ウミガメのスープ

不完全な君を愛す

作者: とかげ

営業マンは、「不良品をつくらない完璧な機械」と、「一定の割合で不良品が混じってしまう機械」を、同じ値段で売りに来た。
工場で使う新しい機械を欲しがっていた工場長は、「一定の割合で不良品が混じってしまう機械」の方を買うことにした。
なぜだろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

人死にますか?

NO 誰も死にません

参加します。

(>_<)

いいえ

現実の現代日本で成立しますか?

NO! 成立しにくいでしょう!

後者を買った方が利益になるからですか?

理由の1つはある意味YESです

工場長は不良品の方を欲しがっていましたか?

初めはNO 最終的にYES です

はい

完璧な機械と不良品が混じる機械は、同じ品物を作るための機械ですか?

YES つくれるものは同じです

機械が不良品かどうかは関係ありますか?

? 機械自体は不良品ではありません

いいえ

不良品を、「ワケアリ品」として売りますか?

NO 値段は同じです

いいえ

工場には、依頼が「不良品は0.5%にしてくれ」みたいな形で来るので、工場長はきっちり、10000個の製品の中に50個の不良品を入れる生真面目な者でしたか?

NO エスニックジョークのあれですねw

はい

不良品が全くなくなると、工場や工場長は困りますか?

YES ある意味困ることに気づきました

いいえ

不良品が利益になりますか?

NO 不良品はただの不良品で、商品にはなりません

いいえ

不良品がまったくないと怪しまれますか?

NO 怪しまれるわけではありませんが……

いいえ

不良品がどういうものか、部下に教える必要があるからですか?

NO 全く不良品が出ない機械もあるので、不良品を知らなくても大丈夫です

はい

核心不良品を作らない機械を採用すると他の従業員のいる意味がなくなるからですか?

YES! 理由の1つはまさにそれです! 正解!

いいえ

生産力など、不良品の有無以外に二つの機会に差はありますか?

NO 単に不良品の数だけ違うとお考えください

はい

核心商品に不良品が出ないか観察して取り除く係の人間を雇ってあげるためですか?

YES! 理由の1つはまさにそれです!

いいえ

その機械で【何の商品】を作っているのかは、詳しく特定する必要がありますか?

NO つくるものは何でもOKです

いいえ

雑談欄で出ていますが、この話に元ネタはありますか?

NO 不良品ジョークが思い浮かぶような問題文にしましたが、正解には関係しません

いいえ

不良品が出る割合は高いですか?

NO 14、16より、人間のチェックが必要になる程度とお考えください

いいえ

この工場では不良品を何かに利用していますか?

NO 不良品自体は特に何の役にも立ちません

いいえ

「不良品だけ」しか作れないマシンがあったら、工場長は買いましたか?

NOw それはいらないw

いいえ

3より、中国の工場なら成立しやすいですか?

NO 国は関係しません。

いいえ

全て順風満帆に、自分の思い通りに進む人生より、傷つき失敗しながら学び、悩み、その分愛の喜びや価値を知ることが出来るような、そんな人間を創るための機械ですか?

NO ですが、そういった視点重要です!

いいえ

従業員の選抜試験ですか?

NO もう一つの理由にも従業員の存在は関係しますが……

はい

工場長としては一定の割合で不良品が出来てほしかったのですか?

YES 完全な製品しかつくらない機械では成り立ちません

どちらの機械も、長年使っていると故障する可能性はありますか?

YESNO 本筋には関係しません。故障を直す機械も存在する設定です。

いいえ

不良品の回収率を宣伝するためですか?

NO ですが宣伝関係します!

いいえ

不良品ということにして、何らかのミスや横領を誤魔化すためですか?

NO 悪いことはしません

いいえ

営業マンは慈善家で失業者に仕事をさせる代わりに給料をあげますか?

NO 営業マンはセールストークをしただけです

いいえ

従業員たちの給料より機械の電気代のほうが高かったですか?

NO 2つの機械にかかる電気代は同じとお考えください

2つ目の理由は経営上合理的だと言えますか?

YESNO 経営に関係しますが、合理的ではありません ※ミスリード注意

いいえ

不良品から、思いもよらぬ新しい商品アイデアが生まれる可能性があると判断しましたか?

NO なんてクリエイティブw

いいえ

従業員の意識や技能を上げるために不良品が必要でしたか?

NO もう一つの理由は従業員のためではなく……

うちの工場は、どんな不良品も見逃しません!というアピールをするためですか?

ある意味YES! なぜそれで完全な機械ではだめなのでしょうか?

