ウミガメのスープ

バイバイ、ヒーロー

作者: 妙伎

久しぶりに帰って来た息子を、母親は涙ながらに迎えた。
二週間後、母親は姿を消し、息子が変わり果てた姿で発見された。
何が起こったのだろう?

出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

はい

最終的に息子は死にましたか?

Yes、息子は亡くなりました。

いいえ

母親と息子だけで成立する話ですか?

No、もう一人重要な登場人物がいます。

?

非現実要素はありますか?

これはNoで。

?

母親が泣いたのは嬉しさからですか?

問題文中の涙であればYes。しかし…。

はい

帰ってきた息子と変わり果てた息子は同一人物ですか?

Yes、双子等でもありません。

?

息子の職業は重要ですか?

これはYesで。とはいえ帰って来てからは無職でしたが。

いいえ

母親が息子を殺害しましたか?

Noです。

はい

2より、重要人物とは父親ですか?

Yes!もう一人の重要人物は「父親」でした。

?

2週間が2日間でも成立しますか?

これは…Noでしょう、2日間ではこの結果にはならなかったと思います。

?

最終的に母親は死にましたか?

判断に迷うところですが…No、とさせていただきます。

?

現代日本でも成立しますか?

これはちょっと成立しにくいと思われますのでNoで。似たような事態になること、ならあり得るのかもしれませんが…。

はい

非現実要素はありますか?

Yes、多くの人が息子を賞賛しました。

?

息子がヒーローの姿のまま発見されたので母親は息子を探してますか?

これはNoで。母親と息子は間違いなく再会しました。

いいえ

息子は五体満足で帰ってきましたか?

No…!鋭い…!

?

戦争は関係ありますか?

…Yes!

はい

息子は人間ですか?

Yes、息子も、父親も母親も人間です。

?

息子は殺されましたか?

…No、です。

?

母親が姿を消したのは父親が原因ですか?

これはYesで。父親が大きな役割を持っています。

△

父親は息子の帰宅を喜びましたか?

YesNo?喜んだとは思いますが…?

はい

父親と母親は一緒に消えましたか?

Yesでいいでしょう。

いいえ

息子は死後2週間ほど放置されましたか?

No、せいぜい数日です。

?

息子は自殺しましたか?

…Yes、で。

?

母親または父親は、何らかの犯罪を犯しましたか?

解釈が分かれるかもしれませんが、Noで。

?

母親は病気を患っていましたか?

これはNoで。

いいえ

父親の職業は重要ですか?

No、ただし半年ほど前に転職しました。

?

父親は母親に息子の死を知らせないために赴任先に母親を連れて行きましたか?

前半No、後半Yes。父親は母親を連れて行きました。

?

父親は母親と息子を一緒にいさせないようにするために母親を赴任先に連れて行きましたか?

これも前半No、後半Yesです。

いいえ

父親は五体満足ですか?

Noです。まあ成人した息子を持つくらいには年老いてはいますが。

はい

息子は、この家に自分を養う余裕はないと考えて自殺しましたか?

Yesでいいでしょう、息子は覚悟を決めていました。

?

父親も戦争に行きましたか?

これはNoで。父親はそれなりの年齢でした。

はい

いなくなった母は父と一緒に行動していますか?

Yesで。現在、母親は父親と一緒にいます。

いいえ

父親が母親をつれていった先は重要ですか?

Noでいいかと。「連れて行った」こと自体が重要です。

いいえ

父親は世間体を気にしましたか?

No、世間体より家族が大切でした。

いいえ

父親は息子を養いきれないと考えて母親を連れてどこかへ去りましたか?

No、しかし惜しい!

いいえ

母親は息子を安楽死させようと考えていましたか?

Noで。母親は息子の死を望みませんでした。

はい

父親は息子の自死を予想していましたか?

Yes。父親は息子が自殺を考えていることを知っていました。

?

父親は、母親に危機が迫るから連れ出したのですか?

これはNoで。別の理由がありました。

いいえ

母親は、姿を消す前に息子の死体を見ていますか?

Noです。息子は母親が姿を消してから、自ら命を絶ちました。

はい

父親が母親を連れ去る際、母親は肉体的精神的に正常でしたか?

Yes。しかし絶望的な悲しみの中にはいたでしょうね。

?

核心父親は息子が自殺したがっていたので、自殺を止めようとする母親を引き離して自殺の機会を与えましたか?

お見事…!!

★
?

父親は悪い人ですか?

問題文の時点ではNo。ただし、少し前まで「兵士でした」。

はい

父親は息子が自殺することを知っていましたか?

Yes、知っていたのです…!

答え

「息子からの手紙が届いたのは、あれが帰って来る半年ほど前のことでした」
父親はゆっくりと話し始めた。

「手紙は、その時の私の勤め先に届きました。
宛名は私の名前だけで、妻の名前はありませんでした。
胸騒ぎがして、私は妻に見せずに手紙を読みました。

手紙にはまず、半年後に帰って来ることが書いてありました。
そして、それと同時に知らせなければならない事がある、と…」

「…父さん、元気?
僕は帰還することになったよ。あと半年くらいで帰れるはずだ。
でも、その前に父さんには、知らせないとならない事がある。

僕は、爆撃で両足と利き腕を失ってしまった。
残った腕も、指は三本しかない。
爆撃の閃光にやられて、片眼も見えなくなった。
耳も片方潰れてしまった。

読みにくい字でごめんね。
この手紙は、残った指にペンを括りつけてもらって書いているんだ。

僕はもう兵士としては役に立たない。
そればかりか、普通に生きて行くことも難しいだろう。
けれど、僕は武勲を得て、「英雄」として帰還することになる。
だからその前に、父さんにお願いがあるんだ。

まず、母さんには絶対に言わずに、引っ越し先を用意してほしい。
出来るだけ遠く、何日もかけなければ戻れないくらい遠くにね。
そして父さんは、その家で待っていて。
僕が帰還したらきっと噂になるから。

母さんはきっと、僕を見捨てられない。
でも、僕はこんな体だし、結婚もできないだろう。
そればかりか、父さんや母さんに一生面倒を見てもらわなければならない。
今はそれでもいいかもしれない。でも、十年後、二十年後はどうなる?
いつか父さんや母さんが神様の許に召されたら、どうなる?
…想像するだけで恐ろしいよ。
それに、僕はもう疲れてしまった。

父さん、どうかこの願いを聞き入れて欲しい。
僕の帰還の噂が届いたら、新しい家に、母さんだけを連れ去ってくれ。

この手紙は、その時が来たら母さんに見せてほしい。
母さんは悲しむだろうけど、きっと分かってくれる。
父さんには辛い願いだろうけれど、僕にはもうそれしか道は残されていない」

「…あの子は、私たちの人生を縛りたくなかったのでしょう。
そして何より、自分がそんな状態で生き永らえるのが耐えられなかったのでしょう。
…私は、あの子を…」

父親はその場に泣き崩れた。
手紙の最後は、こう締めくくられていた。

「父さん、母さん、僕からの最後のお願いだ。
僕は「戦争で死んだ」。そう思ってほしい。一生、そう思い込んでいてほしい。

父さん、父さんは永遠に僕のヒーローだ。
母さん、いつも作ってくれたウミガメのスープ、大好きだったよ。
僕はあなた達の息子に生まれて、本当に幸せだった。
父さん、母さん。いつまでも、愛しているよ。」
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