ウミガメのスープ

正答が誤答に

作者: フィーカス

カメオはテストに正しい答えを書いたのに、間違いにされた上に先生から呼び出しを受けた。

一体何故?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

カンニングしましたか?

NO カンニングではありません。

はい

先生に呼び出しを受けたのは怒られるタメですか?

YES 怒られました。

はい

何の教科かは重要ですか?

YES! 重要!

いいえ

先生はカメオの答えを正答だと思っていますか?

NO! 正解とはつゆほどに思っていません。

はい

カメオの回答は、テスト上では間違いでしたか?

YES! 間違えです。

はい

国語の記述問題を暗記して来ましたか?

YES! ※ミスリード注意

カメオ以外の生徒が正答を書いたとしても怒られますか?

YESNO カメオと同じ趣旨なら怒られるでしょう。

いいえ

3より 保健体育ですか?

NO 6の通り教科は国語です。

はい

3より。文系科目ですか?

YES! 6の通り国語でした。

いいえ

カメオは不正をしましたか?

NO 不正とは言えません。

いいえ

意見を述べる問題で教科書の例をテストに原文ママで書きましたか?

NO! しかし出題形式的には近いものがあります。

いいえ

問題の穴をついた、正しいけど反抗的な答えでしたか?

NO ある意味問題の穴をついているとは言えますが……

はい

記述式問題だったことは重要ですか?

YES! 重要

いいえ

「この解答は間違いです。」とでも書きましたか?

NO 違います。

いいえ

カメオはふざけましたか?

NO まともに書きました。

いいえ

記述問題で規定文字数に足りなかったり超過したりしましたか?

NO 違います。

いいえ

問題文を切り取って解答欄に貼り付けましたか?

NO のりやハサミを使ってません。

呼び出されたのは、カメオの回答があまりにもひどかったからですか?

YESNO! カメオは真面目に答えたつもりですが、少なくとも先生はあまりにもひどいと思いました。

いいえ

「自由に書きなさい」で本当に好き勝手に自由なことを書きましたか?

NO! しかし考え方は近い

友人が平和スピーチコンテストみたいなやつで核の抑止力について書いてめっちゃ怒られましたが関係ありますか?

YESNO! 完全に自由に書く問題ではありませんが考え方は近い

~とあるがこの時のA子の気持ちを考えて書け みたいな問題で問題文中に根拠のないことを本当に考えて書いてしまいましたか?

YESNO! 前半YES! しかし根拠は一応ありました。超重要!

いいえ

好きに書いたのに、道徳的ではないといわれ、カメオは価値観の押し付けだと思いましたか?

NO

いいえ

先生に不都合な事を書きましたか?

NO 解答の仕方はたしかに先生には不都合ですが……

問題文の文言をある程度特定したほうがよいですか?

YESNO 21で十分でしょう。

いいえ

「彼の気持ちを答えよ」で、自分の生活、気持ちを根拠に書きましたか?

NO! 自分のことではなく……

はい

核心小説家であるカメオが書いた文章から抜粋された問題文が出題されたので、その文章を書きながら自分が考えていたことを書いたのに、間違いにされましたか?

YES! カメオ自身が書いたものではないですがそういうことです。

いいえ

解答欄の使い方間違えましたか?

NO ある意味間違っている気がしますが……

いいえ

カメオは言葉の意味を勘違いしましたか?

NO そうではなく……

いいえ

21で、〜の部分をそのまま書きましたか?

NO 違います。

はい

~この時のカメオの気持ちを答えよ、ますか?

YES 一応それでも成り立ちますが……

「適当」は重要ですか?

