【無茶振り三題噺16】世界は平和だった
しかし、勇者の仲間の一人であった賢者は、たった一週間で世界を平和にしてしまった。
どういうことだろう?
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※この問題は「賢者」「しゅうかん」「カキ」のお題をもとに作られた三題噺の問題です。
~無茶振り三題噺とは?~
「三つのキーワードから問題を作ろう」という企画です。
詳しくは、掲示板『ラテシンチャットルーム』の『無茶振り三題噺』をご覧ください。
過去問一覧:http://chat.kanichat.com/chat?roomid=SandaiBanashi
過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。
魔王を説得して仲間にしてしまいましたか?
仲間NO 説得はある意味YES! ※ミスリード注意
勇者と賢者は行動を共にしていますか?
基本YES ですが別行動を取ったこともあります!
賢者は魔王を倒して平和にしたのですか?
NO 違うのです!
賢者のペットが怪獣でしたか?
NO それなささんのみんなで設問の方ですw
賢者はえねこー☆さんにいた芸人でしたか?
NOw 芸人ではありませんw
魔王と勇者を相打ちにさせましたか?
NO 相討ちません!
世界平和になったあと魔王はまだ生きてますか?
YES 実は生きています!
賢者と魔王は別人ですか?
YES 勇者、魔王、賢者はそれぞれ別人です
1週間で、むしろ賢者が魔王に代わって世界征服してしまいましたか?
NO 魔王に代わりません!
賢者が世界を滅ぼして、平和にしましたか?
NO 世界は滅んでいません!
魔王が倒せないのは、勇者の強さがまだ足りないからですか?
YES 魔王はめちゃくちゃ強いです
魔王は実は弱いですか?
NO 魔王はめちゃくちゃ強いです
賢者が魔王と和平交渉をしたから?
NO 和平交渉とはちょっと違いました。そもそも魔王は……
魔王は魔子となり平和になりましたか?
NOw それだとカニバリ天国なので平和になるかというと…
魔王は世界征服をしようとしておらず、単なる勇者の勘違いだった?
YES 魔王は世界征服なんて考えていませんでした!
第三勢力は出てきますか?
YESNO 第三勢力とはちょっと違いますが、重要な登場人物は他にいます!
魔法は勇者の父親でしたか?
NO それはす…いえネタバレになるので言いませぬ
賢者は暴力以外の何かの手段で、魔王を敵対せずに済むようにしましたか?
YES 魔王に対しては暴力を使っていません!
世界が平和でなかったのは魔王のせいですか?
YESNO ある意味魔王のせいなのですが、魔王自身が悪いわけじゃなくて…
魔王は年老いていますか?
NO 元気です。年齢は関係しません
というかそもそも、魔王は世界に破壊や混沌をもたらしていましたか?
NO 魔王はそんなこと一切していなかったのです!
賢者は魔界出身なので通訳を任されましたか?
NOw 賢者は人間です
むしろ賢者は勇者を倒し、世界を悪の法の元に統治しましたか?
NO 勇者は倒していませんし、悪の法の元にもなっていません!
魔王はすごく大きいので日照権について近所とトラブルの元でしたか?
NOw 悪気はないのに…魔王しょんぼりw
賢者と魔王は恋仲になりましたか?
NO ラブロマンスません!
交渉人 賢者トカゲは人間界と魔界の和平条約を締結させましたか?
NO 和平条約を結んだわけではないのですが…あといつの間に賢者がとかげにw
魔王は角が生えているけど本当は臆病者で人懐っこい生き物でしたか?
NOw どんどん魔王が愛らしい生き物に見えてきますw
魔王の言語を理解できるのは賢者だけでしたか?
NO 言語は関係しません
賢者は、魔王から世界の半分を貰ったので、敵がいなくなりましたか?
NOw 賢者は謙虚なので世界を貰ったりしません!
16、19より 魔王本人ではなく、魔王の関係者が悪事を働いていますか?
NO 魔王の手下達も、危害を加えたりしていません!
勇者軍は賢者の働きかけによって魔王討伐をやめましたか?
