい

核心漫画にかけるためのブックカバーを貰い忘れたので経済学の本にかけられたブックカバーを流用しますか?

YES! 正解です!

答え

 少年は周囲からオタクがあまり快く思われないことを自覚しており、自分がオタクであることにも多少の引け目を感じていた。またそのことから、他人とのコミュニケーションが少し不得手であった。
 目当ての漫画を手に取り、レジで会計をする少年。
 財布をまさぐり小銭を探していると、店員から声をかけられた
「ブックカバーはお付けしますか?」
「あ、あ、い、いえ、けっこうです!」
 コミュ障がたたり、自分でも気がつかないうちにそう答えてしまう少年。
 店を出て、レジ袋のなかを覗き、買ったばかりの本を確認すると、当然漫画にブックカバーはつけられていない。
 代わりに、表紙に描かれた、スカートの中の下着が見えそうなくらい際どいポージングの少女と目が合う。
「しまった!」
(帰りの電車の中で読もうと思ったのに、これじゃあ丸出しじゃないか!)
 それにカバーが無いと、何かの弾みで表紙が傷ついてしまうかもしれない。それはなによりも避けたかった。
 しかし、コミュ障の少年にとって、ただブックカバーをもらうためだけに店員に話しかけるという行為は、かなりハードルが高かった。
 どうしようか。頭を捻る少年。
 と──そこで少年は天啓を得る。
 この漫画と同じサイズの本を買って、それにカバーをつけてもらえば、自然にカバーが手に入るではないか!
 少年は店に入ってすぐの商品棚に手頃な価格の経済学の本を見つける。サイズも丁度いい。これを買おう。
 少年は会計の際、今度はしっかりブックカバーを付けてもらった。そして店を出ると、人目に付かないよう、そっとブックカバーを漫画に付け替えたのだった。
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