いいえ

「あえて変な機械を買う工場長」という変わった印象を宣伝に使いますか?

NO 不完全な機械を使っていること自体をアピールするわけではありません

いいえ

そもそも「不良品を見逃さない」という宣伝は不良品が存在しないと行えないからですか?

NO 不良品を見逃さないこと自体も大事ですが……

いいえ

同業他社に完璧な機械が存在するのを知られないようにするためですか?

NO 営業マンは別会社ですから、他業者にも売ります

いいえ

「どんな人でも1年従業して、立派な社会人になれる」宣伝をしてましたか?

NOw 更正施設ではありません

いいえ

34より。完璧な機械でもともと不用品が出ないと、「機械がやってるんだから不良品がなくて当たり前」と消費者に思われてしまうけれど、不良品が出る機会なのに不良品が市場に出回らないように周囲しているとアピールできると、社のイメージの向上につながるからですか?

NO ですがイメージアップにはなるでしょう!

34より 完全な機械で完全な製品を作っても、素晴らしいのはその機械と機械を作った会社だからですか?

YESNO 機械をつくった会社は関係しません。

いいえ

不良品を見つけるための機械を導入していましたか?

NO 14、16より、不良品は人がチェックします。ということは……

機械よりも工場の従業員の観察力の方が優れているとアピールするためですか?

YESNO 「従業員の方が優れている」ことを、アピールしたいのではなくて……

いいえ

見学しに来た人に「不良品を一つ残らず次々と取り除く」印象をつけるために、壊れたマシンが必要ですか?

NO 「従業員の方が優れている」ことを、印象づけたいのではなく、そもそも……

いいえ

宣伝したかったのは「不良品をも見逃さぬチェックの目」ですか?

NO 41、42も参照

いいえ

戦時中の話ですか?

NO 過去ではなく少し未来の話です

27より。宣伝=テレビCMですか?

YESNO 宣伝方法はなんでも良いです

いいえ

宣伝のために、不良品を試供品として無料提供しますか?

NO 不良品は廃棄するだけです

丁寧に従業員が商品をチェックしているというイメージを与えたかったのですか?

その質問だとYES!そのイメージを与えたいのです、なぜなら……

いいえ

機械と人間が共存してます! ますか?

NO 確かに共存はしている状況ですね

41より。機械・生産性重視で従業員を軽んじる会社ではなく、ちゃんと人を雇う会社ですよ~、と世間にアピールするためですか?

ある意味YES なぜ人を雇うことがアピールになるのでしょうか?

はい

一応聞いときますが、非現実ますか?

YES 少し未来の話です ただ、現代でもある程度は成り立つと思います

いいえ

不良マシンの告発こそ目的ですか?

NO 不良品をつくる機械は大事に使います!

機械を使わず全て手作業でやっているとアピールするためですか?

YESNO 機械は使いますが、手作業が入っていることは重要です!

はい

核心どんなに完璧な機会に作られた物よりも人の感性で確認された物のほうががやはり信頼できますか?

YES! さすがスナイパー!

はい

その近未来では、第二次産業は全てロボットが当たり前ですか?

YES 機械を使うのが当たり前の世界でした!

答え

工場長が説明を求めると、営業マンはこともなげに、「人間の尊厳のためですよ」と言い放った。

彼が売りに来た新しい機械は、2種類。「不良品をつくらない完璧な機械」と、「一定の割合で不良品が混じってしまう機械」だ。普通なら後者が安いのだろうが、営業マンが示した金額は、2種類とも全く同じだった。なんでも、工場の作業に支障が生じない程度に一定の割合で不良品をつくらせるのは大変難しいそうで、原価はむしろ後者の方がかかっているのだとか。
それで工場長は驚いて営業マンに聞いたのだ。何のために、性能の悪い機械をわざわざつくったんだ、と。