NO 勇者は魔王討伐をやめていません!
賢者は魔王の回し者ですか?
NO スパイません!
勇者に魔王討伐を依頼した人物は、重要ですか?
YES それがもう一人の重要人物です!
世界が平和じゃなくなったのは勇者のせいですか?
NO 勇者は平和を願っていただけなのです!
魔王をスルーして魔王はボッチになりましたか?
NOw ちなみに解説ではちゃんとお友達(?)ができています
神官とかげは出て来ますか?
あれ? そういや勇者の仲間の一人に、皆から爬虫類と呼ばれる神官がいたかも…
魔王に悪いことをするつもりがなくても、魔王のあふれ出る魔力的なものが強大過ぎて、周りに被害が出てしまっていますか?
NO 魔王は本当に何にも悪いことをしていません!
平和になったというのは、勇者が魔王らを手下にして世界征服したからですか?
NO 魔王らは手下になっていません!
人間の王様が勝手に騒いでただけですか?
YES! ちなみに33の重要人物=王です!
魔王と協力して悪の根源を倒したので平和になりましたか?
魔王と協力ある意味YES! ですが、悪の根源を倒すこと自体については協力していません!
勇者は誰かに騙されて魔王討伐を始めましたか?
YES? 騙されてというほどではないですが、王に命じられました
16の確認なのですが、重要人物は勇者、賢者、魔王、「誰か」の4人ですか?
YES そして誰かは39の通り「王」です
現実要素はありますか?
YES? 舞台設定はファンタジーですが、重要な要素は割と現実的だと思います
勇者と魔王が戦っている日常こそが平和ですか?
NO それは平和ではありませんでした
ぶっちゃけ、勇者重要じゃないですか?
NO 勇者もちゃんと活躍しますよw
魔王は年頃の娘なので国王様の息子と気が合いましたか?
NOw 男女関係なく成り立ちますが、一応全員男で考えていました
王様をなだめて取り持ったのが賢者トカゲですか?(しつこい)
NO 王様はなだめていません! あ、もう賢者はとかげでいいです、なんかかっこいいし。
33より 実は勇者に依頼したやつの方が悪い奴だったので、賢者と魔王が協力してその人のことを倒したのですか?
依頼した奴=王が悪いYES 賢者と魔王が倒したNO!
33より、賢者は王を説得しましたか?
NO 説得しません!
魔王と勇者は仲良しになって、権力をふる王を四面楚歌にしてやりましたか?
NO 魔王と勇者は仲良くなりません!
賢者は王様を説得しますか?
NO 説得しません!
賢者が国王をぶっ倒しましたか?
NO 賢者は王を倒しません!
賢者「100G渡して、魔王倒せ!とか言ってくる王様についたってイイ事無いよ?」と、勇者を説得しましたか?
説得内容は違いますが、勇者を説得YES!
魔王を倒せとうるさい王を賢者が説得したので、勇者と魔王が思う存分戦える平和な日常が戻ってきましたか?
NOw バトルフィールドが展開しません!
賢者「実は、お前の父親は魔王なのじゃ!」と、勇者に真実を伝え、勇者のヤル気を削ぎましたか?
NO 血縁者ではありませんしやる気は削いでいません!
魔王を倒すと勇者は職を失うので、倒せない状態が続く方が好都合ですか?
NO 勇者は自分のことより、魔王を倒すことの方を重視します!
賢者と魔王が結託して勇者に倒される芝居をしましたか?
NO 芝居はしません!
王さまは普通に寿命で死にましたか?
NO 寿命まで生きていません!
賢者は皆がWINWINになる提案をして世界を平和にしましたか?
NO 登場人物の中で、WINWIN状態になっていない人がいます!
王様にとって勇者は邪魔でしかなかったですか?
NO 邪魔だったわけではありません!
賢者「実は王様の方が悪い人で、魔王は悪くないんだ!」と勇者を説得しましたか?
NO 賢者は魔王が悪くないとは言っていませんでした!