YESNO? 「適当」という言葉は使われていません。

答え

※解説が長いので読むのが面倒な人は最後の要約をご覧ください。


【次の文章を読み、各問に答えよ】

 曇り空は色濃くなり、海風が少し強く吹き込む。その風が、ウミコの美しい茶色い長髪をなでる。
 いつもは遠く聞こえる波音が、まるで波打ち際にいるかのように強く大きく聞こえてくる。
「ここは風が気持ちいいから、ここでいつも本を読んでいるの」
 ラテオの隣に座るウミコが、【①クッタク】の無い笑顔を浮かべる。
「いつもどんな本を読んでるの?」
「大体本屋に行って、目に付いたものかな。ドラマの原作とか」
 そういうとウミコは先ほどバッグにしまった本を取り出した。
「あ、それ昨日テレビでやってたドラマの?」
「うん。原作もおもしろいんだよ」
「そっか。ウミコは凄いな。僕なんて、本って言ったら漫画か攻略本くらいだから」
「ラテオ君は漫画が好きだもんね」
 フフッ、と小悪魔のように、ウミコは右手を口元にあてて笑った。それにつられ、ラテオも笑い声をあげる。
 ふと向こう側の道路を見つめた、ウミコは、何かを思い出したような顔をした。
「そういえばさ、昨日道路のあたりが【②サワ】がしかったみたいなんだけど、何かあったの?」
 それを聞き、ラテオから笑顔が消える。
「そっか、ウミコさんは知らないんだ」
 ラテオは下に【③ウツム】きながら話す。
「実は、昨日、ラテミが事故に遭っちゃってさ」
「え、ラテミが?」
 事故、という言葉にウミコはひどく【④ドウヨウ】した顔を見せる。
「あ、事故って言っても、頭と腕を怪我した位で、命に別状はないんだって。ただ、昨日病院で聞いた話だと、意識はまだ戻ってないらしくて……」
「そんな、意識が戻ってないって……御見舞いとか、行かなくていいの?」
「どっちみち面会はできないよ。お医者さんも大丈夫だって言ってたから、大丈夫だって」
 立ち上がろうとするウミコを、ラテオは笑顔でごまかしながら何とかなだめようと肩を抑える。
「……そっか」
 その顔を見て、少しずつウミコも落ち着きを取り戻し、ベンチに座りなおした。

 わずかな時間、【⑤チンモク】が続く。ウミコは暗い顔をしてウツムいている。それを見て、ラテオが何を話そうか迷っているとき、
「ラテオ君とラテミってさ」
 ウミコが突然上を向いて、話し出した。
「幼馴染だからかな。なんかこう、①お互いを分かっているっていうか、信頼しているっていうか、そんな感じだよね」
「え?」
 何を言いたいのか、ラテオは【⑥ケントウ】がつかないといった顔でウミコを見る。
「だってさ、普通友達とか、知り合いとかが事故にあったらさ、凄く心配するじゃない。たとえ、大丈夫だって言われても」
「えっと、まあ、そうかな」
「でも、②ラテオ君は大丈夫だって言ったじゃない。誰かに大丈夫だって言われたからとか、そう言うのじゃなくて、本当に大丈夫だっていう確信があるみたいな言い方で」
 当然、本人がここにいるから、などとは口が裂けても言えない。しかし、言われてみれば確かにその通りかと、ラテオは心の中で思った。
「そういうことってさ、本当に相手のことを分かってないと言えないよね。だからさ、なんていうか、ちょっとうらやましいっていうか……」
 うまく表現できないのか、ウミコは言葉に詰まる。
 ③そのとき、ポツリポツリと雨が落ちる音がした。雨音は徐々に大きくなり、ザーザーと本格的に降り出してきた。
「……雨、降ってきちゃったね」
「……うん」
 ウミコは寂しげな顔で曇りきった空を見る。
 ベンチの屋根の下から出られず、重い空気が漂う。
 ふと、ラテオはショルダーバッグに入れていた折り畳み傘を思い出した。
「あ、えっと、ウミコ、傘持ってなかったよね。よかったらこれで……」
 そういってラテオは立ち上がろうとする。
 が、ウミコはそのラテオの服つまみ、くっとひきよせた。
「……?」
「もう少し、このままでいて。雨が止むまででいいから」
「う、うん」
 ウミコは引っ張ったラテオの服を離そうとしない。仕方なく、ラテオはベンチに座りなおした。

 雨は勢いを増し、海岸から聞こえる波音もどんどん強くなっていく。
 隣にいる少女は、一体どんなことを考えているのだろう。
 強く降る雨に押しつぶされるような重い空気を、どうやって【⑦フッショク】しようかとラテオは話題を考える。
「ラテオ君は」
 不意に、小さな声が隣から聞こえてきた。
「ラテミのこと、どう思ってるの?」
「え、どうって……」
 ウミコの質問に、ラテオは口ごもる。何せ、本人がここにいるのに、一体どう答えればよいのだろう。
 もちろん、当の本人であるラテミも、何もしゃべらない。④仮に何かを話しかけられたとしても、返答ができない。
「そうだね、ラテミは小さい頃からずっと一緒で、いつのまにか一緒にいるのが当たり前な存在になってる、のかな。一言で言えば……」
 一呼吸置き、ラテオは続ける。
「僕の大切な人、かな」
『あ、ラテオ君……』
 本人の前で言うのが恥ずかしかったのか、ラテオは最後に少し照れながら言った。本人のラテミも、どうやら聞いていて恥ずかしくなったようだ。
「そっか。そうだよね。幼馴染だもんね」
 ウミコはずっとウツムいたままラテオの言葉を聞いていたが、遠くから稲光が走ったのをきっかけに、ふと暗い空を眺めた。