「人間の尊厳……だって?」
「そうです」
工場長の反応を元から予見していたように、営業マンは涼しい表情で続ける。
「工場長もご存じの通り、機械は日ごと高性能になり、故障もしにくくなりました。しかも安価でどこでも手に入ります。今や誰もが気軽に機械を購入できる時代です」
話の行き先が読めず、工場長は黙って聞き入る。
「おまけに故障を直す機械や、機械のミスを監視する機械まであるのですから、本来ならいかなる製品も、製造から梱包、配送まですべて機械で済ませてしまうのが最も正確なのです」
人差し指を立て力説する営業マンに、工場長も頷いた。
「確かにそうだ。コンピュータ管理されている機械ならば、人間より正確に大量の作業ができる上、同じ性能の機械をいくらでも容易に量産できるしな」
実際、その工場でもあらゆる作業を機械化し始めていた。今回機械の購入を検討したのも、少しでも作業を効率化し、生産量を増やそうという考えからであった。
工場長の答えに対し、満足そうに笑みを浮かべた営業マンは、しかし突如声を落として、囁くように投げ掛けた。
「なぜ、そうしないのでしょうか?」
何を聞かれているのか、工場長はわからなかった。いや、わかろうとしなかった。
小さなその問いかけは、なぜか深く考えてはいけないもののような気がした。
何も答えない工場長をせかすこともせず、営業マンは呆気なくまた溌剌とした声を張り上げた。
「少し話を変えてみましょう。工場長は奥様の手料理がお好きですか?」
唐突な質問に、工場長はまばたき数回分、面食らった。その後、それでも本来の冷静さを忘れずに、丁寧に答える。
「ああ、好きだよ。特に家内は肉じゃがが得意でね」
「他の人がつくった肉じゃがとは違うのですか?」
「違うなあ。娘もたまにつくってくれるのだが、家内が教えた通りにつくっても同じ味にならんのだ」
そこまで答えて、工場長はふと気づいた。営業マンが何も言う前に、彼がそう聞いたであろう質問に答える。
「それを機械になぜやらせないのか、ということかい? 確かに家庭用の機械も大分進化した。家内のレシピを正確に再現できるだろう。それでも違うんだ。実際の味ではなく、気持ちの問題というか……」
「そう、まさにそれなのです」
営業マンはまた人差し指を立てた。
「機械ならば失敗せずに美味しい料理がつくれるのに、機械ならば厳密な計算を経て最高の製品をつくれるのに、機械ならば不眠不休で働けるのに。なぜ人間の手作業をはさみたがるのでしょうか? 」
工場長にも、ようやく営業マンの言わんとしていることがわかってきた。彼は……確かに人間の尊敬を守ろうとしているのだ。
「人間は、人間の手が入ったものに、芸術を、信頼を、何より心を、感じるのですよ」
たっぷりと間をおいて、余韻を楽しませた後、営業マンはようやく本題の機械のパンフレットを指差した。
「不良品が出る方の機械は、必ず人間が検査する必要が出てきます。機械がつくったものを、最後は人間の目でチェックする。熟練の技術だの、長年の勘だの、根拠は説明できないけれどなんだかすごそうな印象を受けますよね。消費者にとっても安心感があります。心がこもっていると感じます。論理的に安心かどうかではないのです。これは、気持ちの問題です。そして……」
もはや工場長は完全に納得していだが、営業マンはだめ押しのように説得にかかる。
「……消費者だけではありません。労働する側、この工場で働く人間達は思うのです。『所詮は機械、やはり人間がいなければダメだなあ』と。自分達には存在意義があるのだと」
そちらの尊厳も考えられていたのか。なるほど、これは確かに、人間の尊厳のため、だ。工場長は、随分とすっきりした気持ちで、パンフレットに載る2種類の機械に目をやった。値段は同じ。それでも。
「決めた。不良品が混じる方の機械を買おう。君の説明には何の反論もない」
工場長は景気よく契約書にサインをした。全てを機械化するより、人の手が入った方が消費者は喜ぶ。仕事が簡単になりすぎるより、自分達の働く意義があった方が労働者は喜ぶ。それがよくわかった。

営業マンは嬉しそうな表情こそ見せなかったものの、契約書を大事そうに、静かにゆっくり鞄にしまった。
感謝の言葉を重ねながら、立ち上がって礼儀正しくお辞儀をする営業マンに、工場長も椅子から腰をあげて好意的に声をかける。
「しかし、それでもやはり、人間でなければダメなこともあるだろう? 例えばほら、君のように有能な営業マンは、人間だからこそできる仕事だよ」
工場長を納得させ、本来ならば買うはずのない機械を買わせたのだ。その営業の才能を認めざるを得なかった。
「お褒めの言葉、ありがとうございます」
営業マンは、もう一度深くお辞儀をしてから、顔をあげた。椅子に座って話をしていた先程よりも顔の距離は近く、二人はしっかりと目線を合わせられる。
「やり甲斐のある仕事ですよ」
そう言って微笑んだ営業マンの瞳の奥で、ゼンマイがチチチッと回転した。

END

機械化が進み、あらゆることが機械でできるようになったが、人の手が入る方が消費者が安心し、労働者も仕事のやり甲斐を感じるので、不完全な機械の方が消費者・労働者双方に価値があると考えたから。

— スープの押し売り

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