ウミガメのスープ

【無茶振り三題噺15】だから気づかなかった 海の終わり

作者: みん

カメオは、飯屋の裏の穴場スポットでつりをしていた。

その日はゴミばかりつり革の財布も針にかかった。

臭いは酷いが、財布の中には現金が入っていた。

魔がさしたカメオは消臭剤をふりかけて財布を持ち帰ったが、

結局、考え直して交番に財布を届ける事にした。

知らせを受けて駆けつけた男は、財布を手に取り確認した後、自殺した。

一体、どういう事だろう?


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※この問題は「飯屋の裏」「つり革」「消臭剤」のお題をもとに作られた三題噺の問題です。

~無茶振り三題噺とは?~
「三つのキーワードから問題を作ろう」という企画です。
詳しくは、掲示板『ラテシンチャットルーム』の『無茶振り三題噺』をご覧ください。
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出題者が、解き手の進み具合に応じて上から順に出すためのヒントです。

ヒントはまだありません。

過去の実際のやりとりです。質問されたら参考に答えてください。

いいえ

知らせを受けて駆け付けた男は、財布の元の持ち主ですか?

NO!

いいえ

財布を届けた人と、知らせを受けて駆けつけた人は同一人物ですか?

NO!駆けつけた男はカメオではありません

いいえ

カメオが財布を見つけたから男は自殺したのですか?

NO!

いいえ

男は中身を確認したとき、何かがなくなっていることに気がつきましたか?

NO!

はい

カメオは消臭剤をふりかけた以外何もせず財布を届けましたか?

YES!財布の中身はそのままです

いいえ

男のの職業は関係ありますか?

NO!

犯罪要素はありますか?

YESNO! 関係する犯罪要素は、このケースでは罪に問われません!

いいえ

財布のもとの持ち主は生きていますか?

NO! 死んでいる可能性が高いです

いいえ

カメオが消臭剤をかけなければ男は自殺をしないで済みましたか?

NO 関係しません

はい

男は罪悪感で自殺しましたか?

YES!

いいえ

知らせを受けた男は、警察から知らせを受けましたか?

NO!持ち主の家族から連絡を受けました

いいえ

本来の財布の持ち主は、駆け付けた男の妻か恋人ですか?

NO!友人です

はい

財布が臭かった理由は、重要ですか?

YES!

いいえ

その友人は殺されてその釣り場に捨てられてましたか?

NO!友人は殺されてません

いいえ

お金の工面に困った男は、お金のために泣く泣く相方を捨て、別の女と結婚。しかし見つかった相方の財布からは、返済のために用意されたお金と「一緒に頑張ろうね」のメッセージ。男はその罪悪感で自殺しましたか?

NO!

はい

12より、友人は死んでいますか?

YES! 友人=財布の持ち主は死んでいると男は判断しました

はい

財布にはメモかなにかがありましたか?

YES!男はレシートを発見しました

はい

災害は関係しますか?

YES! ※ミスリード注意です

いいえ

駆け付けた男の職業は重要ですか?

NO

いいえ

男は友人に何か買ってくるよう頼んでいましたか?

NO

いいえ

船や飛行機のチケット代のレシートでしたか?

NO!乗り物代ではありません

いいえ

友人は男を待っているときに災害に遭いましたか?

NO! そもそも災害は…

いいえ

12より友人は事故で死にましたか?

NO!

いいえ

カメオは地域で公害問題を起こしている工場主ですか?

NO! カメオの職業は関係しません

はい

レシートに書いてあった買ったものは関係ありますか?

YES! 何に代金を支払ったかは重要です

いいえ

財布が臭いのは男が関係していますか?

NO!

はい

緊急避難(災害時などに、自分の命を守るために他人の命などを犠牲にする事)は関係しますか?

YES!

はい

緊急避難をしたのは、財布の持ち主の友人ですか?

YES!そして…

はい

友人に家族はいますか?

YES!いました

いいえ

男は災害時に水に落ちて溺れている友人を見捨てて逃げましたか?

NO! むしろ災害時に助けようとしました! ※ミスリード注意です

はい

財布の持ち主は、ウミガメのスープを注文しましたか?

