ウミガメのスープ

覚えておいてね

作者: とかげ

道を歩いていた男は、知らない女に呼びとめられ写真を見せられた。
「この少女を知りませんか?」
男は「知りません」と答えた。
その後、男は女に忘れられることになった。
どういうことだろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

まだ出てきていない人物はいますか?

YES 問題文中の男・女・少女がメインですが、一応もう一人います。

いいえ

知らない女は呼び止める前から男の事を知っていますか?

NO お互い初対面でした

いいえ

男は女を知らなかったが、女は男のことをしっていましたか?

NO お互い初対面でした

いいえ

少女と男は家族ですか?

NO 少女と男に血縁関係はありません

いいえ

女は記憶傷害がありますか?

NO まったくありません!

はい

4より、女と少女は家族ですか?

YES 女は少女の母親です!

男は本当に少女のことを知らなかったですか?

YESNO 他の状況でも成り立つことですが…

はい

犯罪要素はありますか?

YES めっちゃあります!

はい

死人は出ますか?

YES 死ぬ人がいます!

はい

男は女に殺されますか?

YES 解説ではまだ死んでいませんが、最終的にそうなるでしょう!

はい

少女は第3者に誘拐されている?

YES その第三者がもう一人の登場人物です! GJ!

はい

女は、警察に男の事を聞かれて、「知りません」と答えますか?

YES! 最後の「忘れられることになった」はそういう意味です!

いいえ

男の「知りません」という返答は真実ですか?

NO! 嘘です!

いいえ

男は身代金を受け取りに来ていますか?

NO 男は共犯ではありません

いいえ

11より男も誘拐犯ですか?

NO 男は誘拐犯ではありません

いいえ

男は共犯者ですか?

NO 男は共犯ではありません

いいえ

写真を見せる→知りませんと答える、が合言葉でしたか?

NO 合言葉ではありません

第3者も女に殺される可能性はありますか?

YESNO 可能なら女はそうしたでしょう

いいえ

男の職業は重要ですか?

NO 職業は関係ありません

はい

3行目と4行目の男は同一人物ですか?

YES 1・3・4行目の男は同一人物です

男は警察官なのに、少女を真剣に探していませんか?

警察官NOですが、真剣に探していないのはある意味YES!

いいえ

女は結果的に生きている娘に会えましたか?

NO 会えませんでした…

母である女は男を誘拐犯だと誤解して娘である少女が殺された復讐を男にしますか?

復讐YES! 勘違いNO! 女は誰が犯人かはわかっています!

はい

女がその道でその男にあったのは偶然ですか?

YES 偶然会っただけです!

はい

核心女の娘は誘拐されていた。必死に探す女が、通りすがりの男に娘の写真を見せて情報を訊ねたが、男はめんどくさがって知っていたのに「知らない」と答えた。結果、少女は亡くなり、男が本当は情報を知っていたとわかった女は、男に復讐を企てた。警察で事情を聴かれたとき、男の子となど忘れたかのように「知りません」と答えた。ますか?(長

YES!!! 完璧です!!

はい

ボランティアたちが行方不明の人間(少女)の写真付きチラシを駅前などで不特定多数の人に配っているアレは関係ありますか?

YES ボランティアではありませんが、女は少女を探すつもりで男に写真を見せました!

答え

普段、街頭アンケートやキャッチセールスは無視するのだが、見知らぬ女が鬼気迫る表情で突然呼びとめてきたので、思わず足を止めてしまったのだ。女はすみませんと謝りながら、写真を突き出してきた。
「この少女を知りませんか?」
何やら面倒そうだ、と直感が働いた。咄嗟に「知りません」と答える。答えた後でようやく写真を見たのだから、世話はない。まだ小学生くらいだろうか、幼い少女の笑顔がそこにはあった。
顔はよく覚えていなかったが、髪型や服装で、そういえば、少し前にすれ違った少女かもしれないなと気づいた。父親らしき男が手を引いていたが、泣きそうな顔をしていたので、なんとなく覚えていたのだ。
「本当に、知りませんか……?」
俺の表情を見て、何か思うことがあったのだろう。女は重ねて聞いてきた。しかし、あえて先ほどの発言を覆してまで親切に教えてやることに、利点を感じなかった。本当に同じ少女であるという保証もない。曖昧な記憶に過ぎないし、そのくらいの年頃の少女は、皆似たようなものだろう。どちらにせよ、面倒なことに巻き込まれるのはごめんだ。
「知りません」
女はわかりやすく落胆して、それでも俺に礼を言うことは忘れずに、そのまま来た道を戻って走り去った。俺も同じ道を、そのまま歩き続けた。すぐに忘れ去られるはずの、そんな出来事だった。

しかし結果的に、女のことは3日後に思い出すこととなった。

全国放送で流された、行方不明の少女の写真は、どう考えてもあのとき女が見せてきたものと同じだった。
ニュースによると、俺が女に呼びとめられたその日に、行方不明になったのだそうだ。学校の校門で、「お母さんが事故に遭った、一緒に病院に行こう」と知らない男が連れて行ったところを、少女の同級生が目撃していたということで、おそらくは誘拐事件だろうと騒がれていた。その日は、いつもはほとんど見ないニュース番組をいくつも見て過ごした。小学校が集団で登下校することを決めたとか、近所の人からの評判だとか、少女の行方には何の関係もなさそうな情報ばかり、とにかくただずっと見ていた。

その2日後、少女は遺体で見つかった。
次の日には誘拐殺人犯も捕まり、この話題は連日テレビをにぎわせた。
俺のところにも警察がやってきた。犯人が人通りの少ない路地で若い男とすれ違ったと証言したらしく、その確認だった。俺はただ、確かにその日のその時間帯、その道を通ったことを話し、そういえばすれ違ったかもしれないが、記憶が曖昧だとだけ答えた。本当ははっきり覚えていたが、そんなことはわざわざ話す必要もないと思っていた。とにかく、関わりたくなかった。関わりたくないのに、ニュースを見るのはやめられなかった。



「この男を知りませんか?」
落ち着いた男の声が聞こえる。ガサガサと紙がこすれるような音がした。
「知りません」
女の声が、はっきりそう答えた。
「そうですか……いえ、ニュースでご存知かと思いますが、2ヶ月前から行方不明になっているのです。この付近で何者かに襲われたような形跡までの足取りはつかめたのですが……そこから先の行方がわからない状態でして」
「そうなんですか…」
「本当に知りませんか?」
「はい……私も……私も、娘を誘拐され、殺された身として、こういった事件にはぜひ協力したいのですが……」
「……これは失礼いたしました。ご協力ありがとうございます、何か気付いたことなどありましたら、こちらにご連絡ください」
玄関のドアがガチャリと閉まる。その音が何度も絶望を教えてくれる。

俺がいる和室のふすまが、すっと開いた。
もう2ヶ月経つのかという思いより、こんなに辛いのにまだ2ヶ月しか経っていなかったのかという気持ちの方が大きかった。
女はいつものように――この2ヶ月、いつもそうしてきたように、にこやかな微笑みを浮かべて俺を見降ろす。
縛られ、口を塞がれ、飲食もままならない状態で放置されている俺を、さも嬉しそうに眺めるのだ。

小さく、けれど俺だけにははっきり聞こえるように、呟いた。

「あなたもそうやって、忘れたのでしょう?」

END

男は「この少女を知らないか」と聞かれたが、面倒に思って知らない振りをしてしまったことがあった。そのことを恨んでいた女が、男を監禁し、男を探しに来た警察に男のことを「知らない」と答えたのだった。

— 記憶力向上スープ

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