王様が世界を独占しようとして、半分支配しているもう一人の王を魔王にしたてあげた。勇者はそれを鵜呑みにしていたが、賢者トカゲに真実を聞かされ、勇者ブチギレ。王様討伐!ますか?
「世界独占~賢者トカゲは真実を言う」までNO ですが王様討伐YES!
魔王よりも人の心に住む魔物こそが醜いっと王を討つように仕向けましたか?
NO 勇者は魔王を悪い者と思ったままです!
賢者は過激派の王を持つ王位継承者ですか?
NO 賢者は権力を欲しがってはいません!
問題文より、仮に一週間が、1日でも成立しますか?
YES 期間は重要ではありません!
58王の死因は重要ですか?
YES 重要です!
58 寿命前に王を殺したのは登場人物の中の誰かですか?
YES 王様は殺されました!
王は勇者に殺されますか?
YES! なぜでしょうか?
勇者は王の顔を見た事がありますか?
YES 王には会っています、が…!
核心賢者「魔王は王様のほうだよ!」で、勇者が王様を殺しましたか?
YES そういうことです!
勇者に王様と魔王の両方が依頼してきたけど王様が一方的に魔王を嫌っているだけなので魔王しねえ!と勇者が倒しましたか?
NO 勇者はむしろ、魔王に会ったことすらないのです!
賢者は勇者に魔法をかけましたか?
NO しかしある意味言葉で操りました
トータルして、悪いのは魔王討伐命令を出した方の王様でしたか?
YES 魔王はむしろ無害な平和主義者でした
王様は悪政を行っていましたか?
YES 魔王討伐のための税金搾取や徴兵は、人々にとっては悪政でした
答え
そして、現代――
相も変わらず、勇者と魔王という対立は続いていた。
勇者は魔王を倒そうと意欲的だったし、それに賛同する仲間もたくさんいた。
違ったのは、彼らを取り巻く一般人……世論とでもいうべきだろうか。勇者でも魔王でもなく、彼らに仕える魔族や仲間でもなく、ただそこに存在して日々の平和な暮らしだけを望む、何の変哲もないその他大勢の人々だった。
人々は……戦いなど、望んでいなかった。正義と悪の対立には興味がなかった。自分達が毎日を平和に過ごすことができるならば、魔王が世界を支配したって構わないとすら思っていた。
時代によって変わる勇者・魔王事情に、翻弄されるのはいつも一般人である。幾度となく繰り返される争いに、人々は疲弊していた。そして、勇者が勝たずとも、魔物が出歩く山奥を避け、自分達の小さな土地を堅実に守っていけば、十分平和に暮らせることに気付き始めていたのだった。
そして現代の魔王もまた、争いを好まぬ平和主義の変わり者であった。強靭な肉体と恐るべき魔力を持ちながら、それを戦に使う気はさらさらなかった。手下の魔物達をむやみに人里へ送り込むこともせず、ただ魔王城に乗り込もうとする命知らずな輩を、自分達の命を守るために攻撃していただけだった。魔王はただ、自分と自分の可愛い手下達が幸せに暮らせればいいと、それだけを願う実に平凡な思想の持ち主だったのだ。
人々は思った。この魔王ならば、共存できるのではないだろうか。勇者が魔王を倒さずとも、争いのない平和な世界が訪れるのではないだろうか。魔王を倒す必要がなければ、魔王討伐のためと銘打って徴収される税金も払わずに済むのではないか。訪問してくる勇者とその仲間達に気を使い、食事を用意し、労い、村の秘宝や先祖の遺跡を明け渡さずにいられるのではないか。勇者に誘われて村を出て行った若者達が、悲しい骸となって戻ってきて、激昂することさえ許されず悔し涙を流す日も、なくなるのではないか……。
そんな人々の心の内に薄々勘付き始めていたのが、勇者の仲間の一人である、賢者であった。鈍感な勇者はひたすらに魔王討伐を目指し、日々努力していたが、賢者はこの状況に違和感を覚えつつあった。
『勇者こそ正義である』
『悪の象徴である魔王を倒すことが世界平和への道だ』