 遠くからごろごろと雷の音がする。雨の勢いは弱まったような気がしたが、止む気配は見られない。
「雨、止まないね。織姫と彦星、かわいそう」
「織姫……ああ、そうか。今日は七夕だったね」
 七月七日、今日は夜空に広がる天の川で隔てられた織姫と彦星が出会える、年に一度の日である。
「⑤結構、七夕の日って、雨が降りやすいらしいよ。だから七夕の日の雨は、織姫と彦星が流した涙だっていう話もあるんだ」
「物知りだね、ラテオ君」
 少し元気が出たのか、ラテオの方を向いたウミコには少しだけ笑顔が戻っていた。
 しかし、その笑顔の中に、少しだけ寂しさが見えるような気がした。
「⑥織姫と彦星、ベガとアルタイルは、こうやって一年に一回出会う機会を与えられているけれど、それを見て、デネブはどう思っているのかな」
「そういえば、デネブも夏の大三角の一つなのに、仲間はずれだね」
「二人はもう結ばれていて、いつも再会を楽しみにしている。私は、その二人を見ているデネブにはなりたくないな」
「……どうしたの?」
 両手を膝に置き、何か言いたそうな顔を見せるウミコ。そして、意を決したかのように口を開く。
「私、ラテオ君のことが好きなの。高校入学してから、今日までずっと」
「えっ?」
『えっ?』
 ウミコの言葉に、思わずラテミまで反応する。
「でも、ラテオ君の近くにはいつもラテミがいて、そんな二人の間に入り込む自信なくて、私、どうしたら……」
 今までに無い重く、泣き出しそうな顔をするウミコ。
 ラテオは涙をこらえて俯くウミコの左手に、右手をそっと添えた。
「ありがとう。そう言う風に言ってくれて、嬉しいよ」
「ラテオ君……?」
「今まで女の子にそういう風に言われたことがあまり無くてさ。やっぱり、好きだって言ってもらえるのが嬉しくて」
 添えられていただけのラテオの右手を、ウミコはきゅっと優しく握り締める。

 止まない雨に加え、少し風も吹いてきた。ラテオはウミコが濡れはしないだろうかと周囲を見渡す。
「ラテオ君は、やっぱり優しいね。私、そういうところが好きなの。だから」
 ウミコの手が、ラテオの右手をさらに強く握り締める。
「私と、付き合ってくれませんか?」
 震える声で、しかし精一杯ウミコは自分の思いを口にする。本当なら、ラテオはその想いに応えたいと思っていた。しかし。
「⑦残念だけど、それはできない」
 握られた手を、ラテオはそっと引く。
「僕にも、好きな人ができたから」
「……そっか。それなら仕方ないね」
 誰とは言わなかったが、お互いにそれは分かっていることだった。

※亀田亀吉著「テーブルに広がる夏の大三角」より

問1.【①】~【⑦】を漢字で書きなさい。

問2.太文字部①について、何故ウミコはそう思ったのか、文章中から抜き出しなさい。

問3.太文字部②について、ラテオは何に対して「大丈夫」と言ったか。6文字で答えなさい。

問4.太文字部③について、この情景描写は誰の気持ちを表していると考えられるか。答えよ。

問5.太文字部④について、何故ラテミは答えようと思っても答えられないのか。□に当てはまる言葉を答えよ。
「ラテミは□□であり、ウミコには見えていないから」

問6.太文字部⑤について、7月7日は雨の特異日と言われている。この日に降る雨のことを何と言うか。漢字3文字で答えよ。

問7.太文字部⑥について、ウミコはアルタイル、ベガ、デネブをそれぞれ誰に例えて話しているか。答えよ。

問8.太文字部⑦について、この時のラテオの気持ちを答えよ。

*****************

( ・_・)「おー、これ知りあいの小説家のカメキチおじさんが書いた小説だ。僕何回もおじさんの小説読んで、いろいろ話を聞いているから全部の問題答えられるな。フフフ……」


自信を持って解答したカメオ。
しかし、次の日国語の先生から呼び出しを受けた。

(*◎_◎)「なんですかこの問8の『早く帰ってゲームしたいと思っていた』という答えは! そんなわけないじゃないですか! ちゃんと文章を読んで答えなさい!」

(´・_・)「えーだってこの話書いたカメキチおじさんが、『どうせこんな時でも男はゲームのことしか考えてないわ!』って言ってたもん。文句があるなら著者のカメキチおじさんに言ってよ!」

(*◎_◎)「国語のテストですから、文章から読み取って解答しなさい!」

カメオは最後まで納得いかなかったらしい。

要約:国語の書き取りテストで、「登場人物の気持ちを答えよ」という問題があったので、文章から読み取るのではなく、引用文の作者に直接聞いた答えを書きこんだため


※小説出典:フィーカス著「My Possessed Day~彼女に取り憑かれた日~」より問題用に加工したもの
※元ネタ:「コピペ運動会」より
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