ギャングの頼みごと

あん？ そうだなー、 カジノ、安宿、隠れ家、愛人宅…
もうあらかたしらみつぶしに探したと思うんだが…

さあ？ あいつあんまり喋りたがんねえ奴だからなぁ、 ツルんでるような奴は当然調べ入れたぜ。

当然調べたぜ。でもあいつ行動範囲メッチャ広いから、全部調べ切った自信はねぇな。

え？さぁ？ 用意したのは俺じゃねえし…でも確か現物でバッグに入ってるとか用意した奴言ってたな…

誰も何もそのチンピラだよ！
そいつに預けて一日したらそいつドロンしようとしやがったんだよ！

それもあいつに預けたっきりだぜ。あいつが持っていったのを見たのが最後だよ

めっけたのが貧民街の辺りで、そこかしこ逃げ回って、ようやく捕まえたのはビル街の袋小路だな。

さぁ？ あいつ本当に分かんねー奴でよ、俺はてっきりあいつの隠れ家に帰って行ったとばっかり思ってたから…
会ったとしたら家族だろうが、そんなの居るのかなあ？

貧民街で俺に会って金を寄越す段取りだったんだが、金のこと聞いた瞬間にあいつ逃げだしたんでな、怪しく思ってあいつの隠れ家調べたらバッグがねえからよ、大急ぎで追っかけたって訳さ

んー、 そうさなあ、昔気質な奴で嘘吐けるような奴じゃねえから、嘘吐く代わりに黙ってたってとこだろうよ。

ああ、それもしょっちゅうな。

元々ストリートの孤児だったからかな、都市部に部屋あてがわれてもわざわざ行ってたらしいぜ [編集済]

あるぜ。 なんでも捨てられ子で、貧民街の廃ビルに看板たてただけの孤児院で育ったとか。 妹さんはまだ13とかなのにそこで働いてるとか泣かせる奴だよ

そうじゃなきゃボコボコにされても黙ってるなんてするかねぇ

さっき思い出して言ったが、妹さんが居るな。あとは…孤児時代の仲間とかかなあ

いや？ でもいつ崩れるか判りもしない廃ビルだからなぁ、どっかに根じろを移したいってのは聞いたかな…

俺が知るか。
それが判ってたら苦労しねえよ

いいや。 あいつの性格上妹を巻き込むような事はしないと踏んでたからな、まだ会ってもいねぇ

元々質素な奴だったから、困りようがねえと思うが

なんでもそろそろビルにガタが来てるから金さえあれば引っ越そうって考えだったらしいが、孤児院が出来る建物なんてそうねえから、どうにかしたいんだそうだ。

無え。 そもそもあいつ収入のほとんどを妹に送ってたらしいぜ

兄貴が久々に泊まっていったって大はしゃぎしてたが、別にかわった様子はなかったぜ。

そんな様子は無えな。
相変わらずボロっちいしよ。

無理だな。すっかりのびてらぁ。

いや、多分会ったことも無えな

そういやあいつに渡したバッグ、六千万なんて入ってる割に小さかったような…

全額っつーかバッグごと渡したぜ。

いいや。 俺の独断だ。なんせうちのシマの収益だからな。

無理だ。 仲間がバッグだけは見つけてきたが、肝心の中身が無え。

だから知らねーって

丸一日かな。

ああ。 詳しくは知らんが金を用意した奴が持ってきた奴をそのまま使ってるぜ

あんにゃろう何やっても喋らねえ。
妹さんの話したときにエライ形相で睨み付けてきたけどな。

ただのジッパーが付いた書類カバンだぜ。 とても山ほどの札束が入るようなカバンじゃねえが

重い事は重かったが、どう考えても60kgなんてなかったぞ

｢バカにすんな！きっちり6000万ドル分入れたぜ。それよりチンピラ野郎のだなぁ…｣

あいつと話してると耳が腐ってくるような気がするぜ…

いいや？憎まれ口はよく叩くがそんな腹のそこから嫌いなんて奴は居ねえな。
仕事は早いし何よりひょうきんなおっさんだしよ。

あると思うが。
あのおっさん柄にもなく孤児に優しいからよ。

調べたがそんなもんどこにもなかったぜ

さあ？なかったと思うぜ。 んなもんあったら皆気付くと思うが？

｢あん？ お前見なかったの？ 600個の宝石で用意したぜ。 そもそもお前…｣

…冗談じゃねえ。 何で俺が説教されるんだよ…

そう思ってか仕置きは基本腹パンだったぜ。
でも反吐の中に宝石なんてなかったし、医者も診断したが出てこなかったぜ

｢ああ、あいつの妹なら知ってるぜ。あんなに兄貴想いの娘、そう居ねえぜ。今どき珍しくってよお……
ところであいつ俺と話したくないからってここと直接繋ぎやがって……｣