そう唱えた王の言葉を疑うこともせず、人々が勇者という存在に感謝していると信じ込んで、何年も魔王討伐だけを考え続けてきた勇者。魔王が戦いを望まぬという書簡を送ってきても、王はそれを罠だとはねのけ、一層の努力を勇者に望むのだ。
賢者は、決断した。
それがこの世界をひっくり返してしまうことだとしても。今目の前にいる人々の平和を守らずして、何のための世界であろうか。何のための、我が頭脳であろうか――
「勇者よ……気でも狂ったか……!!」
震える声で、それでも威厳を保とうとふんぞり返る王に、勇者は構わず剣の切先を向けた。
「黙れ、王よ……いや、魔王よ。何年も魔王の存在すら見つからないなど、おかしいと思っていた。お前が……お前こそが魔王だったのだな……!?」
「な、なんだと……?」
勇者はじりじりと間合いをつめ、王の喉元を狙う。王は……魔王などではない、ただの人間にしか過ぎない王は、それに抗う術を持たない。
「魔王討伐のためと言って税金を絞りとり、いたずらに争いを起こし、何の罪もない人々を死に追いやった。そうして民を苦しめていたことに、勇者である私が何年も気付けなかったとは、情けない。しかし、もう騙されないぞ!!」
「待て、違う、わしは魔王などでは……!?」
王の弁明は勇者に届かなかった。最後まで言うこともできなかった。賢者はただその様子を、静かに眺めているだけだった。
王の亡骸は魔王として葬られた。人々は今まで仕えていた王が魔王であったということに驚き、しかし最終的には納得した。誰もいなくなった王座には、勇者が座ることを望む者もいたが、結局空席のまま何十年も平和に過ぎて行った。
賢者は使命を果たした勇者を労い、平和になった世界を勇者と共に旅をして回った。
時折勇者の元から数日離れることがあったが、野暮用だと言いはり、その件については決して多くを語らなかった。
「しかし、王が魔王であったとは、なかなか面白いことを吹き込んだ」
「またそのような昔話を。もういいだろう、忘れてくれ」
「いやいや、忘れられんよ。お主が我が魔王城に単身でやってきて、我輩に頭を下げたときの光景が、昨日のことのように思い出される」
「あのときは必死だった。あのままでは人々は苦しみ続けるし、勇者はいつか無茶をしでかしてあなたに殺されただろう。……王には悪いことをしたが、王の愚行を止めるためにもああする他なかった」
「『王を魔王に仕立て上げるから、我輩には今後死ぬまで魔王であることを明かすな』、とはな。元より我輩も、穏やかに暮らせれば良いとは思っていたが、そんな手があるとは……さすが賢者だな。何年も拮抗していた状況を、たった一週間でひっくり返した」
「こちらはいつあなたの機嫌を損ねて消し炭にされるか、気が気じゃなかったがな」
「確かに、お主の頼み事はなかなか無理難題だった。歴代の魔王であれば即座に殺していただろう。魔王が死んだことにせねばらなんということは、城からもむやみに出られぬからな。さすがに退屈だ」
「そのために、こうして時折あなたの元へ話しに来ているんじゃないか。妙な習慣ができてしまったものだ」
「そうだったな。……しかし、お主が死んだあとはどう時間を潰せば良いのだ。我輩より長くは生きまい」
「私に命を与えてくれさえすればいい。あなたの魔力を貰えれば、この身体でもあなたと同じくらいは生きられる。魔王には簡単なことだろう?」
「確かに、そうだな……もしや、それが本来の目的だったのではあるまいな?」
「どうだろうか」
「全く、食えぬ奴だ」
残った魔物を全て閉じ込めた、ということにしてある、魔王城の庭で、賢者は魔王とくだらない会話を楽しむ。
世界は実に、平和だった。
END
魔王は平和主義で無害だったため、魔王討伐へと消し掛ける王が実は魔王だったと、賢者は勇者に吹き込んだ。賢者を信じた勇者は王を魔王だと思って倒し、結果、搾取や徴兵に苦しんでいた人々に平和な生活が訪れたのだった。
— 三題噺デビュースープ
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