YES!

はい

カニバリますか?

YES!

はい

核心友人は、財布の持ち主と共に遭難していた時に、死んだ仲間の肉をウミガメのスープと偽って飲ませたことがある。レストランの裏の崖から飛び降り自殺した財布の持ち主が、死の直前にウミガメのスープを飲んでいたことを知り、罪悪感に苛まれて自殺しましたか?

YES!正解です!

はい

核心男は共に遭難した 友人を生かすために死人の肉をウミガメのスープと偽って飲ませた人ですか?

YES!

答え

男は、1ヶ月前に失踪した友人の船場を探していた。
ある日、船場の親戚から「彼の財布が見つかった」と連絡が入った。
免許証から船場の財布とわかったのだが、彼の行方はわからないままだった。

財布の中には、レストランのレシートが入っていた。
財布が見つかった海の近くのレストランだ。
レシートの日付も、行方不明になった日だった。

男は、手がかりを得る為にレストランに向かった。
船場の写真を見せると、ウエイターはよく覚えていると頷いた。

注文したスープを飲んだ船場は、シェフを呼んで、
「これは本当にウミガメのスープか?」と何度も確認していたそうだ。
シェフが間違いないと答えると、彼は蒼白になって帰って行ったという。

男には、それで全てわかった。
船場はあの事に気づいてしまったのだと。



船場夫婦と男は、数ヶ月前に一緒に船旅に出た。
嵐に巻き込まれ、気づいた時には無人島に漂流していた。
一緒に流れ着いた乗客は数名のみ。

食べる物もなく助けが来る見込みもない。
絶望感漂う中で、船場の妻の海子は亡くなってしまった。
妻を失った船場も気力を失い、どんどん衰弱していった。

船場まで死なせてなるものか。
男は、震える手で海子の遺体を調理した。
海子には申し訳ないが、船場の為だ。許してくれ…

海子を食べるくらいなら、船場は迷わず死を選ぶだろう。
それは男にもよくわかっていたが、それでも生きていて欲しかった。

男はウミガメのスープと言って、船場に海子のスープを飲ませた。



なんとか生き延びた二人は、後に無事救助された。
療養生活を経て、やっと日常へ戻れたはずだった。

だが、船場は気づいてしまった。
あの時のスープが何でできていたのかを。

その事実に耐えられなくなって、彼は自殺したのだろう。

友人を恨み、自分を呪って最期まで苦しんだに違いない。
男のした事は、結局エゴでしかなかったのだ。
嘘をつくのなら、最後まで責任を持つべきだった。

後悔した男は船場と海子に詫び、崖下に身を投じた。



その様子を見守っていた船場は、強張った肩を弛緩させた。
カメオに金を握らせ、交番に財布を届けさせたのは船場だ。
船場の思惑通り、友人は自殺した。
ほっとしたのと同時に、言い知れぬ虚無感が襲う。

友人は責任感の強い男だった。
それは船場もよく知っている。
だからこそ、船場の計画は成功したのだ。

だからこそ、友人は船場の命を救った。
一生、重い秘密を抱える事も厭わずに。

だが船場は、どうしても許せなかった。
何も知らずに、海子を食べてしまった自分。
助かって良かったと、少しでも思ってしまった自分を。
命と引き換えに、耐え難い苦痛を自分に与えた友人を。

救ってくれなんて頼んだ覚えはない。
あの時、死なせてくれれば良かったんだ。
そうすれば、こんな事せずにすんだのに…

船場は、静かに目を閉じた。
波の音を聞きながら、大きく息を吐く。


ーー海子、待たせてすまない…


彼の体は宙を舞い、飛沫と共に海へ消えていった。





【要約】
失踪した友人の財布の中のレシートを見て、男は友人の足取りを追った。
遭難時に、男は友人にウミガメのスープと偽り、彼の妻のスープを食べさせた事がある。
友人は、本物のウミガメのスープを食べて真実に気づき自殺した。
そう思った男は、友人の死に責任を感じて自らも友人の後を追った。

— ocean view

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