…おっさんの話は延々と続いている

んなこと言われてもアメリカって事しか言えねえな。

ああ。 おっさんの話聞きたくなかったからおっさんにここで答えさせただけだ。

だそうだ。それを更に袋詰めにしてバッグに入れてたらしい。

いや、この街のそういった情報はみーんな最初にうちの組織に入ってくるから。
いくら学がなくてもそんな安直な方法で処理したりはしないだろう。

俺等もそう思って一日で往復出来るような街に調べを入れたが、そんなことなかったらしい

そんなこともねえな。なんせあの娘はうちの若いのにモテるモテる。
街から出掛けたとあっちゃあそいつが多分黙ってねえからな

ある程度できる奴何人かに金をリレーさせて安全を図るのはうちの常套手段だぜ

｢……そこまでボンクラじゃない。｣
お、自分から反応したな。

ああ。 事が事だからやむなしって感じだろうよ

さあ？ 同じチームだから知り合いではあるかもな

ただの市販品のカバンだな。何の変哲もねえ

｢何言ってやがる!!｣
｢リーダー!冗談は止してください！｣
｢この野郎……ぶっ殺すぜ…!!｣

…それみろ。予想どおりだ。

兄貴か、さもなきゃ孤児院の関係者かって感じだな

想像もつかねえが、良くて降格、最悪、消されるかな…

｢…フン…。｣

ねえ。 つーかあったら即解決してるぜ

ないみたいだな。そもそも食えれば満足ってなつましい兄妹だからよ。

探したがなかった。ホントどこ隠したんだ？

ああ。そん時は金をリレーさせるとしか伝えなかった。

｢上納金だろ？いつもの。｣

ああ。調べたが、さすがに出て来なかったよ

そうかもな。大いにありうるぜ。

｢6000万なんて素晴らしい。楽しみにしてるよ｣
とは言われたが、今回の紛失についてはまだ何も言ってねえ。つーか言えねえ…

大金大金とは言ってたような気がするが…言ってなかったかな？

バカ言え！ どこぞのつながり眉の警官じゃねえんだよ！

同じチームだから仲が良いっちゃ仲が良いが、そこまでよく知った仲ではねえぞ

俺が金をあいつに預けた時だな。

たいした額じゃねえ。せいぜい20万ﾄﾞﾙくらいだ。 [編集済]

ブルーダイヤとかピンクダイヤとか言ってたっけか？宝石なんて俺たちにはあんまり縁がねえからよ

｢やけに一杯あったが、5000ドル位じゃなかったのか？｣
…やっぱりか。 [編集済]

重たいか？結構コンパクトだったぞ？余裕だと思うが？

あいつだってそこまでバカじゃねえだろ。宝石の価値はカッティングによっても大分変わるって事をこいつに教えたのは俺だからな。

｢かなり珍しいですよ。600コも集めるのは苦労しました。まあ、宝石の質の差でモノ毎の重さにはバラツキがありますがね。｣

ま、大体似たり寄ったりだな。 [編集済]

｢…｣
みたいだな。これを耐えればってな構えだ

郵便局で調べたがんなこたぁねえな。

｢んだと……! てことは…俺ぁトンでもねえことを…｣

それはねえよ。だとしたらソッコーボスに消されてる

まあ奴の妹は孤児院に住んでるようなものか。
そうだ。何でも空き部屋に泊めたらしい。

？ スマン。何を言ってるのかちょっと分からん

そんなはずはねえが、妹に金送ってたり、何故だか生活を切り詰めてやがったなあ…貯金でもしてんのか？

｢んなことあるか!俺はタダ…｣
なんで途中まで言って押し黙るのやら…

｢…｣ 黙りこくんなよ…

｢だからそこまでボンクラじゃない!｣

無いだろう。そうなんだろ？ ｢……ああ。｣

いや？ 何で？

ああ。相当入れ込んでいる。元々孤児ってのもあるのかな？

｢ああ。一つな……俺みたいな子供がもう居なくなること…いや、そんな子供が泣きを見ない事かな…｣

だからこいつ元孤児なんだよ。 兄妹そろって捨てられたな…

どいつももらってねえとよ。嘘を吐いてる様子もなしだ

あいつは昔から無理する性格だとか、最近心配になるほど人付き合いを断ってたりとかな。

｢まだしてねえ…｣

つまり、寄付するつもりではあるが、まだ宝石はどこかに隠してるってとこだな。

いの一番に調べたが？

いや、無かったな

……おまえあたまいいな。

ああ！どうやら…見つけた！

やけにカードにこだわるな？ そんなことないぜ

あったぜ！マットの中に！今数えてるが多分全部ある！

だからなんなんだよ？

ああ。なんでこいつそんな無茶したのかな？

…あ！